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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ロダンとカリエール

予告にも出した通りのコースを行くが、江戸博を明日に回す。神谷バーに行きたいからだ。

九時半開館直後に入りはしたが既に先客がいるロダンとカリエール展。私は約二十年前に大原でカリエールを見て妙に心に残る画家だと感じながらも、縁なく今日まで来た。またロダンは‘89年にここで特別展を見て以来大がかりなものとは無縁だった。

ロダンについて私には大変古い記憶がある。大学生だった叔父は私を溺愛し連れ回した。幼児を連れてどこにでも出かけていたのだ。
ある時、京都市役所に行った。そこでお昼を食べたが私はロダンの彫刻を見た記憶があるのだ。
何を見たか。これは「ロダンといえば考える人」という観念がしみついているばかりに、長らくそれだと思い込んでいたのだが、実は違い「アダム」だったのだ。京都市美術館にアダムが展示されていてその来歴を読んではじめて知ったのだ。しかもそれはごくわずかの期間で…
わたしは当時三歳で、昼にカレーを食べたことや絵本カエルとお姫様を電車に置き忘れたことを、延々としつこく覚えていたのだ!
あ゛ーーこわーーー


さて、会場はまずカリエールから始まる。
正確に言えば前庭部分に地獄の門やカレーの市民があるのだからロダンから始まるのだが…
カリエールはロダンの肖像画を3点作っている。
油彩はエスキースに見え、リトグラフはその下絵を使用しているのか、反転してしまい、鼻の形が逆になってたりで、面白い。
一方ロダンはカリエールのデスマスクを作成している。へんなことを言うようだが監督しただけとはいえ、さすがに巧い。
組んだ両手のデスマスクはそのまま(取る)から当然しわや細胞も写してしまうが、時間の流れのせいか、カビが生えているのがどうもシミにみえて異様にリアルな手になっている。

カリエールの人物は表情、というより感情を顕にしない。
しかし小さな娘の肖像画はニッと笑ってこちらを見ている。あの子はきっと甘いものが好きなのではないかとか、そんなことを考える。

色彩は殆どが沈んだセピアのために、ゼラチンシルバーポイントの古い写真のように見えカリエールの絵。
裸婦がいる。ちょっと五姓田義松を思い出した。

ロダンの造形のリアルさを見ると、いつも感心するというより何か別な好奇心がもたげてくる。こういうポーズをさせたのかとか、そんなことするから去り行く愛になるのだとか、そういう類。
しかし目というより意識に残像が刻まれるので、かぼちゃの切り口を見ても「・・・ロダン先生に・・・?」などと考えてしまいそうである。

「罪」
これはしっぽなのか。ちょっとインドのナントカいうのを思い出したりする。そう、自在歓喜天とか。ロダンのこういうのは360度から見たいものです。

「鋳造家」
カリエールはこれ、ロダンの仕事から思いついたのだろうか。
なんだか私の目には、中世の伝説などにある地獄に勤めて業火を燃やし続ける釜焚きさんに見えるのだが。

ロダンの「目覚め」
えーと、♪ミッヘル ミッヘル ウント アウフ スイスーー♪などと歌いたくなります。

カリエールは母と娘の愛情を描き続けたけれど、どうも息子への愛は?とふと思ったりしたが、単に描きたいから描いているだけなのかもしれない。
むつかしいことはわからない。

まだまだ書くべきことはあるが、ここで一旦ロダンとカリエールから離れる。
良かったことは間違いない。
何もかも書く必要は無い、という気持ちがこの展覧会を見たあと湧いて来ている。
心の中だけに収めて熟成させ、そしていつかそれが滲み出すようになることを、なんとなく楽しみにしたいのだ。
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コメント
こんばんは。
東京ツアーしょっぱなにしては
「色気」のない展覧会だったかもしれませんね。

私は会場内に溢れていた「愛」を強く感じました。

神谷バーの電気ブランは美味しかったですか?
2006/03/17(金) 00:25 | URL | Tak #JalddpaA[ 編集]
おはようございます。
どうも旅先のホテルパソコンというのは使いにくくて書きたいことの半分しか無理ですね。

カリエールの薄茶色・ロダンの黒または白・・・
普段色彩にまみれている分、かえって新鮮でした。

電気ブランはニガテなのでハチワインです。
白なのでフキノトウのてんぷらにも良くあいました。
2006/03/17(金) 07:57 | URL | 遊行 #-[ 編集]
こんばんは。
東京のアートツアーの記事を拝見しました。
松岡美術館は出向いたことがないのですが、
遊行さんの記事を読んでいきたくなりました。
今度是非行ってみます。

私も先日ロダンとカリエールを見てきました。
ともかくどちらの作家も殆ど初見だったので、
まずはひかれる作品を羅列してみました。
拙い記事ですがTBさせていただきます。
2006/03/23(木) 01:30 | URL | はろるど #-[ 編集]
おはようございます、はろるどさん

ロダンとカリエールは時間が経つごとに、靄のような白い闇の中からかたちが浮かび上がってくるようです。

薄いココアを飲む気分。そんな感じ。

松岡はいいですよ。わたしはあそこの収蔵品好きです。近所に有名なお蕎麦屋さんもありますよ。
2006/03/23(木) 09:49 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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