美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「描かれた茶の湯」後期

1月に見た前期のよさを思い出しつつ、後期も見に行った。
前期の感想はこちら
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今回は通期の分は措いて、後期展示だけのを挙げたいと思う。

茶具図賛 審安老人 南宋1269年成立・宝暦8(1758)年刊行  本のそのページには茶臼が出ていた。上に「石転運」とある。
石が姓となり「転運使」の官職をつけての名。ゴリゴリゴリゴリ…

女礼式之図 吟光 1887  きりりとした婦人をはじめ、皆さんで茶の湯を学ぶ。「下手横好」印が押されていた、

女礼式茶の湯 周延 1901  明治の半ばを過ぎた頃の茶の湯。束髪の婦人もいれば稚児輪の少女もいる茶席。
水色や赤色が使われていて、それらがそんなに目立った感じになっていないところに、新色が世になじんだことを知る。

茶の湯絵巻 橘尚利 巻き替えられていた。今回は席入り。笠をアタマに載せるくらいで進むのは、本当に雪が降るから。
炭手前。外は雪が降り続ける。井戸の側の山茶花にも雪が積もる。
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鶯の籠は文琳型。隣は鶉。初めて知ったが、「鶉合」という遊びがあったそうだ。鶉が美声だということを今回初めて教わる。
卵美味しいとかローストしたらとかそんなことを思ってはあかんのである。

春秋遊楽図屏風。左右が揃って出ていた。
前期では春のみで、こんなことを書いていた。
「黒塗りの大船が来る。船には遊人ばかりが乗る。男しかいない船で男だけの遊楽がそこから始まっている。アブナイ連中。立派なお屋敷とその庭でも男たちは享楽に勤しむだけ。揚弓で競ったり相撲をしたり、室内では腕相撲に囲碁に双六などなど。またゲームから怒って喧嘩をしたり、いちゃついたり。
三味線を弾くのを聴いたり聴かなんだり。座頭を招いて琵琶を演奏させたり盲相撲をさせたり。そのくせ誰も熱中していない。
生簀から魚を選んで調理にかかるものもいる。全てが男。中には布袋のようなのが美少年にしなだれかかったり。
そして探しきれなかったが、茶の湯でも遊んでいるのだろう。」


前期は春、後期はそれと秋の方も出ていた。
子供らがけんかしている。揚弓で遊ぶ男たち、あちこちで相撲を取ったり腕相撲をしたり。怪しい二人組もいる。好き勝手し倒している。検校も来ていて、その三味線を聴く座頭もいる。双六をしたり囲碁をしたり。女もいて、その女の胸を撫でまわす男もいる。
春の方ではガレー船みたいな感じだが、そちらでは牛の角付き合いもあった。遠目にそれを見る牛たちの顔がいい。

茶の湯はまだ別室で。
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「もぉよろしいか」と尋ねに来る。
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桜も満開、馬も乗り乗り。

四条河原遊楽図巻 江戸中期  巻き替え。茶店などが川に床を出している。客も大勢。物売りもたくさん。
芝居小屋もあるが、どんな芝居かまではわからない。

1887年の北野大茶会追想の図はそのリアルタイムの人々が描かれているのも面白かった。着物に山高帽の人、洋傘の人もいて、明治の世を実感する。
ここで面白い説明があった。
その北野の大茶会の時、丿貫(へちかん)という侘びた茶人がいたそうで、3Mほどの大きな朱傘を開き、その下で一つの釜で茶も飯も炊いていたそうだ。丿は「の」ではない。
利休とつきあいがあり、雪駄はもともと彼の意匠から来ているという。
巨大な傘とか聞くと説経節やなんらかの大道芸のようにも思われる。

賀茂競馬図巻 巻き替え 茶屋が並んで繁盛している。賀茂川で遊ぶ子らもいる。にぎやかでけっこうなことだ。
左方は赤衣・右方は黒衣。観客席には桟敷もある。

宇治茶摘図巻 海北友泉 巻き替え  今回は茶葉の乾かし、試飲、大広間でのこと。見学に少年侍もいる。茶園に犬が走る。
茶坊主も来ている。

特別展示で抱一の茶筅売り図があった。月下に僧形の二人が茶筅を箒のようなのにさして売り歩く。
空也上人の昔、流行病に茶を飲ませて治したそうで、それ以来僧形のものが販売する。アタマには空色の布がかかる。
正月の縁起物となっている。

今回も楽しい展示だった。

追記。
「春の暮らしと茶道具」を見た。
デルフト製のオランダ焼染付の徳利があった。鳥がのんびり飛んでいるのだが、それがどう見ても「巨神兵」が飛ぶ姿。またはスズキコージのナゾのトリ。これにしか見えない。

永樂和全の五種酒盃は可愛い。染付、青磁、色絵、金襴手、志野風。それぞれ趣がある。

9代目の大樋長左衛門の桃花絵茶碗が可愛い。茶色に灰釉をかけて白い花を刻む。
シックな色でもあり、モモの実が傷んだ時の色にも似ていて、それがまたよい。

白釉茶入 銘・緑毛 裏千家11代玄々斎 首から逆三角形に鮮やかで爽やかな緑が。
それを亀の毛に見立てているようだが、むしろ若草風なんだよなあ。

吉川英治との交友から生まれた短冊などもある。
春の夜や 千家囲んで 色はなし
色はナシではなく色話だろうなあ。それはそれでいい感じ。

深水描く馬酔木の花の絵に吉川が賛をつけたのもある。
奈良朝の 雀の裔よ 雀の子
薬師寺で見た景色から。

夜桜棗 少庵好み・七代宗哲 一見したところただ黒いだけだが、光の当たり具合によって、その表面が満開の桜で覆われていることを知る。
とても愛らしい。以前にも見た技法のもの。京近美で見たと思うが検索に引っ掛からない。
なんでだろう。

十二ヶ月風俗図巻 巻き替え  4月藤見の人々、5月印地打ちへ向かう所など。

他に前期でも可愛かった交趾鴨香合、丸々した大きな目と嘴の愛らしいミミズク香合、黄土色のインコ香合もある。
真葛長造の鷺香合は身づくろい中。
形物香合番付に入っているものたち。

こちらもいいものばかりだった。

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