美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

御伽草子―奈良絵本・絵巻を中心に― 天理大でみたもの

天理大学図書館で「御伽草子 奈良絵本・絵巻を中心に」展を見た。
11/6まで。
天理大所蔵の奈良絵本・絵巻は良品揃いだということである。
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チラシは上が「熊野の本地」、下が「鼠の草子」。
50点余の作品が展示されていた。
中でも特に惹かれた作品の感想を少しずつ書く。

たなばた 明暦元(1655)刊  これは(天若)天稚彦も出るのだが…三人の男と幸せになるモテモテの女が主人公の話。

いはやものがたり 奈良絵本 室町末期写  着物のちがいもよく描けていていい。詞書の配置がなかなか面白い。
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おちくぼ 奈良絵本 江戸中期写  家の中で一段低い位置と言うのが絵では分かりにくい。確かこの物語を最初に知ったのは山岸凉子が描いたからのような気がするが、ちょっと思い出せない。

はちかづき 丹緑本 寛永頃刊  二色本で素朴な感じがいい。

あま物語 奈良絵本 江戸初期写  「珠取り」とはまだ違うものの、これも海女さんの深い愛の物語で、横長の画面の構成がよかった。
夜の海をみつめる海女のせつない心持が伝わってくる。
色の置き方がむしろ近代的だと思った。

花鳥風月物語 奈良絵本 室町末期写  ふと思ったのだが、この花鳥と風月の姉妹はこうした場に呼ばれるのをやはり嬉しく思ったのだろうか。晴れ晴れしい心持になったとかどうとか…
そんなことを思わせる絵だった。

いそざき物語 奈良絵本 江戸初期写  慶應のもエグいが、天理のもエグいぞ。髪をひっ掴んで打擲。
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蝦夷蜂起物語 奈良絵巻 寛文頃写  こうした作品もあるのか。和人の圧政に立ち向かうアイヌの人々だが…

天神絵巻 奈良絵巻 室町中期写  天神信仰はこの時代には既に普遍的なものだったのだ。雷神として猛威を振るう姿がなかなか迫力がある。

熊野の本地 奈良絵本 室町末期写  すべてを知った王が息子と上人と復活した女御と共に天竺を離れ、日本へ向かう。
サルたちの護衛が着くのだが、これがなんでかはわからない。
もしかして日吉山王に?
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ぼろぼろのそうし 江戸初期刊  「ぼろんじ」のことについての話。虚無僧、と解釈していいのかな。ファッションだけで「ぼろ」「ぼろぼろ」「ぼろんじ」してからに、という批判がリアルタイムにあったようだ。
石川淳「至福千年」に虚無僧に変装する侍がいるが、彼も「ぼろんじさん」と呼ばれていたことを思い出した。

さるげんじ 江戸初期刊  この絵本を見て亡くなった勘三郎と玉三郎の芝居を思い出した。ちょっと泣いてしまった。歌舞伎では三島由紀夫が脚本を書いたものを使う。

大こくまい 奈良絵本 江戸初期写  吉祥ものだとみていいか。
大黒さんらのダンス。
関係ないが、殿山泰司が映画「竹山ひとり旅」で大黒舞の芸人だという設定なのを思い出した。それから大黒舞「信徳丸」は復活した信徳丸が後妻に呪いの釘を返すシーンがあったな。
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鼠の草子 奈良絵巻 室町末期写  サントリー美術館、丹波篠山に伝わるものとストーリー展開自体は同じ。ここでもネズミたちが可愛らしく描かれている。しかし話自体はまぁ当然ながら気の毒なことに。
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虫妹背物語 奈良絵巻 享保2(1717)写  蝉とか他の昆虫たちが着物を着ているのだが、わかりにくい。蝶だけは翅が描かれるのでまだしも。

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やはり奈良絵本・絵巻はとても面白い。
またこうした展覧会が見たいと思う。
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