美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

雪村 奇想の誕生 後期

藝大美術館の後期にも行きましてな、感想を挙げよう挙げようと思う間にもう早や残り数日と言う状況に。
いつものパターン「既に終了したが良い展覧会だった」という言葉を使わず、とにかくなんとか終了前に挙げようと思います。
前期の感想はこちら

この展覧会のおかげでかユキムラではなくセッソンと間違われなくなったと思うが、実際のところ雪村と変換させるには前者で打ってたりします。人生こんなもんやわな。

1.常陸時代 画僧として生きる
薔薇、葦に猫図  茶斑のすばしこそうな猫。身を潜めているのは何かを狙うているからなのか。
「薔薇と猫」の取り合わせと言えば千露さんが思い浮かぶが、ここの猫は東アジアの猫だった。

叭叭鳥図 二羽いてる。焼き餃子のような目が鋭いのと、シウマイみたいな目の奴とがコンビらしい。

仙人や高士の絵が色々と並ぶ。
がけっぷちで琴を弾いてたり、雪村が描いたとはウソみたいなキリリッとした束帯天神もある。

風濤図  あー、強い風が水面を揺らす。小舟が揺れる揺れる。陸の木々も揺らぐ揺らぐ。
この絵は野村美術館所蔵。だいぶ前に見た記憶がある。
イメージ (316)

2.小田原・鎌倉滞在―独創的表現の確立
叭叭鳥図 常盤山文庫  これは景初周随の賛入り。円覚寺の住持。きりっとした一羽のみ。

正木美術館の瀟湘八景図もある。横長のもの。リゾート気分になるわな。

琴高仙人・群仙図 三幅対 なかなか鯉も立派な顔つき。その髭を掴んでライドする。

仲間内で集まって楽しそうにしている絵が二点。
官女図  唐子らもいて、みんな和やか。子供らと官女らも楽しそうにしゃべったり。
竹林七賢酔舞図 こちらはどんちゃん騒ぎの宴会中。その様子を見に来ている近隣の女たちもいる。

新発見の鍾馗画は力強かった。
スゴイ福耳の布袋の絵も面白い。

百馬図帖 太線の墨絵淡彩、よく肥えた馬たち。丸々としている。

3.奥州滞在―雪村芸術の絶頂期
後期だけの呂洞賓図もある。瓶から子龍が出てくる。二匹も。上にもいてる。乗るのもいるし、多いなあ。
イメージ (235)

官女図屏風 欄干のひと、落ちそうよ。なかなかええ感じ。けっこうにぎやか。

鍾馗図 これ、虎と遊んでるそうですわ。ほんまかどうか知らんのですが。手を取ってるのはおテテなでなでらしい。虎もにゃー。
イメージ (315)

布袋童子図 後姿のしぐれてゆくか布袋どん ならぬ 子供らがまといついて楽しそう。袋に凭れたりくっついたり。

龍虎図屏風 右2の波は「おいでおいで」の手。左4には…虎の前歯が可愛い。
イメージ (317)


4.身近なものへの眼差し
植物が妙な折れ曲がり方をするものが多かった。
実際の光景としては見ていても、絵画としてはあまり描かないような様子のものを描いている。

枯れ蓮も竹も菊も > や < に曲がる。そこに鶺鴒、鷺、そしてカマキリがいる。
自分のいる重みで細い茎がしなり、ぐにゃりとなる。

猿たちが手を伸ばして水の月を取ろうとする。よくある猿猴図なのだが、雪村が描くとクガタチでもヤラカシそうな雰囲気になる。

蔬果図 ナス、瓜、ナシ。ミズミズしくてておいしそう。

5.三春時代 筆力衰えぬ晩年
ぎっしりみっしりの花鳥図屏風、物凄い福耳の布袋のいる図、楽しいわ。

李白観瀑図 三頭身のよく肥えたかわいい李白じいさんと少年たち御一行。

光琳が愛し雪村
馬上布袋図 これは以前からときどき見かけるのだが、今回はもしかして朝鮮通信使の馬上才がモチーフかなと思った。
馬の背に立ち両手を広げる。どうもそれのような気がする。

琴高仙人 光琳の描く仙人はちょっと若いな。顔立ちは光琳と関係の深い中村内蔵助によく似ている…

6.雪村を継ぐ者たち
芳崖 牧馬図 おお、うまうましてる。シルエットの馬もいるが濃淡がきれい。

芳崖 枯木猿猴図 この猿の顔…「彼岸島」の雅に似てるな…

雅邦の山水画冊から三点が出ていた。
雪景図、山水図、湖岸図・・・いずれも絹本の良さを感じた。布がいいんじゃなくて、絹の上に描いた絵の良さ、それを感じたということ。

前期の方に好みのものが多かったが、後期もきちんと楽しめてよかった。
もうこんなに集めるのはなかなか難しいと思う。
それにしても楽しいチラシだった。
5/21まで。

おまけ。

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