美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

かざり―信仰と祭りのエネルギー

既に終わったとはいえMIHO MUSEUM「かざり―信仰と祭りのエネルギー」はたいへん魅力的な内容だった。
3/1―5/15まで開催していたが、わたしが出かけたのは5/14、最終日の一日前だった。
MIHOさんに行くのには根性が必要なのだが、それがなくてずるずる遅れた。
だから第6章の若冲などは既に旅立っており、ここでは見ていない。
それらは都美の若冲展に出ていたりもする。
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二種あるチラシ。表はどちらも若冲

1.花開く仏教美術―仏教伝来とかざりの世界

滋賀の阿弥陀寺から二体の金銅誕生釈迦物立像が来ている。
8世紀と14世紀のもので様子は違うものの、どちらもピカピカの一年生である。
前者は「てへっ」と手を挙げ、後者は「はーい」という手の上げ方をする。

その前の時代の白鳳文化を代表するのが法隆寺で、その法隆寺の遺品が色々きていた。
金銅透かし彫り金具、金堂につけられていた鳳凰など。

穴太廃寺出土の銀製押出仏、三尊塼仏、瓦があり、長らく土中にあったためにか塼仏は金色に耀く箇所を見せていた。

飛鳥村の川原寺の跡辺りからは細身で上部に飛天二人のついた塼仏が出ていた。
それから救世観音の光背の拓本、これなども見てしまってよかったのかと思ったり。
どこから出たか、押出如来三尊像も金に光り、緑にも光っていた。

白鳳時代の華やぎがよくよく伝わってくるよ。

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2.法会をかざる色彩と音楽―伎楽と舞楽

東大寺から伎楽装束が来ている。これは近年のもので、つまり1300年変わることなく東大寺では法会に伎楽・舞楽が必要とされてきたことがわかる。
迦楼羅の面はMIHOさんの所蔵だが、もとはやはりそのあたりから明治初めに流出したのだろう。
黒漆鼓胴 やや細めか、皮を張るのも直径15cmくらいか。

四天王寺からも舞楽面・陵王が来ている。こちらは傾聴17年。
MIHOさん所蔵のは室町時代。

決まりごとは変わらないが、細部の表現がそれぞれ違うことに改めて気づいた。
わたしが「蘭陵王」また「羅陵王」を知ったのは山岸凉子「日出処の天子」の第一話のカラーページからだからもう随分になる。蘭と羅、どちらもあるのを知ったのは佐藤史生のSF作品「羅陵王」で、ちばてつや「餓鬼」ではその陵王の面をかぶって強盗を繰り返す少年が描かれているのを読んだ。

舞楽の胡蝶や迦陵頻伽の作り物の翅と羽根がある。鎌倉時代のものでとても手が込んでいた。よく保存出来ていた。

鉦鼓縁残欠 鎌倉 ぐるりを連珠でつなぎ、中央に鳳凰が舞う。その連珠にたとえば人の顔が入れ手塚治虫「火の鳥」のようだと思った。

狩野永納の舞楽図屏風がある。たいへんカラフル。舞楽の人々が持ち場?で舞い続けている。宗達の舞楽図屏風がいつも意識にあるが、こちらは荘厳さより明るさを感じる。
山本太郎が可愛らしい二次創作をしたからか、幼稚園児のお遊戯を思い出してしまう。
特に裾を持ちあう四人の八仙が好きだ。
胡蝶は山吹を持つ、とても綺麗。それから安摩をみて岡野玲子「陰陽師」を想った。

3.荘厳―善をつくし美をつくす
4.神秘のかざり―密教儀礼(修法)の空間

仏像・仏具の美があふれていた。
木造弥勒菩薩坐像 金沢文庫保管・光明院 朱唇の艶めかしさ、煌めく瓔珞、宝塔を掌中に収める。白塗で緑の髪。綺麗な彩色。

両界曼荼羅図 室町 MIHO 剥落しているが周囲のコマの小さく素朴な絵が可愛い。アタマに蛇を乗せているのは宇賀神か。
三面で千手の仏。三羽のアヒルに座る人もいる。
胎蔵界にはぐったり横たわる人の姿がある。

