FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

小野竹喬展を楽しむ

阪急御影の香雪美術館で小野竹喬展を見る。

福田平八郎、徳岡神泉と並んで、大人になってから愛するようになった画家である。

会場は二階建てで、一階には常設の仏像と共に、竹喬が愛し、その芸術の完成にも関わった魂の師匠・池大雅の作品が並んでいる。
先日京都で見た渓仙『蘭亭流觴』
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-446.html
これと同じ題材の絵が横長に描かれている。
南画・文人画には中国の教養が必要だが、怠惰な私は不勉強で、まだまだ至らない。酔っ払いはきらいなので飛ばし読みしたのが、こんなところでたたりよる。
絵を見ていて私は今村紫紅をなんとなく思い出している。
『試錘図』 これは中国の文人たちの人となりを文で書き、絵でその佇まいを描いている。
木村蒹葭堂旧蔵。

さて二階には竹喬の作品22枚が並んでいる。
笠岡市立竹喬美術館・京都市美術館と高島屋史料館からのものが多いが、中に一枚、華鴒美術館(はなとり)からの『残雪』と言う作品が面白かった。
山なみに白い雪が残っているのだが、それがどう見てもポケモンのピカチュウなのである。本当にそっくり。スキャンしてここに載せたいが私のレタッチ技術が悪いのでダメだ。
しかし本当によく似ている。思わずこの絵はだまし絵で、他にもポケモンが隠れているのではないかと思ったくらいだ。

若い頃の竹喬の絵を見ると、なるほど国画会の会員だったなと感じるところがある。そしてジョットのブルー。
竹喬からはフランスではなくイタリアの匂いがするのだ。
フレスコ画のような。

カラリストの竹喬が最晩年になると、水墨画の魅力を度々口にするようになったようだが、竹喬の薄墨は、和やかで静かだと思う。
しかしそれは晩年だからと言うことではなく、随分若い頃から竹喬の絵には逸るところがなく、いつでも温和なのだと感じる。

『春耕』 春の一日、野良で働く人々と牛。この絵は素朴派の範疇に入ると思う。解説文ではアンリ・ルソーがどうの、とあったがむしろ、グランマ・モーゼスの世界に近いと思う。

『夕雲』 京都市美術館にあるこの絵は東山のイチョウ通りを描いたと言うが、日仏会館の南辺りらしい。ちょっと覚えがないなあ。

ニ月に東京美術倶楽部ですばらしい『牡丹雪』を見て以来、竹喬に心が惹かれるばかりだ。

素晴らしい作品が丁度良い数で治まっていた。

庭に出ると、枝垂れ桃が咲き乱れていた。白桃かと想えば所々に桃色がある。紅白の桃。だからか、『源平』という名らしい。
今年の関西は寒い日が続いたのでソメイヨシノも長持ちしていた。
ここへ来るまでの阪急神戸線の線路脇には延々と桜が植えられていたが、六甲の山の上では、靄のように淡いピンクが所々に見えていた。
竹喬の絵を見るにふさわしい日だと思った。
関連記事
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア