美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

動物襲来 in 五島美術館

すごくうっかりしてた。
五島美術館「動物襲来」展の感想を挙げ損ねていた。
気づいたら7/31で終了していた。まずい、これはまずい。
何しろすごくいい展覧会だったから、見に行った日にツイッターでこんなことを呟いている。



そやのにこんな終了後に感想を挙げることになるとは。ああ、反省しないとあかんなあ。

展示の分類が面白い。
・陸
陸上の動物ということです。そういや「陸の王者」は慶応だったな。

涅槃図 冷泉為恭 豹に虎に猪が目立つ。
そうだ、涅槃図は実はすごく種類たくさんの動物絵でもある。
おしゃかさんの回復を願って集まったけど、あかなんだのです。
慟哭するどうぶつたち。

猿図 僊可 中国の丸顔のテナガザル。右の猿は下を向き、月を掬おうとし、左の猿は月を取ろうと天へ手を伸ばす。この対の中には雪村の一行書「布袋和尚」の文字があるが、これが「和尚」だけ構造を変えて書いている。だから「和」なんかは「否」にも見える。

猿図 白隠 こちらもテナガザルで、可愛い。丸いほっぺは落ちそうなくらいで、ニコニコした目鼻。膝小僧も円くて愛らしい。

秋山秋水図 雅邦 1898 この猿はニホンザルでした。淡彩で朱が少し履かれていて、松に二匹の猿がいるのだが、なかなかみつけにくい。渓流のすぐ上にいる。

青花蜜柑型水指(祥瑞) 吉祥文様で、サル・シカ・ハチのトリオ。

印材 白寿山 呉昌碩 1900 おお、呉さん。←シタシゲ。こちらもお猿さん。

玻璃握豚 前漢―後漢 死者の手に握らせるあれ。豚というか猪というか。

犠首形彫玉 殷 トルコ石を象嵌。このタイプは初めてみた。

駿牛図断簡 鎌倉 10頭の牛の内の一頭の絵。藤田美術館の牛の仲間。

政黄牛図 清拙正澄賛 元1324年賛 この坊さんはいつも牛に乗って街中を徘徊していたそうな。どうも人より牛の方が小さい。
虎に乗って徘徊した豊干といい、

麻布山水図 奈良 正倉院のではないが、これもとても古いものが生きながらえている。
とてもノビノビした風景。野原で三頭の馬がくつろぐ様子が布に描かれている。

藤に馬 関雪 この絵は以前から好き。どうやら親子の馬らしいのだが、かっこいい牡馬に白馬の牝馬が甘えて凭れかかっている。少し離れた先で母親によく似た仔馬がその二頭の様子をムッとしながら見ているのだ。

印材で獅子を刻んだものがある。持ち手が獅子。スタンプは獅子柄ではない。
狸の香合、象牙の鼠もある。

月兎硯墨 乾隆御墨 清朝のいい墨だそうだが、ウサギ柄の墨は人気なのか、紀州の殿様のところでも藤代墨としてウサギ柄のものが出ていた。
こちらのウサギは真向に顔を上げキリリとしている。

草双紙の赤本が四点。
「兎大手柄」かちかち山。ウサギの着物は月の波の柄。
「花さきぢぢい」花咲じじい。サカではなくサキである。
「ねずみ文七」雁金五人男の鼠版。喧嘩するシーン。
「鼠の嫁入り」婚礼中。六芒星の紋所の鼠もいてる。

松花江緑石硯 清から中華民国 アムール川最大の支流。スンガリ―。この辺りからこんな石が採れるのか。小さな5匹の蜘蛛が刻まれている。
ニコライAバイコフ「偉大なる王(ワン)」の立派なアムールトラのワンもこの界隈にいた。
ワンもこの石を見ていたかもしれない。

虫類図譜、虫譜図説といった江戸の博物学の本も出ている。
後者にセミ・カ・カエル・カッパの絵があった。

静嘉堂「江戸の博物学」展をこの後に見に行ったのだが、この虫図鑑はいい前触れになった。

リスもいろいろ。
葡萄栗鼠図屏風 伝・宗湛 六曲一双にリス駆け回る。剥落は激しいが、リスの元気なのはよく見える。はっっっ!剥落はリスが暴れたせい??尻尾の太いリス、可愛い。白葡萄と茶葡萄に見えるが、元の色と同じかはわからない。

木鼡 土牛 柘榴が一つ残る枝にリス。
この字でもリス。木のネズミという意味。そういえば西岸良平も植田まさしもネズミが「ぼくも尻尾が太ければみんなに愛されるんだなあ」とひとりごちるシーンを描いている。
出て来て喜んでもらえるネズミはミッキーだけ。
(わたしはジェリーの方が好きだけど)
リスは大抵の人が喜ぶ。

芥子園画伝 清 リスが何かを食べてる絵が開いていた。カラフルで綺麗。

緑雨 小茂田青樹 一面翠!!大芭蕉の下に小さいアマガエル。朱い柘榴の花が画面を引き締める。黄緑の瑞々しい世界。上の方の葉の上にもアマガエルがいた。
清々しい気持ちになる絵。
イメージ (50)
画面と本物とはかなりの違いがある

・空
鳥があつまる。(ヒッチコックではない。・・・でもタイトル通り「動物襲来」ならやっぱり鳥は映画のように襲撃してくるのかもしれない)

鴟梟形白玉 殷 小さくてカイラシイ。玉をちょめちょめとふくろう型に刻んだのだ。

叭叭鳥図 伝・牧谿 東山御物。三幅対で、兄弟はMOAと出光にいる。

鴨図 伝・徽宗皇帝 東山御物。毛づくろいをする、リアルな毛並み。

鴨 図 川端玉章 鴨の小さな目が愛くるしい。これ、しかし目を閉じるときは上弦の月みたいになるんでしたな。

梅に小鳥 平福百穂 墨絵で小さな小鳥を愛らしく描く。鶯らしい。可愛いなあ。

啄木 放菴 例の特殊な和紙にキツツキ。枯木とサルノコシカケと共に。

雀の発心 絵巻。サントリーにある「雀の小藤太」と同じ。 着物はなく大して擬人化されていない。因果が悪く蛇に子を呑まれてしまう。
次々と慰めに来る鳥の仲間たち。鶯、烏、鶴・・・
豪奢な絵巻である。

茄子に雀 跡見花蹊 ふっくらナスに飛ぶ雀。
「世の中に思うことことなすといえは 夢に見るたにめでたきものを」

牡丹 省亭 雪覆いの中に薄紅の牡丹。滑らかな感じがある。七宝焼のような。
迎賓館の装飾七宝の原画を担当しただけにそんな風に見えるのかもしれない。

新竹 西山翠嶂 二羽の雀が並んであくび中。

四季花鳥図屏風 乾山 81歳の作。蛇籠、白アザミ、カエデ、菊の塊り。鷺、菖蒲、柳、芙蓉、河骨・・・
事件の起こらない安心感を覚える。

イメージ (49)

・海、川
東アジアからインドネシアまで

水禽埴輪、魚型佩玉、動物文イカット、鯉型水滴、蟹の絵ばかり集めたもの・・・
このコーナーは宇野雪村コレクションを中心にして展示されていた。

愛玩したくなる動物が多く揃っていた。
とても楽しい展覧会だった。
先に行っていた高島屋史料館「静かな動物園」の感想も早く挙げねば…

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