美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **自宅でログイン出来ないので、現在「遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う」で感想を挙げています。

第86回 正倉院展

毎年秋の楽しみの一つ、奈良博の正倉院展、常に初日か2日目に出向くのだが、感想を挙げるのが遅いのも恒例の事で、とうとう終幕を迎えたではないか。
まあわたしの感想は私的なものにすぎないから、「皆さんおでかけください」という前向きなものでもないし、覚書だし、、、
…言い訳をするな!例によって例の如く遅刻する性質がここにも来てるだけだ!
というわけで86回正倉院展の小さな感想です。
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名称や読みや略称などは全て特設サイトからの引用です。
ありがとう、助かります。

北倉 通天牙笏 つうてんげしゃく 象牙の笏 1枚 長34.9 幅(頂より0.8のところで4.0底で4.8) 厚(頂で1.1 底で1.2) 2004年
薄卵色の笏。

北倉 大魚骨笏 だいぎょこつのしゃく 鯨の骨の笏 1枚 長35.8 幅(頂より0.8のところで5.1 底で5.7) 厚(頂で1.3 底で1.25) 1999年
こちらはマッコウクジラのだが、白木のようにもみえる。

どうぶつの骨や牙だとそれぞれの特性が出てくるのが興味深い。

北倉 雲鳥背円鏡 うんちょうはいのえんきょう 雲・鳥・飛仙文様の鏡 1面 径27.7 縁厚0.8 重3212.2  2002年

北倉漆皮箱 しっぴばこ 鏡の箱 1合 径31.7 高3.7 2002年
鏡とその箱。鏡はどうやら唐物だそう。

北倉 鳥木石夾纈屏風 第1・2扇 とりきいしきょうけちのびょうぶ 板締め染めの屏風 2扇 [第1扇] 長148.7 幅53.7 本紙 長141.1 幅44.7 [第2扇]長148.7 幅53.7 本紙長138.3 幅47.7 [第1扇]1995年 [第2扇]1987年
色は褪色しているが可愛くて可愛くて。それぞれ鳥たちが木の下にいるだけなんだが、葉っぱと空と草と鳥とがのんびりしてて、いい感じ。
イメージ (45)

北倉 漆胡瓶 しっこへい ペルシア風の水差し 1口 高41.3 胴径18.9 1998年(東博2009年)
これ、1987年のチケット半券に選ばれていたと思う。宝物の人気の一つ。
じっくり眺めたら、シカ、草、花、鳥、と色々細かくあり、鹿も走る・くつろぐ、と色々いる。花もヨーロッパの千花文様を思わせるような多彩さ。ただ、その千花文様とこの花のアラベスクとどちらが影響しあっているのかというと…
イメージ (42)

この文様は拡大パネルで紹介されていた。裸眼ではさすがに鹿の柄はわからない。鹿も並走したり独走したり座るなどと色々。仲良しさんもいる。おやガチョウらしきのもいた。
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平脱の簡易な説明…カット&コピー&ペースト。そうか、カットしたのをコピペするのか。

北倉 出入帳 しゅつにゅうちょう 宝物出入の記録 1巻 本紙縦28.8 全長644.6 軸長35.9 1997年
手書きなのは当然なのだが、記録としてきちんとつけられているのがなんだか嬉しい。
中には恵美押勝の乱で武器に使ったとか(実用の武器もあるのだ)、なんやかんや。

中倉 銀平脱箱中蓋 ぎんへいだつのはこのなかぶた 箱の懸子 1口 縦23.5 横23.5 高2.2 2003年 
四方形で何やらマーク入り。

今回の展示で特に目立ったのは容器と鈴のシリーズ。

中倉 楩楠箱 べんなんのはこ 献物箱 1合 縦26.7 横30.0 総高15.0 2005年
楠の根元から採れるベンナンというものがあり、それが琥珀のように見えて綺麗。
この箱はどうもそんな1300年前のものにも見えず、近大のものにも見えるくらい。
綺麗でシンプルで使い良さそうで、しかもわたしの大好きな楠の匂いが…

