美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **自宅でログイン出来ないので、現在「遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う」で感想を挙げています。

この男がジブリを支えた。近藤喜文展

「この男がジブリを支えた。近藤喜文」展に行った。大阪では梅田阪急で開催していた。
哀しいことにチラシを入手できないままである。もう展示が済んだのでどうにもならない。
唯一手元にあるのは朝日友の会の会報のこれだけ。
イメージ (18)
でも、何もないよりずっといい。

開催は4/27-5/9だった。行く機会に恵まれず困ったが、ようやく出向くとやっぱり繁盛している。結構なことである。
そして迂闊なことにその時初めて、近藤が20年近い前に47歳で亡くなっていたことを知った。

わたしがアニメを熱心に見ていたのは1985年までだからこれはもう仕方ない。当時のアニメージュとOUTはまだ手元にあるが、ジブリが映画を主力にし始めたのがこの年だったか、それまで確かジブリと言う名ではなかったように思う。
そのあたりのことを調べる気力がないので措いておく。

近藤は1950年生まれで若いうちからアニメーターの仕事をしていた。
最初に展示されていたのが「ルパン三世」のパイロットフィルム版の峰不二子が最初に現れるシーンである。
そう、わたしが最も好きな1st「ルパン三世」の最初の最初のあれ。OPである。
大人の魅力あふれる不二子だが、これはパイロット版のみ。
そうか、こんな若い時分からこんな大人な不二子を描いていたのか。


次に「未来少年コナン」のコナンとジムシィが初めて出会って張り合うシーンがずらーっと並んでいた。
ああ、わたしはこのコナンとジムシィのシーンが大好きだったよ。

ちょっと年譜を調べると近藤は他に「ガンバの冒険」にも参加していた。
わたしは1st「ルパン三世」、「ガンバの冒険」、「未来少年コナン」は再放送の度に絶対に見ずにいられないのだ。
知らぬ間に好きだったひと、だった。

大量のストーリーボードがある。
「赤毛のアン」。これも小学生の時熱心に見ていた。演出の高畑さんの要望に応えるために何度も描きなおしたそうで、その完成への軌跡もここで見られる。
「赤毛のアン」は非常にすぐれた作品で、当時も素晴らしいと思っていたが、歳月を経るにつれいよいよその作品の良さを思い知るようになった。
そのキャラデザインと作画監督。
本当にいい仕事をしていたのだ。

「トム・ソーヤーの冒険」も近藤作品だったのか。
そういえばハックルベリー・フィンとジムシィはよく似ていた。
出ていたのはトムがへたっているシーン。
次のアクションへと向かう体の動きがとても自然でいい。

「名探偵ホームズ」もある。犬のホームズ、素敵だったな。広川太一郎の声が蘇る。
ただ、展示されているシーンがどこのエピソードのものなのかがちょっと思い出せない。残念。

わたし個人はこの時期に一度TVアニメを離れてしまい、これ以降の作品はあまり知らないので、「若草物語」などもあるのかと初めて知った。

アニメを見なくなった最大の理由は時間が無くなったからというのが最大の理由である。
そしてこの頃オリジナルアニメがあまりなかったように思う。マンガのアニメ化が多かったので、原作至上主義のわたしは身を引いたのだ。

映画の仕事を見る。
「火垂るの墓」のストーリーボードが出ている。
せつなすぎてまともにみていられない。
しかしそれでも見る。みては胸が痛くて苦しくなる。
節子のキャラ決定までの軌跡をみる。髪型の移り変わりなどもある。
ああ、ドロップが…

「おもひでぽろぽろ」は見なかった。アニメだからではなく、この頃映画そのものを見なくなっていたのだ。
ただし「紅の豚」は久しぶりに劇場に見に行き、その面白さと映像の美、キャラたちの良さに大いにウケた。だから今もTV放映があるときは楽しみに見ている。
「ぽんぽこ」もきちんとは見なかった。だから残念なことに展示されているストーリーボードや原画を見てもどのシーンにあたるのかがわからない。
「耳をすませば」もそう。惜しいことをしている。
とはいえ、「もののけ姫」は会社の後輩と共に見に行き、久しぶりにパンフレットも買って、今も手元にある。
もうあれから20年近く経っているのか!!

仕事とは別にたくさんのスケッチやちょっとしたストーリーボード風のものが作られていた。活発な少女が好きだということで自転車やバイクに乗る少女の絵も多い。

ややこしい経緯を持つ「リトル・ニモ」の仕事もたくさん出ていた。
そしてその映像が流されていた。ああ、ここにブラッドベリも参加していたのか。
日本人ではなく外人の好むような作画をしている。こうしたところに職人魂をみる。
確かな技術があるからこその仕事ぶりである。

かなりのところまで準備していたのに結局制作が頓挫した作品も少なくないようだ。
豊田有恒「退魔戦記」をアニメ化しようとしてストーリーボードからポスター原画かな、そんな辺りまで拵えている。
丁寧な作りでとても面白そうなのに残念だ。

最後に日常の中で見かけた光景や風景を描いた多くのカラースケッチが展示されていた。団地の祭や子供らの元気な様子、「フイチンさんのような女性」が自転車に乗る様子なども爽快だ。そしてそれを見て子供時代に「フイチンさん」を読んでいたことがわかる。
もし今近藤が存命なら、村上もとか「フイチン再見」をアニメ化できるのは近藤だけかもしれない。

面白い展覧会だった。なのに一度しかゆけず、それも時間をあまり取れなかったのが残念だ。
久しぶりに彼の関わったアニメ作品を観たいと思った。
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