美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「バベルの塔」展にゆく その1

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝ーボスを超えてー
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なんでもブリューゲルの「バベルの塔」が来日するのは24年ぶりらしい。
当時のチラシはこちら。


ボイマンス美術館所蔵の展覧会は大阪にも来たが、「バベルの塔」は来なかった。
来たのはレンブラント描く息子の肖像画などだった。
この子ね。イメージ (301)

大丸ミュージアムの話。

さて今回わたしはいよいよ本物に会うこととなりましたが、実はバベルの塔と言えばこれですよ、横山光輝原作の東映動画「バビル二世」、これに尽きますわ。
OPの歌と映像がもう完全にわたしの魂を掴みましたからねえ。
♪砂の嵐に隠されたバビルの塔に住んでいる超能力少年バビル二世
♪コンピューターに守られたバビルの塔に住んでいる正義の少年バビル二世
♪宇宙の知恵を蓄えたバビルの塔に住んでいる勇敢な少年バビル二世
1番から3番の冒頭の歌詞をあげたが、いずれもそこには「バビルの塔」があった。

バベルでもいいし、バビルでもわたしはどっちでもいい。元々は言語崩壊の話もあるからなあ。
旧約の方はどうだったかな、バビロンの・・・とここまで来たら今度は細川智栄子「王家の紋章」のバビロンのラガシュ王が浮かんでくる、わたしはマンガ好きなヒト。

さて、その塔にたどり着くまでにはいくつかの難関がある。
まずは入場の行列である。

東京都美術館の一隅で入場行列に並び、繊毛運動のような動きをしながら動いてゆくと、大友克洋の描いたバベルの塔が現れる。
これがまた面白い。
さすが大友さん、スゴい絵でした。
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いよいよ入場。
まずは16世紀ネーデルラントの彫刻から。
これが第一章で、LBFをぐるぐる回って四つの章を見てから階上へ進むことができる。
塔は昔のものだから一挙に上へ進む、と言うわけにはいかない構造なのである。
1Fではボスや彼の追随者たち、ブリューゲルの版画を楽しみ、そこから上がるといよいよバベルの塔にたどり着くように出来ている。
そこまでがかなりの分量であり、面白くもあるので、塔にたどり着く頃にはぐったりという状況なのだった。

そう、塔の上にゆくまでには難関が並び、しかも上へゆくほど敵は強くなるのが王道、マンガ「リングにかけろ」でも影道の塔は上がるほど難敵になっていた。

・・・と全て昔のマンガを挙げたところで、いよいよ本格的にこちらも展示を見て回ることになる。

第一章 16世紀のネーデルラントの彫刻
大方は作者不詳の木彫がずらり。オークか菩提樹で、細部までとても丁寧に作り込まれた木像が聖人の姿をとる。

中で1510年頃の「ニコデモ」。この像は変な帽子をかぶっているのだが、どうもその顔がクラウス・キンスキーそっくりなので、ファンであるわたしは嬉しかった。

第二章 信仰に仕えて
なかなか興味深い絵が多い。

ディーリク・バウツ キリストの頭部 これはよくしられた顔だが、改めてじっくり眺めると免許証写真のようだ。

ヤン・プロフォースト アレクサンドリアの聖カタリナの論争 ローマ皇帝が左側にいて、その側仕えのものたちが並ぶ。
わんこを連れた小人もいた。その犬が聖カタリナを見ている。

名前が失われてあだ名だけが残る画家もいる。

枝葉の刺繍の画家 とても納得のゆくあだ名だと思った。
聖カタリナ、聖バルバラの絵が並んでいるが、ドレスや細かいところがとても緻密なのだ。細密な作画できれいだった。
二人の聖女はそれぞれ祈祷書を開いている。

ヘラルト・ダーフィット 風景の中の聖母子 授乳中の母子。おっぱいが丸いりんごのようだ。

AMのモノグラムの画家 ピラトの前のキリスト 人体のバランスがわるいような。わんこがいる。シュールレアリスムの画家レメディオス・バロの絵の世界もここに近い感じ。

ヤン・プロフォースト周辺の画家 受胎告知 窓から鳩が勢いよくビューッ マリアは「知りません、そんなこと」カブリエルは「えーと・・・」
なんだかここで話が終わりそう。

作者不詳 庭園に座る聖母子 そう、そして離れたところで二人を養うために大工のヨセフが働いている。井戸のある庭園。このままうまいことゆくのかな、と心配な。

第三章 ホラント地方の美術
わたしは全くこのあたりの画家のことは知らない。
宗教画がずらりと並ぶが、なかなかドラマチックなシーンの絵が多い。

コルネリス・エンゲブレフツ 良き羊飼いとしてのキリスト 羊をだっこするキリスト、それを指さす誰か、しかしながら誰一人として視線の交わらない人々。

磔刑 周囲の人々の様子が目に付く。もう早や大きな鍵と本を持つペテロ、右端の女の金刺繍のドレスの綺麗さ、細かいところがいい。

ヤーコプ・コルネリスゾーン・ファン・オーストザーネン 聖母子たちと奏楽天使たち 
幼子キリストが天使たちと遊ぼうとしてよってきた。可愛いなあ。

彼による二枚の肖像画があるが、全く他人さん同士なのによく似ている。
男女だが、双子みたいだ。画力の問題ではなく。

ルカス・ファン・レイデン ヨセフの衣服を見せるポテパルの妻 旧約の人々はセクシュアルな事件をよく起こしている。
使用人ヨセフを口説いて拒まれたことを恨み、夫ポテパルにヨセフの讒言をする妻。
動かぬ証拠はこの衣服、とばかりに。
アクションを起こしていても静謐にみえる情景は不思議な時の流れの中にいる。

第四章 新たな画題へ

作者不詳 風景の中の聖母子/本と水差し、水盤のある静物画  表裏に絵がある。授乳中の聖母子は真っ向向き。タオルまである。妙なリアルさもあり、しかも1970年代のイラスト風でもある。実際は1480年頃なのだが。

ヨアヒム・パティニール ソドムとゴモラの滅亡がある風景 おーっ赤い空に大きな岩、破滅ダーッこれはあれだ、1970年代初頭の少年雑誌冒頭グラビアの絵のようだ。大伴昌司あたりが解説を書くような。

その彼の周辺にいた画家によるロトと娘たちの絵もある。 どうみても娘らの誘惑を最初から期待しているかのような、もしくは自分から誘惑しているようなロトである。

マールテン・ファン・ヘームスケルク オリュンポスの神々 ローマ神話である。この画家は「ロマニスト」と分類されたそうだ。
なるほと。オリュンポスの神々らが寛ぐ様子が描かれている。中には小さい孔雀もいるし、三つ首のケルベロスものんびりしている。薄絹をまとった神々が思い思いの様子でその場にいる。
なにやらのんびりしていていいな。

第五章 奇想の画家ヒエロニムス・ボス

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放浪者(行商人) おいおい・・・男の売り物にはなんとひどいことに猫の毛皮もある…
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キジネコ…ひどいよーーーっ

聖クリストフォロス 幼児キリストを背負って川を渡る人。
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これで一つ思い出がある。
図像学の話だが、子供を負うて川を渡るのはこのクリストフォロス、なので西洋で子供をおんぶしてたらこれだという決まりがあるようだが、日本だと芝居の「渡海屋の段」の安徳帝を抱きまいらせん姿がある。
大日本住友製薬の大昔のマーク、これはどちらを元ネタにしているのだろうか。

長くなるので一旦休止。
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