美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **なお現在コメント欄を閉鎖中です。

鏡の魔力 村上コレクションの古鏡 / 若き日の雪舟

根津美術館でシブい展覧会を見た。
コレクション展の「鏡の魔力 村上コレクションの古鏡」と特別企画展「若き日の雪舟」である。
根津は茶道具のコレクションのいいのも時季ごとにいいのを見せてくれるし、一室一室の内容が充実しているから、その部屋ごとに小さな企画展を楽しませていただいているようなものだ。
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さて古鏡。
今年初めに兵庫考古博物館で「千石コレクション」のモノスゴイとしか言いようのない古鏡を見た。あれだけのコレクションはなかなかない。
何しろ「夏」の時代の鏡があるし、唐代の非常に美麗な装飾が残るものまであるのだ。
その時の感想はこちら
まだびっくりしたのが自分の中に残っている。

今回は村上コレクションである。根津に寄贈された鏡60点を展示している。
この村上さんは村上開明堂というバックミラーの国内シェアNO.1の会社社長さん。
2011年にも受贈記念展が開催されている。
わたしはネットを泳いでいるときに偶然こちらのサイトを見た。

とても丁寧な解説と拡大画像もあり、実はけっこうここで学ばせてもらった。
その実物が根津に寄贈され、ガラス越しとはいえ間近に見ることが出来たのだ。
とてもありがたい。
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羽状獣文地五山字文鏡 1面 青銅鋳製 中国・戦国時代 前3世紀
羽状獣文地四山字文鏡 1面 青銅鋳製 中国・戦国時代 前3世紀
「山」が5つまたは4つ、円の中にある。5つだと星形、4つだと対称になり面白い。

羽状獣文地四鳳鏡 1面 青銅鋳製 中国・戦国時代 前3世紀  ヨーロッパのカリグラファーのようだ。

雷文、草葉文、星雲文など魅力的な文様が多い。
とはいえ星雲文は連弧文なのでわたしにはわからない。

神仙騎馬画像鏡 1面 青銅鋳製 中国・後漢時代 2世紀  西王母、東王父がいる。この時代にはとても人気のある神。
西王母は桃の話などいろいろ絵になるが、東王父はセットでしか出てこないような気がする。

唐代の鏡はやはり華やか。天馬もいれば鳳凰、鴛鴦、雲龍文、獣などが躍動感あふれる様子で刻まれている。

貼金緑松石象嵌花唐草文鏡 1面 青銅鋳製貼金トルコ石象嵌 中国・唐時代 8世紀  チラシではわからないが、けっこう小さい。緑松石はトルコ石。可愛いなあ。

狻猊鸚鵡葡萄文鏡 1面 青銅鋳製 中国・唐時代 7世紀
海獣葡萄方鏡 1面 青銅鋳製 中国・唐時代 7世紀
ものすごく細密描写でびっくりした。

豢龍氏鏡 1面 青銅鋳製 中国・唐時代 7世紀  あ、「かんりゅうし」。文字が書いてあり、ところどころ読みとれる。

月宮図鏡 1面 青銅鋳製 中国・唐時代 8世紀  月宮図ということで杵つきウサギがいる。これは木の右側にいる。そして左に月へ逃げる女。
そうか、ウサギが右にいると左から月へ上れるわけか。

伯牙弾琴八花鏡 1面 青銅鋳製 中国・唐時代 8世紀 「真子飛霜」の四字がある。

孔子の逸話を示す鏡もある。
文様の変遷も見ることになり、とても興味深くその流れを追えた。
60枚ほどの古鏡を大いに楽しませてもらえたのは嬉しい。
いいコレクションですなあ。
根津美術館、これからもしばしばよろしくお願いします。

次には「若き日の雪舟」。
これは様々なミュージアムから借りてきたもので構成されていて、なかなかこんな充実した内容の展示には出会えない。
「拙宗等楊」→「雪舟等楊」という発見と確定があって、それでこの展覧会がある。

芦葉達磨図 拙宗等揚筆 竺心慶仙賛 1幅 紙本墨画 米国 スミス・カレッジ美術館蔵  初めての布教は失敗でした…

出山釈迦図 拙宗等揚筆 1幅 紙本墨画 岡山県立美術館蔵  甲高で爪長。

二枚の山水図、めちゃくちゃ細かい。
山水図 拙宗等揚筆 龍崗真圭賛 1幅 紙本墨画淡彩 京都国立博物館蔵
山水図 拙宗等揚筆 1幅 紙本墨画淡彩 根津美術館蔵
驢馬に乗る人や山など本当に細密。

四季山水図(春景・夏景) 雪舟等楊筆  4幅のうち「春」絹本墨画淡彩 東京国立博物館蔵  大きな岩が…ああ、胸がすくようだ。

四季山水図巻 雪舟等楊筆 1巻 紙本墨画淡彩 京都国立博物館蔵  小さく描かれた人々の暮らしが優しさをにじませて表現されている。
柳、田圃、流れ。心地よい邨だった。

涼しい心持になったところで二階へ上がる。
大好きな饕餮君たちに会う。
よくよく考えれば一つの身体に複数の生命体があるわけだが、乗っていると考えるべきか、共同生活とみるべきか。
…というようなことを考えながら青銅器たちに挨拶して歩いた。

企画室5の「花と鳥の絵画」は長くなるのでまた別項。

茶道具を見る。
今回は「雨中の茶の湯」
童子舟遊図 冷泉為恭筆 1幅 紙本墨書  網を持って元気よく働く子供。

手鑑 翰林秀葉 1帖 紙本墨書ほか 奈良〜江戸時代  「大聖武」から始まるスクラップブック…と言い切るのはいかんな。白河院、嵯峨帝、後小松天皇あたりのが出ている。

蓮葉形釜 1口 鉄 日本・江戸時代  何か見たことがあると思ったら、金田一耕助の愛用の帽子、あれにそっくり。

茶杓 共筒  佐久間将監作 1本 竹 日本・桃山〜江戸時代  変体仮名があるが読めない。元祖・猫オヤジの拵えたもの

祥瑞水玉文茶碗 景徳鎮窯 1口 施釉磁器 中国・明時代 17世紀  中に瓔珞文の連続。綺麗。

鉄絵鳥文茶碗 志賀 1口 施釉陶器 日本・江戸時代 18−19世紀  満足したような小鳥が可愛い。枇杷色と卵色の間のような肌。

赤楽百合形向付 楽宗入作 1口 施釉陶器 日本・江戸時代 17−18世紀  結構好き。

色々と楽しいものを見た。やはりここに来ると満足度が上がる。
7/10まで。
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