美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

明治のクール・ジャパン 横浜柴山漆器の世界 金子皓彦コレクションを中心に

漆器のうち、螺鈿細工されたものがとても好きだ。
蒔絵もいいが、ニガテな表現のものも多くて、それらより螺鈿を見ると嬉しくてならない。
一方、芝山細工がまたとても好きだ。
これは思文閣で小さい箪笥を見て一気に沸騰したのだが、それ以来ずっと芝山細工を追いかけている。
これね。



その後、「華麗なる輸出工芸」展でもいいのをたくさん見た。
当時の感想はこちら
清水三年坂美術館でも芝山細工の展覧会があった。なかなかよかった。
色も伏彩色だったりでほんと、綺麗。

横浜開港資料館で芝山細工の展覧会が開催されている。
「明治のクール・ジャパン 横浜柴山漆器の世界 金子皓彦コレクションを中心に」展である。
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ちょっと時間がなくて困っていたが、日美で紹介された映像を見て、やはりムリを押して見に行くべきだと思い、朝早くから横浜に行った。
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横浜が輸出の拠点として華やいでいた頃を舞台にした大和和紀「ヨコハマ物語」はいい作品で、これを読んだおかげで明治の横浜に関心が向くようになった。
作中では工芸品の扱いはなかったが、あのマンガで明治の輸出を知り、そこから調べたり展覧会で見たりして色々なことを知るようになった。
大抵のきっかけは常にマンガからだ。

さて真葛焼も芝山漆器も外国人向けに様相を改めて呼び名も変わり、横浜からどんどこ輸出されていった。
横浜芝山漆器、その名品を見る。

子とろ図飾額 これは七福神が加わった唐子の子とろ。子供らの楽しそうに遊ぶ様子を表現している。
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子とろといえば「八犬伝」の挿絵を思い出す。ゝ大法師と子どもの八犬士らで遊ぶ様子。信乃と毛野は女の子の姿をしている。

花鳥図、人物図などがある。いずれも綺麗に拵えられているが、面白い構図のものが多い。人力車が15台もずらーっとか。
正月、門付の女芸人(鳥追い)にお年玉をあげる図、農作業の人々の様子、
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外国人の喜ぶような日本の風景や風俗、生き生きした花鳥図というのも西洋にはないだけに大いに喜ばれたと思う。

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ところでこの横浜芝山漆器だが、もう一つ和古浜青貝細工ともども「横浜漆器」と呼ばれたそうだ。
芝山(千葉)、会津、駿河の職人たちが横浜に移住して、そこで拵えた細工ものがそれ。

会津漆器の聖書書見台、駿河漆器の角変わり箪笥、長崎青貝細工の小箱、様々な表現と技法で作られた品々。
現代の我々にしてもこうした作品は遠いものなので、当時の外国人と同じ視線で作品を見ることになる。

戦争によりもう外国へ工芸品を輸出ということはなくなったが、ここにあるのは明治のきらびやかな作品と、その遺風を受けて現代に通じる漆器を拵える人々の作品があった。

最後に昭和の横浜青貝細工。これもとても凝ったものだった。
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明治の工芸品の高いレベルを味わえる展覧会が近年こうして各地で行われるようになって、とても嬉しい。

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