美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

よみがえる仏の美 修理完成披露によせて

既に終わったが、やはり感想を挙げたい。
静嘉堂文庫美術館のリニューアルオープン展「よみがえる仏の美 修理完成披露によせて」、美術館のリニューアル、仏像の修理、みんなうまく行って良かった。
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普賢菩薩像 鎌倉  修理を施したのがどのあたりかはわからないが、綺麗な仏画だった。
頭上で踊る三人に、菩薩の膝あたりの截金の綺麗さに目を引かれた。

ずらりと並ぶ百万塔陀羅尼。40基・9枚。奈良時代に作られたもの。
壮観。元は法隆寺に所蔵されていたが、例の廃仏毀釈の影響で法隆寺も没落した時、岩崎家が助けたそうで、そのお礼に法隆寺から贈られたものだそう。

そしてその横に絵の具の綺麗な仏画が並ぶ。
東山御物だった羅漢図、とても綺麗な釈迦三尊図などなど。

高麗の仏画もいいのが集まる。
元から明の十王図もあるが、地獄は一定住みぞかし、ならぬとにかく多忙で大混雑中の様子。女も多いし、孔雀の扇もあるし、となんだかんだとカラフル。

摩利支天像とされているがもしかすると帝釈天かもしれないという図もあるが、どちらにしても端正。イノシシかガチョウがついていればわかる??

水月観音も珊瑚や小さい善財くんもいて賑やかだし、綺麗なベールがとても似合う。

日本の南北朝の仏画もとりどり。
弁才天、如意輪観音、千手観音28部衆、春日鹿曼荼羅・・・
五台山文殊菩薩は少年像で四人の眷属に守られている。

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そして河鍋暁斎が明治になって注文を受けて描いた「地獄極楽めぐり図」絵巻を久しぶりに堪能する。
日本橋の勝田五兵衛の娘で14歳で亡くなった田鶴の追善のために描かれたもの。
少女田鶴が仏さまに導かれて地獄極楽ツアーをする。
地獄は確かに恐ろしいけれど、極彩色で描かれた地獄もよくよく見れば案外面白いし、江戸の町と同じような賑やかさに満ちていて、猫の代わりに畜生道に堕ちた人がにゃあと口を開けて魚を食べたりしている。
少し前に死んだ役者の極楽興行もみれたし、亡者の家族にも再会、宴会にも読んでもらえたし…そして最後は極楽行きの汽車に乗ってご機嫌に雲の線路をゆくだった。
あの世もこの世も変わりのない賑やかさに、田鶴の亡魂も安寧、遺族も安堵という絵巻なのだった。

思えば年少の折に生首をスケッチしたり、ご維新の戦いで人死にを多く目の当たりにしたり、獄門に掛けられた人間の絵を描いたりする一方で、暁斎は心を病みもせず、痛快に生き抜いたのだ。

この展覧会のいいところは修復部分をどのようにしたかなどの情報をパネル展示し、長い絵巻の細部を見るためにと画面でスクロール出来る設えがされていること。
ありがたいなあ。

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最後、ロビーに出ると外光の入る場所に曜変天目と油滴天目の二碗が展示されていた。
外光を浴びてキラキラ煌めいている。
とても驚いた。

次の展覧会もとても楽しみ。
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