美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **自宅でログイン出来ないので、現在「遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う」で感想を挙げています。

土のしらべ ー和の伝統を再構築する左官の技

竹中大工道具館はいつも興味深い企画展と、いつまでも見飽きない常設展と、魅力的なワークショップとで成り立っている。
わたしはあいにくなことに時間の都合でワークショップにまだ参加していないが、スケジュールを見るだけでもわくわくする。
常設展の素晴らしさについては、行くたびにしつこく写真をツイッターで挙げ、多くの皆さんの賛同を得ていることからもわかる。
今回は「土のしらべ ー和の伝統を再構築する左官の技」として、左官・久住章さんの仕事を追う展覧会となっている。
なお場内は撮影可能なので、わたしは嬉しくてぱちぱち撮った。

まずは左官の歴史について。
職人尽絵をみる。
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左官の歴史は古いのだ。
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宝亀9年は778年、奈良時代に遡る。

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大伴家持の生存中かと気づく。
そうか、「死者の書」での「土を積んで、石に代えた垣、此頃言い出した築土垣つきひじがきというのは、此だな、と思って、じっと目をつけて居た。見る見る、そうした新しい好尚このみのおもしろさが、家持の心を奪うてしまった。」というのもこれだなと思うのだ。

そうして眼を向けると、そこに左官の新しい仕事が展開していた。
これまでここにない設えである。
この展示のための新たな設えに違いない。
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さして広くもないはずの空間に長い回廊が生まれて、その一筋しかないはずの回廊を行くだけなのに、わたしは道に迷ってしまったような錯覚に溺れる。

久住章の手となる道具が展示されている。
凄まじいばかりの鏝である。
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これらがこの壁を拵えたのだ。IMGP0014_2016102900153252c.jpg
鍛冶屋との闘いのような鏝。

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美しい違いをみせる。

鏝だけではない道具たち。皆とてもだいじなもの。
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真・行・草。
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映像が流れている。
神戸の海岸ビルヂングの一隅にあるいるか設計集団での会合である。
久住が来て、ドイツ・アーヘン工科大学の教授が来て、話が深くなる。

久住の話を聞く。
日本の建物はメインが木で、土はサブ。ドイツは土が主役。
それを聞いて「三匹の子豚」の家の話を思い出す。
なるほど確かに日本は紙と木(神と気、と変換した)で作られた家だ。

映像は大変面白いものだった。
久住のアトリエなども映る。

彼が変わった手法で装飾を施した建物が紹介された。
白浜のホテル川久である。
24本の列柱、あれを久住が担当していた。
青い柱たち。疑似大理石。シュトックマルモというドイツの技法で作られている。
その列柱の写真はこちら
驚くべき技能にただただ唖然となった。

素晴らしい技術・技能の一端をのぞくことが出来て本当に良かった。

11/6まで。
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