南倉 藺箱 いばこ 植物を編んだ容れ物 1合 長径31.8 短径17.5 高9.5 2004年
字面・現物を見て「あ、藺草の編んだ箱か」と軽く納得したが、更に棕櫚まで候補に入っているとはなあ。楕円形で蓋もある。丁寧な手仕事の入れもの。こういうのはアジアの美だわな。

中倉 白葛箱 しろかずらのはこ 植物を編んだ容れ物 1合 縦20.7 横18.6 高8.0 1992年
なんとアケビの蔓で拵えたみたい。文様が浮いて出て、絣みたいになっているのも面白い。青と朱の小さな文様。

中倉 粉地金銀絵八角長几 ふんじきんぎんえのはっかくちょうき 献物用の台 1基 縦28.8 横44.7 高10.2 1999年
天板がグリーンティー色なのは修復したからか。ヒノキ製品で脚が6つ。

中倉 檜八角長几 ひのきのはっかくちょうき 献物用の台 1基 縦35.4 横50.6 高9.0 1991年
檜に紫檀に朴の木に…柄はなく、白木が経年変化して茶色くなった。柔らかな茶色。

布もあります。

北倉 縹地唐草花鳥文夾纈絁 はなだじからくさかちょうもんきょうけちのあしぎぬ 板締め染めの裂 1片 縦21.5 2000年
染め方も色々あるがこれは夾纈染で、花鳥を赤と青などで表現しているが、よく色が残っている方だと思う。

南倉 赤紫臈纈絁几褥 あかむらさきろうけちあしぎぬのきじょく 献物用の台の上敷き 1張 長58 幅45 2004年
こちらは臈纈染。魚と波と水鳥がある。古代において鳥は死、魚は生を示したが、既にこの時代はそんな意味合いは持たなくなっているだろうな。
スタンプぺたぺた。

さて舞楽などで使われたものが出てきた。
中倉 布作面 ふさくめん 麻布の面 1枚 縦31.5 横59 1972年(奈良博2002年)
中倉 布作面 ふさくめん 麻布の面 1枚 縦29 横36 1972年
髭の異人の顔で、掛けたときに目の下の切れ目から外を見るようにできているのと、目玉自体が穴のとがある。
面というのはやはり面白い存在だ。

同じ形の大小の楽器。
南倉 竽 う 管楽器 1管 総長91.8 壺径7.2 1985年
南倉 笙 しょう 管楽器 1管 総長57.7 壺径6.8 2004年
竿(う)は笙を大きくしたもの。法会で使われたそうな。斑竹。下の壺には黒漆、飛天と花が描かれている。
笙には鳳凰と花鳥、演奏者の絵がある。2.5cm位の小ささだが裸眼で見える。
吹く人がそこにいる、というのもなんとなく面白い。

大幡の大特集。聖武天皇の一周忌に使われた品々がずらり。
南倉 大幡残欠 だいばんざんけつ 大型の染織幡 1旒 長458 身幅90 1956年(奈良博1998年)
今は4コマだが元は6コマだったそうでも大きさにびっくりした。
大幡脚も4点ほどあるが、190から463までとほんまに大きいのばかり。
まあ再現された平城京のあれとか東大寺とか見てると、このサイズは当然ですわな。

イメージ (43)

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南倉 銀平脱龍船墨斗 ぎんへいだつりゅうせんのぼくと 象嵌装飾の墨壺 1口 長29.6 高11.7 船の幅9.4 2002年
ベロを出す龍のアタマのついた墨壺。面白いね。

三枚のお皿。
南倉 磁皿 じざら 二彩の大皿 1口 口径37.9 底径28.7 高6.4 1991年
南倉 磁皿 じざら 二彩の大皿 1口 口径31.3 底径26.3 高5.6 1974年(東博1981年)
南倉 磁皿 じざら 二彩の碗 1口 口径19.9 底径12.9 高8.0 1984年
二彩でそれぞれ鉢や皿なのだが、これらも法事などに使われたそうだ。
驚いたのは聖武天皇の母の藤原宮子、彼女の一周忌に使われた皿もあったこと。
宮子と言えばやはりわたしは長岡良子のマンガを想うわ。
色々と感慨深く…

