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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

天理図書館 古典の至宝 前期

天理図書館の所蔵する貴重書が天理参考館で三期にわたって展示される。
わたしは主に奈良絵本目当てで出向いた。
ありがたいことに展示期間中は土日でも臨時バスが出ている。



天理大から少し歩いて参考館へ入った。

古事記 道果本 1381  真言宗の僧侶・道果が書写したもの。なかなかいい字である。そして朱筆がよく入っている。
イメージ (379)

日本書紀神代巻  乾元本  1303 卜部兼夏  吉田神社の卜部が写したもの。こちらもいい文字である。冒頭。

明月記 治承四-五年 藤原定家自筆  ただしリアルタイムの二十歳そこそこの定家の字ではなく、それから20数年後の定家が書き直したものである。
彼の字は大学の頃「更級日記」を定家が写したものをずっとテキストに使っていて、あの読みづらい字に本当に困らされた。
今回もそのことを思いながら字を見る。
源平の争乱について極めて知らんぷりを決め込んでいるようだが、しかし言葉選びで彼が実は本当は…というのが垣間見える。
「紅旗征従」という言葉を使っている。
紅旗征戎非吾事

・「明月蒼然 」と表現するその夜、定家は不思議な火の玉のようなものを見ている。
ほかにも瘧や赤痢の描写がある。

和名類聚抄高山寺本  平安末期写本  これは源順が撰述し皇女に差し上げたものらしい。
地名がいろいろ記してある頁が出ていた。河内、摂津、山城などの地名がみえる。

類聚名義抄観智院本  鎌倉末期写本 こちらは文字の発音表記などが記してある。平安時代の発音がわかる。
現代の日本語と千年前のとはアクセントも違うのだ。
イメージ (381)

源氏物語池田本 鎌倉末期写本  サイズは正方形に近い。 
イメージ (382)

ここから奈良絵本をみる。
去年、天理大学で奈良絵本のいい展示を見たが、当時の感想はこちら

天神縁起絵巻  船上の菅公。次に太宰府のあばら家のような場に置かれる菅公、
雷神が時平を掴むのに立ちはだかる若い武者風の者、これが法性坊なのか??

しづか 生んだばかりの子を奪われ馬を追う静、舞う静、絵自体はそんなにうまくもないが、感情の揺れ動く様子は伝わる。

「小男」もの色々。打出の小槌で巨大化するのもあればそうでないのもある。
小男はだいたい50cmくらい。どの話も共通するのはサクセスストーリーである。
都に出て華やかな様子をみる小男がなかなか可愛い。

山海異形 山海経」を元にしたオバケ図鑑。猩々母子が手を繋いで歩く絵は可愛い。
曰く「ぞうり ぽくり」を置いとくと履くが、脱ぐことを知らない。
他に阿羅魚は顔が1つに胴が10の魚など。まあ正直気持ちの悪さがある。
神陸という虎の胴体に9つの顔のはこわい・・・

磯崎  ウワナリ打ちの「磯崎」も今年は鬼面が落ち、杖が手から離れるシーンも出ていた。 
今年はあの鬼面で女を殴るシーンの他に息子の勧めで祈り、それで鬼面と杖が身から剥がれるシーン。
全ての原因の磯崎もまた妻同様に出家するという話だが、神仏の救いは結局誰にも向かない。

大古久まい  大悦の助に味方する大黒と夷三郎。そういえば何年か前に熱田神宮でみた大黒らが強盗撃退する話も子の仲間か。

西鶴の自画つきのもの色々。
イメージ (383)

塩浜や  浜辺での塩焼き窯の絵がある。なかなかうまい。
梅に鶯  これもいい絵。シンプルな線がいい。

芭蕉は幻住庵記のほか許六が絵を添えた奥の細道などがある。
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「馬ほくほく」も可愛い。
今回初めて知ったのは「葛の葉」についてである。
葛の葉の表みせけり けさのしも  この句に出る「葛の葉」は単に植物のそれだけでなく古説経「葛の葉」に引っ掛けているのはわたしにもわかるが、知らなかったのはこれ。
「葛の葉」は「うらみ葛の葉」と歌を残すのだが、それから「葛の葉」といえば「うらをみせる」という表現とくっつくようになっていたそうだ。なるほど言葉遊びだ。それを踏まえての「おもて」なのか。
実際には使わない表現なので、完全にはわかるようでわからないのだが。

中期もこの時間帯に合わせてバスに乗っていきたいと思う。

ところで天理図書館のリーフレットに中が少し出ていた。
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