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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

白鶴美術館の中国陶磁器 ―壽福の造形 明時代を中心に―

白鶴美術館の今年の秋季展は明代の中国陶磁を中心にしたものだった。
新館はペルシアの絨毯特集。
東灘アートマンスに参加すると割引。

駅からここまで割とあるのでいつも何かしら考えながら歩くことにしている。
そして白鶴美術館は自分にとっては定点観測地の一つなので、何の展覧会であっても必ず行くので、たどり着くまでどんな内容かすら知らないことが少なくない。
御影に残る近代建築の粋を極めた邸宅を所々遠くから眺めもって行くうちに妄想も固まり、美術館にも到着。
イメージ (457)

明代は赤絵が多い。
華やかな都市文化の時代で、外敵に滅ぼされるまで享楽の限りを尽くし、雅の粋を極めて、文化も頂点に達した。
唐も北宋も同じような道をたどったが、明の終焉後は清が長く政権を取り、高度な文化を形成した。
明では生まれなかった繊細な線描のやきものが生まれたのも清だった。
清では懐古趣味も流行し、殷周代の青銅器をモチーフにしたやきものも生まれている。

後世のわたしたちもその楽しみを貪ろう。

金襴手八仙人図壺  地模様がみっしり系。菱文・七宝繋文など。隙間なく赤い線を描く。張りつめられた文様のその下の白地に萌える。
八仙は中国の仙人で、壺の胸辺りをぐるりと巻いている。その下には獅子・麒麟・龍・白馬がぐるり。
めでたい図葉である。

瓢型の瓶が大小三つ同じガラスケースに収められている。二つは金襴手、一つは五彩。
五彩のそれは松竹梅文様が描かれ、全体は紅と青で表現され、梅原龍三郎が好みそうだと思った。そんな大胆でおおらかな良さがある。

金襴手瓔珞文大鉢  縁周りは染付の松竹梅で見込みも染付の松。これはあれだ、本当に日本好みなので、もしかすると発注した分なのか?

五彩魚藻文壺  春季に続き出陳。前々回にはこんなことを書いている。
「国芳風に言えば「うおのせかい」。水中にオレンジ色の鯉が八匹スイスイ。MOAに兄弟がいる。出光にもいた気がする。オレンジは黄色で最初に焼成してから赤を塗って再度焼成して色を出す。やっぱりこれくらいの手間暇をかけないといかん。」
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ツレは出光、ギメ、MOA、東京富士、福岡市美にいる。ギメとMOAには蓋あり。蓋にも魚。
うぉっぎょっとする、ウォ・アイ・ニー・・・などと心の中で叫んでいる。
因みにこの柄の親戚的立ち位置のものは染付だと東洋陶磁にいる。

五彩の尊形の瓶と壺も三つ一緒。
いずれも龍文獅子耳。ブサカワでいい。万暦五彩は竜と雉などが描かれていた。

五彩武人図壺 これは好きなもので、春季にも出ていた。色々と詳しく書いたのがこちら


螺鈿楼閣人物文盒子 元  寄せ集めの楼閣というか、離れというか、あちこちに建物があり、そこでは人々がそれぞれ好きなことをしている。
中で母子らしきものがいて、木偶で遊んだり。
平和な様子がそこかしこ。

絵を見る。絵は日本のもの。
魚籃観音図 伝・狩野雅樂之助 室町時代  細い木を見返る裸足の美人。ケープの美人。
仙女のように歩く。
イメージ (460)

探幽の絵も二点。
富士三景のうちから白い富士、養老の滝図もある。

酒天童子画巻  ここでは住吉っさん詣でから熊野参りまでが描かれていた。

福禄寿双鹿図  沈南蘋  福禄寿の声が聴こえたか振り向く牡鹿とその様子を見つめる牝鹿。
南蘋らしいクドサがあって、そこがまた面白い。牝鹿の目の形は四角の上辺が少し重みに負けたようになっていて、出入り橋の「きんつば屋」のきんつばを横から見たようになっていた。

蓬莱山図 森寛斎  山中で福禄寿なのか白鹿と侍童をつれた老人がふらふら逍遥中。

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緑の勾玉5つ、饕餮文の鼎や尊、壺などなど古代のものが集まっていた。
玉璧も綺麗な形を保っていた。

青磁日月耳花生 元―明  これは左右の耳がそれぞれ日月らしい。そしてその球体の下には運気ならぬ雲気がぐるぐる…

玉壺春形の青磁の瓶も二つ。何年前だったか、ギッター・コレクションのだったかいい形のを見るうちに涙が勝手に流れたことがあったなあ…

白石蓮台 北斉  おお、前回もお気に入りになった獅子像と神人らが交互にずらり8体8弁のだわ。
これはもう本当に大好き。三次元は獅子で二次元は神人と獅子と。メダイヨンもある。いい台やなあ。

紅葉の時期も迎え、ますます素敵になった白鶴美術館。
来春は別な時代の中国陶磁特集らしい。
12/10まで


続いてこちらは新館のペルシア絨毯。
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パラダイスの語源はペルシア語の「閉ざされた庭園」と言う言葉が蘇る。
全体にそれを思い出させるような花畑が拡がっていた。
花鳥の楽園。
しかしどんなパラダイスにも蛇はいる。

王の宮廷と外出先での様子を描いた絨毯が出ていた。好きな一枚。
犯罪者は首をつられ、犬も木に縛られている。
牝狼に籠絡された犬が羊を狼に食わせていたのだ。
それを知った飼い主は犬を折檻。

動物闘争文のもある。
これらも厳しい環境で生きる人々の嗜好、思考が見えてくるように思う。

いいものをたくさん眺めて楽しかった…
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