小さい鏡もある。その中で、杉本神社の床下から発掘されたものもあるとか。
南倉花虫背八角鏡 かちゅうはいのはっかくきょう 花・蝶・仙人文様の鏡 1面 径11.4 縁厚0.5 重234.7(緒とも) 1979年

たくさんの様々な鈴が可愛い。
紐で通したのは近代。無くならないようにとの配慮。

中倉 唐草文鈴 からくさもんのすず かざり金具 10口 径1.4~3.2 2001年
中倉 子持鈴 こもちのすず かざり金具 14口 径1.0~1.5 2001年
中倉梔子形鈴 くちなしがたのすず かざり金具 14口 径1.7~1.8 長2.5~2.6 2001年
中倉 瑠璃玉飾梔子形鈴 るりだまかざりくちなしがたのすず ガラス玉付きのかざり金具 6口 径2.9~3.1 2001年
中倉 杏仁形鈴 きょうにんがたのすず かざり金具 1口 長7.3 厚3.6 2001年
中倉 瓜形鈴 うりがたのすず かざり金具 1口 径4.2 長6.2 2001年
中倉 蓮華形鈴 れんげがたのすず かざり金具 3口 長8.9 蕾径3.5 2001年
中倉 瑠璃玉付玉 るりだまつきのたま ガラス玉付きのかざり金具 10口 径1.7~3.2 2001年
中倉 瑠璃玉付玉 るりだまつきのたま ガラス玉付きのかざり金具 8口 径1.5~3.0 2001年
みんなとても可愛らしかった。
ティアドロップ風なのもドラえもんの鈴みたいなのもあり、形が違えば音色も違ってたろうし、振ってみたい欲望に駆られた。可愛い。
それに付属品のついたのもあり、溶接技術の高さに感心したり。

中倉 露玉 つゆだま かざり金具 10口 長2.8~3.0 厚1.1~1.4 2001年
愛いやつよのう…

おカネも出ていた。
南倉93 和同開珎 わどうかいちん 銅銭 15枚 径2.3~2.4 厚0.15~0.2 重2.7~4.7
おおお、和同開珎!!現物みるの初めて!
けっこう綺麗にできている。昔の百円玉くらいかな。

南倉 アンチモン塊 あんちもんかい アンチモンのインゴット 1箇 幅8.4 厚4.5 重1088
ああ、こんなのもあるのか。資料として価値を感じるな。

牙櫛 げのくし 象牙の櫛
革帯 かわおび 革の腰帯 1条 長170.5 幅3.3
柳箱 やなぎばこ 腰帯の箱
これらなんかは今もありそうでいい感じがする。

中倉 撥鏤飛鳥形 ばちるのひちょうがた 染め象牙の鳥形かざり 3枚 長3.1 2004年
まさかの小ささ。画像の1/3くらいの大きさかな。すごく可愛い。
イメージ (46)

中倉 続々修正倉院古文書 第四十六帙 第八巻 ぞくぞくしゅうしょうそういんこもんじょ 写経所の上申書ほか 1巻 (11張) 1955年(東博1981年)
これがもう面白すぎた。
お役人の労働環境改善提案の草案の内容について。
・仕事着もぉアカンから新しいのください。
・月に必ず5日休み確定よろしく。
・最近ご飯マズイからマシなの頼みます。
・座業で肘も膝も痛いから薬分に三日に一度はお酒を出してほしい。
・この頃配給されてた麦がないので再開を。
いやーーー、ウケたわーーーー

聖語蔵 善見律 巻第三 ぜんげんりつ 光明皇后御願経 1巻 (16張)
「夜叉鬼神」「七宝師子」の文字が目に飛び込んできた。
きちんと読み切れたら面白いだろうな…

今年もいいものを堪能させていただきました。ありがとう、正倉院展。
また来年までサラバ。
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