美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

京博の名品ギャラリーでみたもの

先週の土用の夜間開館日に出向いた。
観客にはまことにありがたいが、中で働く方々にはほんまに大変な労力をおかけしていると思う。
ご苦労様です。

京博は撮影禁止なのでほぼ字だけで書くことになるが、まあそれはそれでいいかな。
まずは3階から。

・染付の美
青花三国志図壺  騎馬図なんだが、どう三国志なのかはあんまりわからない。よくある図と言えば三顧の礼か桃園の誓いがあるけど、普通に馬を走らせてる武人ではわからんがな。しかしきっとどこかに何かポイントがあるに違いない。それを見つけ出せないことを反省しよう。

蓮華文、花鳥文、雲龍文、祥瑞…この辺りは機嫌よく鑑賞というか賞翫するばかり。
珍しい所で青花回教文字文水指 正徳年製銘  コバルトは回青、回教の国から齎されたもの。文字を文様にするのも新しかったのかもしれない。クールとかそんな感じで。

青花虎形香炉 霊洞院 こやつの色絵バージョンを東博で見たように思う。…いや、あれは虎型の枕か。しかしこの手のものを好む人もいるから、やっぱり他に兄弟がいるだろう。

他にも鍋島のいいのがある。
青磁染付瑠璃地芦波文皿  二つの技法が一緒にあるのもいいものです。   
 
・日本と東洋のやきもの
色絵蓮華香炉 伝野々村仁清作 法金剛院  形そのものが蓮というか蓮華。蓋付でふたの部分がなかなか面白い。蓮弁に種字が書かれている。
本体の方が仁清ぽい。

三彩兕觥形香炉 奥田頴川作 建仁寺 両足院  偶然朝1に行った先が本当の所蔵先。上部は自転車レースのヘルメット型で下はドイツのビールの巨大グラスのよう。
中国古代青銅器風な装飾。瑞獣風なのが透かしで作られている。
彼らの周縁には雷文が張り巡らされていた。

祥瑞写染付瓜形蓋物 永樂保全作 高津古文化会館  これもいいなあ。

最後に信楽のやや大きめの檜垣文壺があった。
なんとなくルソンの壺を想った。

2階へ。
・兵(つわもの)―軍記物語と武勇譚―
騎馬武者像  かつては足利尊氏像として知られていたが、現在ではだれか不明ということである。総髪に顎鬚で眼光鋭い人物が馬に乗る姿。とてもかっこいい。
二重瞼の目の下にも線が入り、しわではなくふくらみがこの男の人相をよくしている。
抜身の刀を担ぎ黒馬と共に走る。かっこいい。

俵藤太絵巻 金戒光明寺  瀬田の唐橋に大きな龍がいて、誰も渡れない。そこへ藤原秀郷(藤太)が素知らぬ顔で龍をまたぐ。龍は鎌首?をもたげてしみじみと彼の様子を打ち眺める。
龍は老人の姿になり、領地争いをしていて、敵を倒せる勇者を探すためにここにいた。
貴方の助力を願うと話しかけてくる。藤太は快諾し、老人と共に山に分け入る。
季節は秋、所々に紅葉が見える。
やがて足場を構えた藤太は鏑矢をつがえる。そのまま待機する。
夜となり、老人の本性である龍が別な大龍と争う。空には雷神まで出現。
片肌脱いだ藤太が鏑矢で敵を狙う。

上巻はここまでが出ていた。
その後藤太はお礼を貰い、そこから俵の藤太と呼ばれるようになる。
次巻は既に天慶の乱になり、藤太は平貞盛と共に将門を狙う。

戦の最中、将門は門前に立つ。彼の愛馬も立派な馬で、射られてもびくともしない。
ついに逃れられない最期が来る。将門は室内と廊下の敷居に立ち、立ったまま切腹する。
臓物が飛び出しながらの立往生。敷居に血がしたたり落ちる。
女たちは逃げ出すが、中には担がれてしまうのもいる。

一方、藤原忠文は駿河で家来の書いた漢詩に落涙し、出遅れる。そこへ都への凱旋途中の貞盛、藤太が来かかる。
都に戻った一行の凱旋パレードの華やかさ。槍の刃先には将門の首がかかる。
(首が飛んで大手町にまで行ったのはサラシ首にされた後)
忠文は勧賞に与れない。そのショックで白髪になり、寝込んでしまい、とうとう死後は怨霊となるが、宇治に末多武利神社を拵えてもらう。
巨大な卒塔婆の前で人々が鉦や太鼓や鼓をその門前で演奏し、悪霊を慰める。

・密教図像の美─入魂の一発技─
四面四臂四足不動明王像  異形の明王。線描のみだが非常に怖かった。なんだろう、祟られそう。胴のみ一つ。四面はそれぞれ表情が違うが、相手の意識を読んでいる。
「俊徳丸」ののぞきからくりに現れるタタリ神の荒神さんにも通じるような。

