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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

2017.10月の東京ハイカイ録

今回は一泊二日でしかも観劇がメインという久しぶりのプランです。

最初から国立劇場へ向かったわけではない。
まずは三の丸尚蔵館へ。
展覧会の詳しい感想は例によって後日。

やっぱり皇室の所蔵していた古代ものはいいなあ。
外には桜のような木花が咲いていた。



半蔵門へ。久しぶり・・・
国立劇場のチケットを出力してから国立国会図書館へ。
挿絵の展示を見る。
結局これで時間を使い切る。
ああ、挿絵よ・・・面白かった。

15年ぶりの再演「霊験亀山鉾」。
やっぱりあれよ、仁左衛門が白塗してとんでもない悪役やるのを見るのが一番好き。
だから彼に殺される善人たちは出来る限り儚く憐れでないといけない。
その痛々しさに疼くぐらいでないと、やる資格はない。
ニザリー、本当に素敵だ。
個人的には焼き場の場がいちばんいい。南北は人の生き死にで不謹慎な笑いを送ってくれるが、そこにわたしも反応する。

ああ、面白かった。

いい芝居を見終えて機嫌がいいが、もう五時前だった。
明日は本当は歌舞伎座で「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」を見たかったが、チケットが取れなかったのと、足が言うことを聞かなくなっていたので諦めた。
歩き倒す分にはいいが、ずっと狭い所で動かさずにいると、わたしの足は動かなくなるのだ。痛い。まだ足が治りきっていない証拠だ。

半蔵門から上野へ向かう。
サクラテラスから山へ上がると、上野の森美術館がある。
「怖い絵」展、その時40分待ちだった。雨の中だが、これは入ろう。

実際には25分程度で中へ入り、大混雑だがどの作品も好きなように見た。
こちらにある種の執意があれば大抵のことはかなうものだ。
そんなことを思いながら「怖い絵」を楽しむ。

まだ雨は降っている。
しかも目に見えない雨に変わって。
わたしは歩く。

東博につくと柔らかな照明があちこちにあり、うすぼんやりした夜景をクノップフの描いたブリュージュのように見せていた。
写真ではとらえきれない光景だった。
だから目に記憶に残すしかない。
しかし記憶は改竄される。
ほかならぬ自分の脳によって。

運慶展を再訪した。やはり彫像の後姿の肩や振り上げた腕の強さにときめいた。
考えることはあまりせず、純粋に見る愉しみに溺れた。
していいこととよくないことの区別がつかなくなる。
畏怖の念より、ある種の欲望とときめきがそこにある。

東洋館でマジカルアジアをみる。



チラシにあったニューギニアの頭蓋骨をみる。
加工された頭蓋骨。ヨーロッパではゲルマン人が敵の頭蓋骨に鍍金した。
日本では信長が敵の頭蓋骨を盃にした。
しかしここでは崇めるために頭蓋骨を表装し、不思議な再現をした。
生者の頃と似ているのかどうかは知らない。もはや誰もわからない。
装った死者の頭蓋骨を通して生者を想う。

好きなものが展示されているのは嬉しい。


2010年以来の再会になるのか。
当時の感想はこちら










外に出ると雨は空気と同化していた。
湿潤な東アジアの片隅。
月は出ていないが、こんなものをみた。



湿気に包まれながらも心地よさが全身に沁み通っていた。


定宿に帰るとフロントの仲良しが「一泊とはお珍しい」と言う。
まあ確かに。芝居の話をしてから寝る。

2日目、日曜なのに平日担当の朝食係のKさんがいた。
訊くとやっぱり土日はなかなか人が長続きしないらしい。
Kさんもたいへん。

まだやっぱり腱は治りきっていない。一カ月たってないから仕方ないか。
しかし歩く。歩くぞー。
というわけでいきなり国立新美術館にゆくが、開館5分後には既に大混雑の安藤忠雄展。
「光の教会」の現物再現があった。
正直、本気で驚いた。
この教会は大阪府茨木市にある。わたしもその気になればすぐに行けるのだが、今も行ってない。
驚いた。まだ雨なのに光が差し込む。



不思議な快さが心に拡がる。身体はそうでもないのだが。

安藤への盲信はないし、常に一歩引いたところで作品を見るが、しかし彼の作品の強い感染力には敵わない。
そこに住む気はないが、行く先が安藤作品だということはかなり多い。

結局2時間近くいた。
地下でお昼を食べてからサントリーへ向かう。
雨なので一瞬乃木坂から霞が関経由で六本木へ向かうかと考えたが、六本木からサントリーも意外に面倒なので雨の中を歩く。
そう、ミッドタウンは遠くない。

狩野元信展を見る。うまいこと入れ替えが進んでいて楽しい。
特によかったのは酒伝童子の鬼の宴会シーン。
鬼の家来たちが御大退場後に柿や栗や梨を運んできて、レアのフィレ肉を食べたり飲んだり舞ったり吐いたりしている。
無邪気な鬼たちより腹に一物手に荷物の頼光と四天王ご一行様の方がよっぽど悪人面をしている。

おんぶのしあいっこでインドからキジル国へ向かうクマラタンと釈迦像。
なんだかなごやかでいいぞ。

さてここからはまた建築。
東近美で「日本の家 1945年から」をみるが、これがまたなんだかもうすごいなと。
安藤をみた後に一旦狩野元信を入れて本当に良かった。
続けて見るのは避けるべきだ。
偉いぞわたし。

要するに近代建築を溺愛している人間に現代の現実が容赦なく押し寄せてきて、対処しきれなくなったということだよ、諸君。←諸君と呼びかけるほど別に誰も読んでいないぞ、7e。
安藤展とこの展覧会はたぶん一緒にする。そうでないと逆にしんどい。

常設展示では好きなものが色々出ていた。
癒される・・・







ここでタイムアップ。一瞬まだ17時前なので飯田橋にでも行こうかと思ったが、行くと必ず長居する。
諦めて大手町へ。

今回は一泊二日なので特に疲れたわけでもなく、荷物が大きいわけでもないので、阪急で帰る。
いつか新線が出来るらしいが、そうなると今よりもっと楽に帰宅できるな…

自宅に帰ってから猫を触りたおし、トキメキの元を延々とみて、やっぱり遅寝になったのでした。
次は11月の末近く。
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