美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

十月の東京ハイカイ録

十月の東京ハイカイ録
実際ハイカイというか漂流というか。
実を言うと、学生の頃から「漂泊流浪」という言葉に憧れてきたが、まさか数十年後に似たようなことをする身になるとは思わなかったなあ。

というわけで朝も早よから新幹線に乗り、寝てるところへ「左手をご覧ください、富士山がきれいです」というアナウンスで起こされたのだが、土日とまさかの暑さの東京をハイカイしました。

珍しく品川で降りて川崎へ。
この二日間で川崎市役所の最後の一般公開があったのだ。
なかなかよろしいなと見ているとお仲間にばったり。帰りにはまた別な知人にばったり。建築の公開はこういうことが多い。



田町にゆく。慶応大の図書館で奈良絵本のよいのをみる。
例によって感想はまた後日挙げるが、こういうのを見てるとき、本当に楽しくてならない。

それからお昼に地下鉄の駅近くの干物屋でオススメのとろアジの定食を食べる。魚もいいが、大根下ろしがおいしかったなあ。
お客は9割がたおじさん。男の人はあれですかね、子供の頃は魚ニガテなのが大人になると魚大好きに変わるんですね。

汐留ミュージアムで20世紀のモードとインテリアに大いに溺れる。いいなあ、特に1910年代から1930年代が素晴らしい。
わたしも一番好きなのはこの時代。

予定を変えて新橋から本所吾妻橋へ。JT。帰りしなにわかるのだけど、受付の所に「ぐるっとパス」参加の表示を出しててほしい。
どうしても渋谷時代のイメージがあるからなあ。
見終えてから知ってイヤな感じになる。
特別展、専大所蔵の錦絵などに大いに惹かれた。

東博につく。この日は22時まで開館。映画上映のために多くの人が集まっている。
こういう野外上映会、いいなあ。わたしは予定があるから参加できないけど、本当にいいと思う。

「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」展を見る。
よくこの巨大な丈六仏を中に入れれたなー!
大阪市立美術館で蔵王権現見て以来のびっくりですがな!
これね「祈りの道~吉野・熊野・高野の名宝~」



常設もふらふら見て回り、今度は六本木へ。
サントリーで其一の展示替えを見ましたわ。
個人的に良かったのは朝顔だけど、月を背に咲く白萩と桔梗、そこへ描き表装の芒と撫子、上下に金のウサギたち、これでしたな。洗練されててとてもよかったわ。

さてさて最後に森へ。
空想脅威展。
これがもう本当に良くて良くて。特撮大好き少女(!)にとっては「ネ申」の展示ですがなw



夜景も綺麗で模型も精巧で。ほんによござんした。

初日はここまで。

翌朝日曜、これも早くから出かける。石神井公園。ものを尋ねた駅員さん、スマイルが素敵でした。
ご機嫌で今日はルートを変えて住宅街を歩く。
「夢の黄金郷 遊園地」展に深くのめり込む。
あーーー面白すぎ!
あまりに楽しくて予定かなり越えた。後の予定に支障をきたすが、こんなにいい展覧会を早く切り上げるわけにはいかぬ。
花やしき、宝塚に始まる遊園地の歴史から豊島区の遊園地を中心とした展開、園内図・絵葉書見るだけで高揚する。
古写真、鳥瞰図の楽しみ。良かった!
図録も買う。
この石神井公園ふるさと文化館はハズレなしという稀有なところの一つなのだよな。

うどんに未練を残しつつ三宝池のほとりを歩き、今度は練馬乗り換えで新宿へ。
地上に上がると郵便局。
腕が痺れてたので荷物を送る。本とチラシだけでこんなに腕がシビレルとはなあ。
ありがとう、郵便局。

損保でカリエール。
こんなにも多くの作品を見れるとは思わなかった。
十年前「ロダンとカリエール」展を見たときも深い静けさが胸に緩やかに広まっていったが、十年後の今も心が鎮まるのを覚えた。銀鉛写真のような、懐かしいセピアに覆われた世界は狭い。そこだけで完結する母子の、家族の絵。優しい一場。
よかった…

太田にて「国芳ヒーローズ」の後期。
前期は燕青と阮小五に惹かれたが、後期は史進と張横・張順兄弟がかっこよかったなー。
ああ、面白かった。

急遽予定に入れた松濤へ。
「月 夜を彩る清けき光」展、武蔵野図屏風と広重の月景色の色々が特に良かった。
月光を尊ぶ古人の心持ちが伝わってくるようで、わたしも月の光を大事に想っていたことを思い出した。
頴川美術館から景文の「秋夜景図」が来ていたが、頴川には月の美を示す絵が少なくないのを挙げておこう。

それにしても暑いな。

出光美術館では仙厓。やっぱり可愛くて、禅とか抜きに終始可愛さにヤラレてしまった。
相客の皆さんも可愛さにヤラレていたが、一方で「和尚さんの伝えようとすること」をきちんと読み取っているようだった。
真剣に文を読み、描かれた絵の奥の本当の言葉を探しているヒトが多かった。
うむ、すごいな、わたしはゆるゆるな可愛さにきゃんきゃんになってたばかりなりよ。

最後に髙島屋。
日本美術と高島屋展、改めて高島屋の文化への意識の高さ、美術への愛情の深さに、こちらの胸も熱くなる。
素晴らしき高島屋。明治から現代まで変わることなく名品を守り、作家を保護し、世に大きな宝物を贈る手助けをし続けてきたのに、観客のわたしはただ嬉しくありがたいと思った。ありがとう高島屋。
そしてゾウのたかこちゃん、あの後どうなったのか心配してたら、動物園にお嫁に行ったのか。
よかったなあ。このたかこちゃんのことを絵本に描いた人もいて、そうと知ってとてもほっとした。

そこから歩いて東京駅へ。
また来月までさらば。
今回も隙間なく遊び、充実した二日間でしたわー。

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