美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

華宵 傷だらけの美少年、麗しの美少女 / 夢二の春夏秋冬

弥生美術館の企画展は平田弘史の凄まじい原画展だった。
その感想はこちら
階上の華宵記念室では優美で妖艶な美少年たちの傷ついた様子を集めた展示があった。
元々華宵描く美少年たちはその身に包帯を巻いていることが少なくない。
その様子を見て当時の読者はいよいよときめいたことだろう。
現代のわたしだって心がざわめくのを止められない。

平田弘史の凄まじい殺戮・切腹の血しぶきを浴びたあと、こちらで若くしなやかな肢体の少年たちの傷を検める、というのはどこか危ない歓びに満ちていた。
わたしなどは華宵の美少年が平田弘史の世界に入り込むとどうなるだろうと異様なときめきにふるえもする。

多勢に無勢の中、刃を抜き放ち必死で戦う美少年、浜辺で一人剣を高く掲げ「我勝てり」と誇らしそうな美少年、炎の中、少女を背負って突破口を探す美少年の肌には鮮烈な桜の刺青が散る。

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ときめきが天空を突きぬけてゆくようだ。

白虎隊の少年たちが互いに差し違える最期を描いた絵もいい。

どきどきするばかりだ。

「南蛮小僧」の「死中の活」などの絵もある。
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「虎徹とりあげ」の南蛮小僧の二人の家来(こちらも美少年同士)が喧嘩中。
ときめくなあ。

「焔の渦巻き」もいい。必死で泳ぐ少年の首に矢が刺さる・帆柱にぐるぐる巻きにされた少年を大風が襲う・炎の中での大立ち回り、てくび、手甲に流れる血は他人の血か。

「刀の中の父」 美少年が肩を斬られて血を流すのを手当てしようとする下げ髪の婦人。こういうのもいい。

「乱刀の巷」 美少年の武士が捕らわれ、縛られて転がされている。それを見おろす悪女。
ゾクゾクしますなあ。

本当にフジョシ心を鷲掴み。1926年はいい絵が多い。
また会いたいものよ…

美少女達の絵もいい。エス、とまでは言いかねるが中の良さそうな少女たちが楽しそうにする絵がいくつかある。
テニスをしたり、春の丘を散策したり、カルタをしたり。

サロメの絵も出ていた。
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昂揚しつつ次は夢二美術館へ。
夢二の春夏秋冬展
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夢二は四季の内、春を特に愛した模様である。
椿を描いた絵はいずれも魅力的だし、椿の意匠のグッズは今もよく販売されている。
夢二の描く草花・木花はいずれも優しく愛らしいので、手元に置きたくなるものが多い。
そしてそこには綺麗な女や美少女や愛らしい子供がいる。

梅と黄蝶と娘のいる絵もフワフワした春の良さを感じさせてくれる。

百合と共にいる若い女のタートルネックセーター、素敵な春の帽子には宝石がついている。
春の心地よさがそこにある。

夏もいい。珍しくアクティブな女たちがいる。
「シーサイド」シリーズの絵葉書もいい。6枚セットで明治末の風俗が描かれているが、古さはない。
シマウマと呼ばれた水着を着た若い娘たちの笑顔、海辺を散歩する母娘など。

「中央文学」誌の表紙絵もいい。花灯窓に裸婦がいて、日に焼けた背中を見せている。輿の辺りに「盛夏号」。

ボートをこぐ少女たち。睡蓮の池、十三夜に金の輪を回しながら走る子らもいる。
「ぼくのお舟」はたらい舟に乗った坊やが睡蓮池で微笑む。
和田倉門の辺りにいるモダンガールは雨の中を小走りする。素敵な帽子にピンクのセーターと縞柄スカートにマフラー。

秋、1913年の月次絵がある。しかし時代性から考えると少しあとのような感じもする。
11月、ソファの背を掴む女、カーテンはアールヌーヴォー風。
12月は「愛の総勘定」。背景はドイツ表現主義風。

「若草」誌の表紙絵がいくつか。いずれもセンスのいい絵だった。
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