美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

鞍馬天狗ワンダーランド 昭和のあそび

大仏次郎記念館で鞍馬天狗をモチーフにした展覧会が開かれている。
「鞍馬天狗ワンダーランド 昭和のあそび」展
磯貝宏國コレクション展とある。
イメージ (53)

どんな方なのかは知らないが、こうした方のおかげで今の世でも往時の楽しみを再現できるのだ。

メンコがずらーーーっ 丸いのも四角のもある。
大阪では「ベッタン」と言うていたそうで、嗜好もちょっとずつ違ったようだが、映画スターや物語のヒーローが描きだされるのはいつの世も変わらない。
ここでの鞍馬天狗はもちろんアラカンこと嵐寛寿郎である。
現代では出せない原色が使われた絵柄も昭和ロマンがたっぷりで楽しい。

日光写真もある。今も大好き。またやりたい。おもしろいよなー。
出てくる絵柄はやっぱり流行りものなのだが、これはなんでか魅力的なのだった。

ブロマイドもある。昔のことだから「プロマイド」と呼んでいたかもしれない。
ゲームも色々。かるた、いいなあ。伊藤幾久造の絵。
そういえば一番最初の「角兵衛獅子」の挿絵は伊藤彦造だが、妖艶凄美の彼の絵を大仏は気に入らなかったそうだ。

凧揚げ、福笑い、双六…お正月用のおもちゃも少なくない。
ピンクのセルロイドのお面もある。
そうそう、鞍馬天狗も月光仮面もタイガーマスクもヒーローは自らの顔(正体)を隠していたのだった。

紙芝居もある。これはまともなものらしい。
上村一夫「凍鶴」の中で単行本に収録されていない一本がある。
主人公おつるや子供らが見る紙芝居は鞍馬天狗の話だが、実はその裏面は鞍馬天狗と女の婀娜な様子を描いたものだった、というのがある。紙芝居屋のおやじのオリジナルもので、健全な鞍馬天狗をそうやって動かす喜びを持っていたのだ。

そしてそもそもの「鞍馬天狗」の紹介がある。
イメージ (54)

それにしても…大仏次郎の生んだヒーロー鞍馬天狗はアラカンによって当時の日本人の多くをファンにした。
原作を知らずとも映画のイメージだけで鞍馬天狗が活きていたりもする。
また、挿絵でも彦造の鞍馬天狗ばかりが浮かぶ。
映画になる以前、多くの人々は彦造の凄艶な鞍馬天狗を想っていたのだ。

とはいえ実は大仏次郎本人は彦造の絵もアラカンの演じた天狗も、気に入らなかった。
記念館に来ていて言うてはなんだが、大仏次郎もちょっとしくじった。
かれは自身も鞍馬天狗の映画製作に乗り出し、アラカンではない俳優を立てたのだがこれが大失敗。
wikiのアラカンの項目や映画「鞍馬天狗」の項目にはそのあたりが詳しく書かれているが、出典を知らぬので、どこまで本当かはしらないがえらいことになったそうだ。
やはり鞍馬天狗=嵐寛寿郎のイメージが強いので、観客も見に行く気にならなかったらしい。
難しい話だ。

難の映画の本で読んだか忘れたが、アラカンはたいへん子供にやさしい人で、劇中でも杉作ら不遇な子供らが虐待される状況があると、演技ではなく本気で子供らをかばおうとしていたそうだ。
・・・久世光彦が書いていたのだったかな・・・ちょっと忘れた。

画面からにじむそうした体質や正義のヒトとしての鞍馬天狗に子供らは魅せられ、ヒーローとして崇め奉り、おもちゃになると喜んで手元に集めようとした。
強いだけではHEROではない。人にやさしいところがないといけない。
やはり鞍馬天狗がこんなにも人気になり、現代まで時折ドラマになったのも、アラカンの力演あったればこそだろう。

様々なことを思いながらも往時の子供らが楽しんだ遊び道具をみた。
7/10まで。
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