美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ウルトラセブン 放送50年記念 -モロボシ・ダンの名をかりて―

高島屋京都店では「ウルトラセブン 放送50年記念 -モロボシ・ダンの名をかりて―」展が開催されている。
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ウルトラセブンはウルトラシリーズの中でも特に人気が高い。
脚本の良いものが多く、誰にも正解の出せない問いが含まれた物語が少なくない。
そのあたりのことはもう周知の事実だからわたしごときがなんだかんだ記すのはやめよう。
セブンは数多の特撮作品の中でも特別な存在なのは確かだ。
だからこそ半世紀後の今も多くの人がウルトラセブンに惹かれている。
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グランドホールには多くのお客がいた。先の水木しげる展と違い老人は少ないが、わたしの同世代以上の方がかなり多い。
男性の方が多いものの、女性でここにいるお客さんは皆さんとても熱い眼をしていた。口もよく動く。
わたしもずっとアタマの中でセブンのOPがエンドレス再生され続け、時折ついつい歌ってしまっていた。
口にせずにはいられないのだ、ウルトラセブンへの愛を・信頼を・尊敬を。

展示は映像と怪獣の着ぐるみや物語の紹介というのはよくあることだが、そこにアンヌ隊員の視点での「回想」が加わる。
11ヶ所のモニター設置もいい。

最初にカプセル怪獣アギラたちの紹介がある。
アギラは二重の眼が可愛い。三頭いてみんなよく働くが、けっこうよく負ける。
アギラたちはウルトラセブンの子分だからあまり悩んだりはしない。
怪獣にはその怪獣なりの存在意義がある。
色々価値観が違うのだ。一律ではない。

地球防衛軍の施設や車両などの紹介がある。
その時にはこれが流れている。
うーん、今見たら同時代の英国の「サンダーバード」にメカがすごく影響を受けている、というか受けすぎている。
今だとヤバいレベルの似方をしている。

ポインター(特殊車両)のボンネット部分が再現されていた。
そばにいた女の人たちが「今でもかっこいいよね、乗りたいわ」と話していた。
あー、わかるわ。銀色でかっこいいわ。

それにしても実にドラマ性の高い話が多いな。
誰かが一つの考えを提示する、それへの反応をキャラそれぞれの考えを率直に見せることで各自の価値観を示す。
そして宇宙人であるダン=セブンは自問し続ける。
その自問し、戦いでなく対話で事態の解決法を探ろうとするダンの誠実さ。
地球人であり、外敵としか宇宙生物を見ることのできない人々との意識の落差。
こうしたところを描くのが凄い。

子どもよりも大人の方が理解力はあるのだろうが、しかし他者の権利などもわからない時期に、多くの子どもたちはセブンの見せる苦悩について感じ入ることが少なくなかった。
価値観の多様性、絶対的な正義などないということを改めてしる。

それにしても出てくる人々の描き方の魅力的なこと…
宇宙人には宇宙人の考えがある。中には「自国ファースト」という全く今の某国大統領のようなことを口にするのもいる。
尖兵として派遣され、破壊工作を続け、いざ成功した時点で祖国から捨てられる宇宙人の娘、地球は自転するが自力で軌道修正することは出来ないことを知らない宇宙人、神戸で暴れる怪獣…

また、アンヌ隊員がとても可愛い。
演じておられるひし美ゆり子さんの魅力もさることながら、本当にアンヌ可愛い。
小さな冊子があり、そこには彼女のスナップショットが収められていた。

場内で唯一撮影可能の場へ出る。
セブンとメトロン星人の戦いの場面が再現されていた。
ミニチュアの町がとてもいい。
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壊される町だということがいよいよ愛しさを募らせるのか。

最終回の映像を10分に編集したものが上映されている。
見ながら涙ぐんでしまった。
アンヌに自らがセブンだと告白するダン。
体がぼろぼろなのに一人で戦い続けるセブン。
防衛軍の人々が及ばずながらと味方する様子…
そして飛び去ってゆくセブン。

セブンとウルトラマンとは飛んでゆくとき、手の位置を変えている。
そんな細かいことを思いながら、セブンの去りゆく姿を追った。
ああ、セブン、本当に素晴らしい存在。

「その後のモロボシ・ダン」にびっくりした。
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ウルトラマン・ゼロという息子がいるらしい。
そうなのか。
Aとの共闘は覚えている。AはM78星雲とは違う星の人なのだ。
そしてタロウ。タロウはけっこう思い上がるのが多くてそのことでトラブルを色々まきおこした。
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こんなシーンも覚えている。
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磔にされるウルトラ兄弟たち。
小さい頃にこんな萌えるものを見てはどうしようもない。
今も思い出すたびゾクゾクする。

最後の映像シーンでは年老いたセブンがモロボシ・ダンの姿を借りて平和について語っていた。
それを聴きながら全てのシリーズの中で誰よりもセブン=モロボシ・ダンは自問し、考え、悩むヒーローだったことを改めて想った。

本当に素晴らしい作品をありがとう。

以前から高島屋はウルトラ関係の展覧会を度々開催していたが、このようにセブンに絞った展覧会は、とても深いものだった。
以前の感想はこちら
高島屋、いい展覧会をありがとう。

展覧会場前の撮影スポット。
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新聞の紹介
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