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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

祈りとかたち 知られざる建築儀式の世界

いつも行くのが遅くなって会期末になってしまい、まことに申し訳ない。
竹中大工道具館。
「祈りとかたち 知られざる建築儀式の世界」展
イメージ (375)

チラシのこのお道具は実際に使うものではなく、上棟式の儀式用具だそうだ。
なるほど蒔絵を施した美麗な様相を見せていた。

イメージ (377)

上棟式、棟上げ式。
今も見かけることが少なくない。
個人的な話を一つする。
今の家はわたしが高校に入ってすぐの頃に完成した。
母が建てた家。
当然ながら上棟式を行っている。同じ敷地内にオジも家を建てたので共同の上棟式。平日の昼。
母がどちらの家の施主として臨み、棟梁と職人の皆さんも古式ないでたちで粛々と執り行ったそうだ。
その後は直会もした。
この話は今さっき確認したところ。

その上棟式、竹中工務店は初代が大隅流と言う祭式を創始したそうで、その紹介がなされていた。
チラシ上部の大隅流祭式の上棟式祭壇の説明をよむ。
KIMG3209.jpg
祭壇背後の浅黄幕、四神旗(五色旗)、三つの幣串(扇車)、緑の神籬、五幣と三幣、鯛や餅や果物、野菜、塩、お菓子や清酒などの神饌。
向かって左には儀式用の槌と当板、右には蒔絵で装飾された儀式用の大工道具。

そして写真はないが、巨大なカブラ矢とカブト矢とがあった。どちらも魔を祓うものである。
前者は鬼門に向けて矢を、後者は病門に向って矢を、それぞれ三度ずつ引く。
カブラ矢は蟇目矢(ひきめや)、カブト矢は雁又矢。
矢の震えは聖なるものなのだということを改めて想う。

竹中工務店の大隅流は手置帆負命(たおきほおいのみこと)、彦狭知命(ひこさしりのみこと)、天津国常立尊(あまつくにのとこたちのみこと)を三祭神として奉る。
上棟式で着用する直垂が展示されているが、これも立派なものだった。
その様子が映像で流れるのを見た。

今回は上棟式の祭壇を展示していたが、地鎮祭の時もやはり丁寧な儀式を行うのだろう。
いつかその様子も見てみたいと思う。

コーナーは違うが、地鎮祭の盛砂も展示されている。円錐形の砂が盛られ、その前にドーナツ状の盛砂がある。
その穴の部分にしずめものを埋めるそうだ。

KIMG3212.jpg

番匠の始祖として聖徳太子の像がある。
成人後の太子の立ち姿図で、その前の卓上に大工道具がある。

建築祖神像も興味深い図像を示していた。
KIMG3210.jpg
最上部の恐ろしげな様子の人は神武天皇、中段には手置帆負命、彦狭知命それぞれの孫たち、そして最下段には聖徳太子。

KIMG3211.jpg

資料もこのように残っている。

くだけたところでは、幕末から明治の大工仕事の様子を鯔背に描いた錦絵も数点。国貞、国周などがかっこいい大工たちを描いている。

他に伊勢神宮内宮の模型があり、先年の式年遷宮の手順が紹介されていた。
神様は数十年ごとに移られねばならないのだ。
常設展示の西岡常一棟梁の紹介コーナーではこの企画展に合わせての展示があった。
神仏への尊崇の念が活きているのを感じる言葉が出ていた。

5/28まで。
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