美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

みつめてクニチカ THE役者絵 国周の世界

久しぶりに中野区歴史民俗資料館へ行った。
ここは地元の山﨑さんの寄贈で出発した。
素晴らしいコレクションを色々とお持ちだが、幕末の浮世絵などもよいものが多い。
わたしが最初にここへ来たのは98年5月に「三世豊國とその周辺」展が見たくてで、その時も随分満足した。
今回は「明治の最後の浮世絵師」と謳われた国周の展覧会。
国周といえば京都造形大でみた大江直吉コレクションもよかった。
このように当時の浮世絵好きの人が大事に残したものが150年後の今でも楽しめるのは、本当に嬉しい。
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幕末から明治の名優・人気の芝居などが描かれた浮世絵。
そこからも当時の事情・状況がわかる。
チラシは三世田之助。美貌と異様な魅力のある役者だが、幕末の頽廃美を一身に体現したかのようなところがあった。
だが、それこそが瓦解後の新時代には排除される要因になった。
かれの無残な生涯については多くの作家が作品化している。
一度でも田之助に魅了されると書かずにいられなくなるのだ。

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一方、旧幕時代は大根役者でもご維新後に大成したのが後の名優・九代目団十郎であり、国周は彼との関わりが深い。
多くの団十郎の絵がある。後に袂を分かつことになるが、国周の麗筆がいよいよ団十郎の人気を高めたのは間違いない。

今回は撮影可能だった。それを知らずに来て、惜しいことをした。
それでも撮れた分だけ挙げてゆく。
なお作品名と芝居名と配役などについてはリストで大体を察していただけたらと思う。
クリックすると拡大します。
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白浪もの
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三津五郎の鬼神の於松。怖い女盗賊だが家族思いで、亭主が寝込んでいる間は子育てしながら家業の盗賊をするママさん。
先年なくなった宗十郎がよくこの役をしていた。
実は彼のお葬式の日、わたしはこの中野歴民にいた。
雪の日だった。彼を思いながらここから本願寺へ向かったが、もう終わっていた…

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羽左衛門の天竺徳兵衛と田之助のお六
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これらは実際のお芝居ではなく当てて描いたものだと思う。調べたらよいのだが、そこまでの時間がない。

タイトルに「東京」が入っているが、まだ慶応3年の作である。
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鯔背さがいい。

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芝居絵だけでなく、役者のスナップショットも愛された。
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田之助の魅力は嗜虐と被虐のあわいにある。
濃厚な艶やかさには無残さが具わり、そこに観客は陶酔した。

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わたしなどはやはり幕末の頽廃美に酔いしれる廃れものなので、明治初期の改良もの、見世物から天覧ものへ変わる頃のは関心が湧かない。しかし九代目の考えはわかる。わかるが面白くはない。しかし大切なこと・必要なことだったと思ってはいるが、残念さはある。

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こういうのが好きなのだが。KIMG0983.jpg

猿にかじられてるわけではない。KIMG0984.jpg

遊び心の作品。表からと裏からで楽しむ。
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明治も半ばに来た。
妙にいい男の佐野次郎左衛門と美貌の福助の八ッ橋。
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団菊左の時代。

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光が入り残念だが、20世紀寸前になるとまたこうして楽しく(!)怪談も現れる。
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安寿と厨子王。
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展示室の様子。
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最後にスタンプ。
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これだけ楽しませていただいてなおかつ無料と言うのが本当にありがたい。
10/9まで。

二階では犬の湯たんぽや哲学堂の資料も展示されていた。
ぜひ。
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