美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **自宅でログイン出来ないので、現在「遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う」で感想を挙げています。

機動戦士ガンダムTHE・ORIGIN展をみる

松屋銀座で「ガンダムORIGIN原画」展をみた。
知らずに行ったのでちょっと驚いたが、うまいことみれてよかった。
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アニメの本編が終わってだいぶん経ってからサンライズの社長から安彦さんにマンガ化の話があり、「残酷なことを」と安彦は当初思われたそうだが、結果的に素晴らしい作品が世に出ることになった。
そしてその作品を元にした映画が作られ続けている。
むろんそこに安彦さんの原画がある。

最初に出てくるのはマンガの原画である。
安彦さんの絵の魅力はキャラクターの表情、感情の流れの表現、その筋肉の確かさだと思う。
最初の「アリオン」からこの「ORIGIN」そして現在の「天の血脈」に至るまでそれは変わらない。
わたしは特に安彦さんの描く腿の強さに惹かれているが、ここでもその魅力を堪能した。
幼いキャスバル坊や、少年エドワウ、青年シャア・アズナブルへと成長してゆく肉体のその変容が明らかに描かれている。

展示されていた原画では特にキャスバル(シャア)の魅力が際だっていた。
キシリアに捕まり手錠をかけられたキャスバル坊やが毅然と手錠を外せとキシリアに命ずる。幼いながらもその魂のあり方が見えている。
そして養子に行った先での襲撃。それに対抗する少年エドワウの必死さ。妹を守ろうと戦うエドワウのその表情。
やがて安寧を捨て妹を置き去りにして去ってゆくエドワウ少年の切ない表情。
シャア・アズナブルとしてジオン公国の士官学校に入り才能の片鱗を見せ始め・・・

何度見てもときめく。
この作品が生まれたことで原作の「機動戦士ガンダム」の世界がいよいよ深いものになったのは確かだ。
安彦さんの絵、物語の構成、政治とは何かといったこと、それらが全て胸に落ちてくる。

原画はほかにも幼いアルテイシアが猫のルシファの捜索をランバ・ラルに頼み、受けてもらったことに喜んでお礼に彼にくちづけるシーンがあった。
ハモンという愛人もいてその方面では十分に幸せなランバ・ラルだが、主筋の幼い美しい姫君にチュウされて赤くなっていたのは、とてもいい眺めだった。

アニメでは描ききれなかった男たちの魅力が安彦さんのマンガでは存分に表現される。
安彦さんはドズル兄さん、ランバ・ラルのような男が好きだと思う。
「ナムジ」「神武」にもドズルそっくりな容貌魁偉な男が現れるが、総じてみんな人柄がいい。高千穂遙原作の「クラッシャージョウ」にもそれはいえる。
ランバ・ラルの表現は「天の血脈」の内田良平にもつながっている。

ジオンの士官学校でのシャアとガルマの関係を見るのも非常に楽しかった。連載中どれほど毎回ドキドキしていたことか、単行本のページを繰る指が何度もいきつ戻りつを繰り返したことか。

中学の時に伝説の同人作品「シャア出世物語」を見たことでシャアの士官学校時代の裏暗い、アブナイ物語を常に胸に残しているが、安彦さんの描いた士官学校時代のエピソードはそれとはまた別個であるのは当然ながらも、やはりこちらもアブナさをチラチラみせて、わたしのようなフジョシを大いにときめかせてくれた。

今こうして書いていてもドキドキする気持ちが止まらない。

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アニメ「シャア・セイラ編」の原画をみる。
安彦さんがメインキャラを描き、周囲の人々を別なアニメーターの人が描く。ここでも安彦さんの描く腿の筋肉の確かさに惹かれる。

場内ではところどころに映像が設置されている。見ることでこちらの気分が高揚する。

やがて出口間近のところにギレンの演説の映像が流れているのに着いた。
「ジーク・ジオン」と公国の人民が連呼するあれである。
ギレンがまず手本を示して「ジーク・ジオン」と叫ぶと、公国民が続ける。
ところがその映像では「もう一回!!」などとやるので。アレレと思っていたら、その映像を見ていた三人組の男性のうち一人が、この実際のイベントに参加して、自分も「ジーク・ジオン」とやったというのだ。
おおーーー、そうなんや。
人々の歓喜と誇りにどよめく声は多ければ多いほどかっこいいからな。

再びマンガの原画。シャアとララアの出会い、キシリアがギレンを暗殺した直後のページなどがある。
キシリアのそのときの様子のカッコよさには何度読み返してもふるえる。
「総帥といえども父殺しの罪は免れぬ、ギレン総帥はわたしが成敗した!」と叫ぶあのキシリア、
本当にかっこいいのだ。それが今回は出なかったのが惜しい。

それにしてもやはり安彦マンガはスゴい。
わたしは二時間ばかりそこにいて、ガンダムORIGIN、安彦さんの作品世界に溺れ続けた。
閉館時間がきたので出ていったが、本当に何度でも読み返せる素晴らしい作品だ。
政治の季節を踏まえながら作品に接すると、また違った楽しみも味わえる。
ああ、サンライズの社長、よくぞ安彦さんに依頼してくださった・・・

わたしはときめきを隠せぬまま夜の銀座へ出た。
本当に素晴らしい作品に出会えた自分の幸運を思いながら。
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