美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **自宅でログイン出来ないので、現在「遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う」で感想を挙げています。

いのち賛歌 森田りえ子展

承天閣美術館で森田りえ子展が開催されている。
「金閣寺方丈杉戸奉納10周年記念」だそうだ。
その杉戸も今回こちらに来ている。イメージ (4)

今活躍中の日本画家の中でも森田さんは特にいい。
彼女の描く花が特に好ましい。
鮮やかで艶やかな彩色と、伝統的に寄り添いながらも大胆な構図。
ほんと、素敵だ。
先年香雪美術館での展覧会で初めて見た「KAWAII」シリーズもたくさん仲間が増えていた。それも微笑ましい。

イメージ (5)

森田さんの花と言えばまずは椿だが、次が糸菊、そして花菖蒲に蓮に紫陽花と美しい花が続く。
その糸菊。
1986年、「白日」の名のもとで森田さんは華やかな白をまとった糸菊を世に送り出した。
1992年には「秋蒼穹」として下書きをせずにフリーハンドで繊細の極致のような糸菊を描いた。線のない色だけで円い菊を、糸菊を描く。それが妙に厚みのある存在感を生み出していた。
話す口はもたないものの、物言う花になっているようだった。

柊野五色椿 2007 この五色八重散椿は本当に綺麗で明るくで艶やかで大好き。
先人・御舟が描いた散椿は地蔵院のだったかな、こちらは柊野。

冬・椿 1999 上に白梅、下にやや薄紅の椿が咲く。白椿が散っている。
この二曲屏風を所蔵しているのは「アイスまんじゅう」の丸中製菓。
おいしいおいしいバニラとアンのアイス。
今度からはアイスまんじゅうを見る度・食べる度にこの絵を思い出すだろう。
いや、丸中製菓はほかにも花菖蒲や罌粟の絵も所蔵している。

一力亭白椿 遠目にもはっ となる赤い暖簾がある。丸に一力の文字が見える。
べんがら色の塀。そこに白椿。そしてその花は「袖かくし」という名を持っている。
綺麗な色の対比。

桜も描いている。
建仁寺茶碑 春うらら 2003 栄西禅師の茶碑を左右からしなだれかかるように枝垂桜。はらはらと散り舞う花弁。祇園辻利の所蔵と言うのもひとごとながら嬉しい。

五節句を描いた連作物は小品だからこその愛らしさが横溢していて、これはぜひシリーズのままでいてほしいと願う。

扇面12か月もいい。中でも6月の「彩雨」はガクアジサイとカタツムリを描いていて、雨だけでないしっとりさがあった。

百合、朝顔、酔芙蓉、なにもかもがいい。

東南アジアで感得した美を描いた「熱国彩夢」「熱国麗華」も素晴らしい。
艶めかしい湿度が南国の花や蝶をより美しく表現しているかのようだ。

金閣寺方丈杉戸「秋―菊」「冬―椿」は木目の美しさもまた鑑賞するものだった。
わたしは椿がとても好きで、好きで、この五色八重散椿の美にただただ陶然となる。

香港の夜を描いた長い長い「光の入江」もいい。そうだ、飛行機のために点滅するネオンは許されていなかったな、とそんなことを思い出す。

2015年の「KAWAII・GITAI」シリーズがとてもキュートだった。
いまどき少女たちがスィーツ、フルーツ、フウジン、ライジン、デヴィルなどのタイトルでそれそれコスプレ中。
チラシの「フルーツ」は帽子がメロン、スカートはスイカ、白いネットをコルセットにしている。
「スィーツ」少女のミュールが三色団子なのも楽しい。

舞妓を描いた連作「粧」もいい。諸肌脱ぎで合掌、長襦袢姿、お店だしの完全な姿。
がんばって日々を生きる少女の強さをも感じさせる。

スケッチもいい。
「ジャワの踊り娘」や上海美人を描いた「民俗衣装」が特にいい。
石本正えがく美人たちと共通する、健全な肉体を持つ娘たち…

前後期展示替えもある。
6/19まで。
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