美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

花の美術―季節の彩り―

大和文華館で「花の美術―季節の彩り―」展を二度ばかり楽しんだ。
最初は梅の満開の頃、次は三春の滝桜の子孫である枝垂桜の頃に。
どちらも花は豊かに優しく咲き香っていた。

梅の頃



・中国―寒梅に春の訪れを思う
大好きな清水裂が出ていた。いつみても可愛いし楽しい。
梅の木を中心にして様々な動物がいる。梅の花もふっくら豊かに咲いて椿またはハクセンコのような様子だし、カササギに猿もいる。
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蘇州版画がある。
訪鶴亭図のうち梅雪迎春図の部分 雪の残る屋根だが、もうすぐしたら春がくる。

青花梅文皿 古染付 薄い下弦の月が白く光る。

青花花鳥文皿 祥瑞手 青地にキジなどがいる。こうした皿が静かでいい。

仕女図巻 伝・仇英 春のブランコ遊びのそばには梅が咲き、夏の蓮取りでは裸になった若い女の姿がある。彼女らの脱いだ小さな靴が蓮の花びらのようにその辺りに転がるのもいい。ふっくらした丘には何もないが、それがのぞくのもいい。

赤絵蓮華文碗 磁州窯 金 蓮に支えられていて、中は空洞、そんな風情がある。
逸翁美術館の「家光」にも少し似ている。

赤絵仙姑文壺 磁州窯系 元後期 「毛女」の説話からの絵。秦の暴政を避けて山に入った人々の話の一つ。物語絵というものはそれを用いる人の好みであり、また、人々の共通認識として成立しているものでもある。

五彩荷葉硯 景徳鎮窯 どうも硯の海の部分が猫の後姿にしか見えない。可愛い。

灑金螺鈿官女文合子 明 蓋・本体それぞれに螺鈿で美人が描かれている。
蓋表には長椅子の女、裏には外でくつろぐ女、身の見込みには木の下にいる女などなど。

宇佐八幡の境内から出土したと言われる元の壺がある。
青白磁貼付牡丹唐草文壺 立派な壺で貼り付けものもはっきり。

赤絵牡丹文小壺 磁州窯 金 小さくて可愛らしい。賞翫したくなる。
手の中で鍾愛したくなる。

青花牡丹唐草文面盆 景徳鎮窯 夜明けに青空が広がりゆく中で花が咲いたようだ。

法花菖蒲文鉢 明るい青色地に白の花がひらく、

白い桔梗型の水滴、リスがサンザシの枝にいる鉢、釉裏紅のシックな色めを見せる鉢など良いものが多い。

五彩花鳥文大鉢 清朝のこの鉢には黄色い胴の小鳥がいるが、どうもそれが若い頃の谷崎潤一郎に似ていて、面白い。


朝鮮半島―夏の蓮に見る清廉と繁栄

銅製銀象嵌柳水禽文浄瓶 高麗の絵柄の優しさ・愛らしさは日本の奈良絵にも通じるものがある。
銀は黒化してきらめくが、その線描を落ち着かせている。

螺鈿花鳥文筆筒 黒地に螺鈿が煌めく。梅に鶯の絵柄だが、とてもきれい。

鉄砂葱文壺 これは梅の頃に見たときと桜の時に見たときでは、違う心持で対せた。
ネギ坊主が描かれたものだが、古唐津と近しいものを感じたのだ。
そう思うようになったのはこのひとつ前の「古唐津」展を見たからだと思う。
「縦糸と緯糸」の意識がわたしにも活きた。

青磁象嵌水禽文細口瓶 高麗のこの技法が李朝ではあまり使われなかったのが本当に惜しい。
とても綺麗な青磁象嵌。穏やかな水禽の世界。

鉄製銀象嵌筆筒 とはいえ象嵌が完全に見限られたわけではない。「一種の民族様式」だと学芸員さんは見なしているようで、確かにそれはあると思う。

芸苑合珍書画册 貞 8点を当時の画家たちが担当した。梁箕星「陶淵将菊図」書は尹涼。陶淵明の詩「飲酒」5が記されている。
「結盧在人境 而無車馬喧 問君何能爾  心遠地自偏  採菊東籬下 悠然見南山 山気日夕佳 飛鳥相與還 此中有真意 欲辨已忘言」

・日本―桜に祈る方策、菊に願う長寿

田能村竹田の椿の絵が出ていた。久しぶり。こちらではポスターになっていた。

有田の色絵梅文大壺、織部梅文皿など人気の作品が出ていた。
バタークリームのような白地に灰楳色。可愛いなあ。

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寝覚物語もある。平安時代から桜が愛されるようになったのだ。

平福百穂デザインが可愛い。
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今年もいい花見になった。

桜の頃

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