胎蔵界曼荼羅図 平安 仏たちより周囲の人々のファンキーな姿がいい。もちろんきちんと物語があるのだが、それでも可愛い。

如意輪観音像 鎌倉  MIHO 美人!艶めかしい。ふっくらゆったり。顔つきはややイケズな微笑を浮かべているのがいい。

密教系の仏具をみる。石山寺のものなどもある。
金属表面の傷は即ち飾り。緻密な文様が隙間なく広がる。
飾らずにはいられないのだ。

神護寺経帙 平安 MIHO 綺麗なビーズで構成されている。留は胡蝶。何度か見ているが、やはり綺麗だといつも思う。

銅造宝相華文片面磬 1035 MIHO どうしても宝相華が蟹に見えるなあ。上にペコちゃんのような仏さんがついている。可愛いな。

いくつも磬があるが、孔雀や蓮華文が並ぶ中で、ハチスがどう見ても味の素の中蓋に見えるものがあるのも面白かった。

木造蓮華文華鬘 鎌倉 ああ彩色が褪色しつつもよく残っている。これは綺麗な。

阿弥陀三尊来迎図 南北朝 MIHO  左上から右下へ。美人たちのお迎え。

木造迦陵頻伽像 伝・朝祐 室町  これが怖い。凶笑を見せながら右手を振り上げる。左手は肘下がない。足は鳥なのに非常に力強く、そして暴力的な感じがある。なんだろう。

5.信仰の広がりと動物たち

荼吉尼天像 江戸 和歌山・桜池院  象、鷲、獅子もいるのか。不思議な組み合わせのどうぶつたち。

6.
タイトルは本来若冲の、とあったがわたしが見たときは全部展示終了だった。

大涅槃図 海北友賢 1713 京都・清浄華院 ツイッターでもけっこう皆さんウケてはったなあ。



7.古神宝

檜扇 朱と金銀と松の緑と。優雅な。

雷雲蒔絵螺鈿鼓胴 1430寄進銘 MIHO ギザギザの雷鳴が螺鈿。おしゃれ。

金銅琵琶 鎌倉  可愛く作られている。宝玉もついている。これには信長の書状もあって、彼が執着していたのがわかる。

8.神の乗り物
唐鞍 鎌倉 手向山八幡宮  派手や。

神輿 1924 伊勢佐木町 町内の持ち物の御神輿。四方に獅子がいて螺鈿も丁寧に。
神様のところは新規作成をしないといけないのでたいへん。

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9.祭のにぎわい

年中行事絵巻模本(賀茂祭)原在明 1840 陽明文庫  花をいっぱいに着けている傘。フィギュアを傘に乗せているのも面白い。
観客を追っ払う坊さんもいる。
他にも祇園祭のがあった。いずれね白描。

月次祭礼図模本 江戸 東博  虎皮をやたらめったら乗っけた山鉾…うそくささがいいな。山口晃ぽい画風。

二点の竹生島祭礼図がある。どちらも舟がどんどんどんどん来る。行ってみたくなる。

近江名所図屏風 室町 滋賀近美  ここでばったり会うか。琵琶湖。雪の残る比叡山。楓が赤い。そして季節は変わり岸辺には花ショウブ。三井寺の鐘もある。日吉は猿がたくさん。

日吉山王・祇園祭礼図 室町 サントリー 人々の表現がいい。屋根に上ってくつろぐトコヨノナガナキドリたち。石垣がみえる。穴太のか。祇園祭では五条橋、浄妙などがみえた。

洛中洛外図屏風 江戸 林原美術館  ああ久しぶり。金型雲。淀から始まる。八幡もある。そして御所は開放中。
天守閣のある二条城。庶民の暮らしも丁寧に描いている。

洛中洛外図 江戸  こちらは後世の分。まだ金型雲。こちらにも二条城に天守閣がある。相撲を取る人々もいる。

10.滋賀の曳山祭り

近江八景欄間彫刻(大津祭・源氏山) 1718 大津市  おー、これはスゴい。細かい精密な作り。鳥居もある。粟津にお城があったのか。柳も作る。家も可愛らしい。堅田もいい。落雁だけでなく止る雁もいる。波の揺らぎもいい。

波濤に飛龍文様後幕(水口曳山祭 作坂町) 明-清 水口町  輸入品。皇帝の衣服に似た柄。

面白い展覧会だった。

帰りのバス、気分が高揚していたから遠いとも感じなかった。
よかったなあ。


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