美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **なお現在コメント欄を閉鎖中です。

鬼才 河鍋暁斎

既に終了したが、碧南市藤井達吉現代美術館で「鬼才 河鍋暁斎」展の後期を見た。
中味はほぼ河鍋暁斎記念美術館と国内の個人蔵の作品。
なんとぐるっとパス関西版にここも参加していた。
今年から近隣も何カ所か参加ということで愛知や岡山が加わっていた。びっくりしたわ。
イメージ (2)

この美術館は開館日に来て以来。
素敵なカフェはやはり今も繁盛していたが、今回も忙しくて立ち寄れず。
作品を見るだけの訪問となった。

階段を上がると第一展示室があるが、その階段から周囲のガラス壁面を見渡すと、新富座妖怪引幕の模造品が掛け回してあった。原本は早大演博にあるあれ。模造品は記念館の。
この引幕が発見されたときのことを忘れない。
懐かしく思いながらいよいよ中へ。

イメージ (3)

明治の席画会から始まる。
ザンギリとチョンマゲが混ざり合う賑やかな席画会の様子。
こうしたちょっと戯画風なわいわいした様子を的確に捉えるのが巧い。

水墨画をみる。
枯木寒鴉図 シィンとしたただ中にただ一羽、ぽつんと枝に止まるカラス。
この絵の良さを見込んで榮太樓飴の社長が暁斎の挙げたムチャな代金をパッと払ったといういい逸話がある。
暁斎の描いた絵もいいが、榮太樓の社長の漢気にも惚れる。
芸術の価値を知り、それに見合う金を支払う話。

雨中白鷺図 この絵もとても巧いと思う。まだ暁斎をよく知らない頃、この絵を見てかなりショックを受けた。
雨の隙間に鷺の身体がある。こんな雨はないが、それでも強い納得がいった。

柿に鴉図 柿の実のみ赤い。それをきっと見るカラス。

カラスも鷺も力強い生命体。

龍虎図屏風 一曲 金地に墨絵で力強い。
その一方、墨絵の虎図は枇杷のような目ににゃあとした奴で、体が柔らかくくねっていて、図体の大きい・目つきの良くない・でも可愛い、という虎になっていた。

二十四孝の版下絵も四点。幕末の作品。どうしてか知らんが、二十四孝は国芳の筋がよく描く。話が破天荒なのがあるからかなあ??

肉筆画へ。
竹に仔犬図 野馬一道との合作 「一笑図」である。そんなことはどうでもいいが、可愛い喃、わんころ。

神仏を描いていてもなんとなく面白い。
竜神に観音図  観音さんは瀧に打たれていて、それを左幅の竜と竜神が見てるのだが、竜が「わしの上に乗りよるおっさん、鬱陶しい喃」という顔つきなのが楽しい。

走る恵比須・大黒  「走り大黒」はよく見るが「走る恵比須」は知らんなあ。「またねー」「おーいっ待ってくれー」の二人。

文殊菩薩像 少年文殊が獅子の脇に立ち、その背に手を置くという珍しい構図。これはこれでいいし、稚児文殊の可愛さがめについていい。

明治になって風景画がやっぱり江戸ではなくなった。
電信柱図 山岡鉄舟の賛つき。一本だけがしゅっと立つ。電線もゆったり。いいなーいいなー。

浅草寺縁起  ここの観音さんみつけた兄弟を子供に描く。可愛いわ。三人の子供らが素朴にナムナムと手を合わせている。
愛らしいし、悪気のないええ絵。

豊干に寒山拾得  虎が可愛い。
しかしこの人はこのグループより鍾馗の方が多い。

閻魔と鵜匠  鵜が鵜匠に巻きついてるけど、なついているのか、こ奴のせいでえらい目に遭うたのですと訴えてるのかは不明。
善知鳥もそうだが、職業を選べない立場の人を神仏が裁くのはよくない。

人物三長図 これは形としては大津絵の「外法の梯子剃り」を踏襲しているが、床屋さんが暁斎の師匠の一人・国芳が描いた手長・足長で、この二人がかりで、メガネかけて読書中の寿老人の長いアタマを剃ってるところ。
手・足・頭の三長なわけですよ。

下絵を見る。
下絵は画家の当初の勢いや意図するところがよく見えるので、見ていて面白い。
そう思うようになったのは上村家三代の下絵展を見てからだった。

黙阿弥の書いたパリが舞台の芝居「漂流奇譚西洋劇」の、公園で父と再会する主人公の図が出ていた。他にも数点あるようだ。
この本画の内の一枚は小金井のGAS MUSEUM がす資料館に枚ある。

チラシの文読む美人の下絵もある。金太郎と山姥のもいい。おっぱいをあげている山姥に熊も猿もまといつき、山姥からはちょっと鬱陶しい感じがある。

カラフルな彩色画がけっこう物語系が多かったり、月次図だったりするのは、これは施主のシュミかもしれない。

天岩戸図、文昌星の図などのほか、蛇のいる花鳥図、太田道灌と山吹を差し出す女の図などなど。

ロンドン大宴会図は8年ぶり。
前回の感想はこちら。
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-1123.html
猫柄浴衣の人らと別な柄の人らとが西洋料理で宴会中。美人さんも同じ浴衣のお仲間。
なかなか楽しそうな絵。

画帖もいい。狐、猫、浦島、稚児、光氏などなど。

美人がカエルの相撲大会を見る図もある。これはけっこう不思議な絵ですわな。
カエルは茶色カエルと緑カエルと。美人は上からじーっとみている。

ご維新前の錦絵もいい。
牛若丸が鞍馬で天狗と武芸の稽古をしてる。

新板大黒天福引之図 これはネズミらが正月のご挨拶に来たのを大黒さんも喜んでお接待。
和洋のネズミらもおおはしゃぎで、仁木ごっこをしたり猫をからかったり、お多福さんも登場の、総出でネズミらを楽しませてますわ。
製作年はないけど案外子年だったのかも?

元禄日本錦シリーズ。フルカラーでカッコイイ赤穂浪士いや、義士たちを描いている。

最後に、暁斎の絵をモチーフにした工芸品がいくつか。
百鬼夜行牙彫太刀 みっしりとオバケ充実してますな。柄頭にはゾウさん。
筆洗は本人筆。いい染付。

たまたま三河地方に行く機会があり、観ることが出来て良かった。
いつか埼玉の記念館にも行ってみたい。

 
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