曼荼羅集 巻下 経弁筆 善智画  蓮座の功徳天を中心に伎楽諸天が上部の左右に、帝釈天と梵天が手前の左右に、そこへ咒師(僧形)が。
いずれも美人さん。

・霊雲院の障壁画―狩野元信晩年期の名作―
四季花鳥画、琴棋書画図など。

・祝いの調度―祭礼図屏風
日吉山王祭礼図屏風 4曲1双 檀王法林寺  なかなか華やか。ここの所蔵か。
祇園祭礼図屏風 海北友雪筆 6曲1隻 八幡山保存会 こないだのパパの展覧会良かったねえ。
祇園祭礼図屏風 6曲1双 京都国立博物館  えらく整っているなと思ったら、京都所司代は都の治安を守ってます、というのを見せるための描きぶりらしい。なんだ、という感じもある。 
賀茂競馬図屏風 6曲1双  久しぶり♪ これはもう徹頭徹尾放埓・不埒なところが大好き。
競馬見ながら若い男の子の手を握るオッチャンとか色々と・・・
93年頃か、狩野博幸さんの出された「近世風俗画」の五巻本で見たのが最初だったかな。
mir738.jpg
と、ここまで来て過去の画像を探すと、2008年の感想が出てきた。
そのラインナップが今回のとけっこう似てるな。
だん王さんの日吉、賀茂競馬、祇園祭礼図などなど・・・
当時の感想はこちら
そのとき、先般開催された海北友松の八仙図を見ている。

・伝説の画家たちが描いた仏画
中国から来た絵というのが色々。

華厳説相図 本圀寺  向って左手に普賢と象、右手に文殊と獅子だが、その獅子がもう面白過ぎる。
ちょっとちがうけれど、中華街の獅子頭、あれの親戚みたいな感じで、被り物系に見える。青くて、べろーんとしてて妙に可愛い。

普賢菩薩像  二点あるがどちらのだったか、印度人がゾウさんを曳いている。こういうのは初めて見た。

・古書画へのまなざし ─伴實コレクション─
イメージ (561)
これについて京博のサイトにこうある。
「当館は昨年度、伴實氏が生涯にわたり蒐集した古書画47件を、ご遺族の方よりご寄贈いただきました。伴氏は商売を営むかたわら、50年ちかくも自らマーケットに足を運び、おもに古文書を中心として、眼鏡に適ったもののみを集め続けました。確固たる信念に基づき入手した作品には、自分好みの表具をほどこすなど、氏の注いだ温かいまなざしに溢れています。今回の展示では、古美術を愛する真の「コレクター」であった伴實氏が蒐集した古書画のなかから、代表的な作品を紹介いたします。」

東寺年中行事 賢宝筆  結構綿密なスケジュール表。忙しそう。

岩屋草紙断簡  継子いじめ。姫が継母の計略で海に捨てられに行く。しかし実行犯は手が下せず、姫を岩場に置いて去る。
物語自体はこの後どうなるのか。
調べると愛知県大の貴重書サイトに説明があった。
「室町時代物語に多い継子いじめの話の一つ。別名『岩屋の物語』『対の屋姫物語』ともいう。物語のあらすじは、三条堀川の中納言と白川の宮の間に生まれた姫君は、賢く諸芸に通じていたが、母を亡くし、連れ子を持つ継母を迎える。一家は父の任地筑紫へ下るが、船が明石の浦に着くと父中納言は書写山に参籠し、その隙に継母は姫君殺害を命ずる。命を受けた乳母子は姫のあまりの美しさ気高さに殺すに忍びず海中の岩に置き去りにする。明石の海士に発見され養われた姫君は、関白の御子二位の中将に強引に都へ連れていかれ契りを結ぶ。関白夫妻は息子の中将に海士の娘を思い切らせようとするが、教養芸能ともに秀でた素晴らしい女性と分かり、結婚を許す。姫君の娘は女御となり子孫繁栄をみる」

東山名所図屏風 幸野楳嶺筆  最後の名所図といった趣がある。近世の始まり頃に一目で見渡せるような名所図がたくさんつくられたが、その後は浮世絵で一カ所一カ所の名所図がブームとなった。
明治になり洋画の風景画が入るとますますすたれ、やがて大正期に吉田初三郎の鳥瞰図が作られるまで「一目で見渡せる名所図」というものは本当に少なかったろうと思う。
明治にこうした絵が生まれたのは京都だからかもしれない。

・正倉院裂と古代の染織
これも2008年にみている。
なかなか迫力のある伝世品ばかり。

法隆寺裂 黄地楽天文様繡幡断片  ああ、とても綺麗。よく残っていたなあ。
糞掃衣断片  いきなりびっくりしますわ。
神護寺経経帙  丁寧な作り。これは前のいつ見たのだったかな。
正倉院裂 緑地連珠唐草円に狩猟文様錦  こういう断片を見ると初代龍村平蔵の辛苦を想い、胸が熱くなる。

・閻魔と地蔵
わたしの地元も地蔵盆をするが、年々少子化で提灯の数も減っていくばかり。
京都の某地区の友人に至っては地元なんと子供ゼロ。それで老人たちばかりで地蔵盆をしているそうな。
うーーーむ・・・

十王坐像 珍慶作 10躯 京都・常念寺  ずらり。
最近はすぐ「鬼灯の冷徹」を思い出すので・・・

最後は化粧道具。
貴族社会では男性も丁寧にお化粧をしてましたし。
お道具も本当に丁寧に作られている。
サントリー美術館の「神の宝の玉手箱」展が楽しみだ・・・

古くからの美術館、博物館の所蔵品は本当に面白いので、いつもとてもありがたく思う。
次回も楽しみにしている。

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