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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

北斎 ―富士を超えて―

今、大阪で一番集客しているのはあべのハルカス美術館の「北斎 ―富士を超えて―」展だと思う。
京都だと間違いなく国宝展。
国宝展は既に三度行き、いずれの御時・・・いや、いずれも大満員の中でがんばって見たのだが、この北斎展はまたたまらなく混んでいた。
18時に着いて、これなら少しはマシかなと思ったら「整理券です、あなたの入館は19時からです」という待機状態に突入することになった。
オイオイオイオイ、待て待て。
まあ考えたらデパートなんだから美術館の夜間開館よりもずっと夜は混むわな。
いっそ諦めようかと思ったが、この日はウィング棟で「近鉄あべの店80周年記念 大鉄百貨店からハルカスへ」展があったし、夕食も済ませることも叶うしで、待つことにした。

19時に着いたが実際に入館できたのは15分後になるか。
ようやく入ったが、本当に凄い人出で、200点余りあるうち、本気で間近で見れたのはごくわずかだった。
だからそのことだけを記す。
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季節ものの連作のような作品群がある。
ライデン国立民博が所蔵する文政7―9年の連作物。
・節季の商家  猫が寝てる。算盤ぱちぱち。
・花見  必ずお出かけ。
・端午の節句  物干し台は江戸時代からの産物らしい。そこに立てている。
・初夏の浜辺  巨大な碇が放り出されていて、子供らがそれによじ登ったり寝転んだり。
・行楽図  丁稚小僧二人が棒に通した風呂敷包を運ぶ。なかなか可愛い。提重という感じのではない。

大川楼上図  これはまた好ましい。浴衣姿の女二人と客の男一人がきげんよく遊んでいる。よい灯りもともる。
中華風な円卓にはごちそうが並ぶが、チリレンゲまであるのには嬉しくなった。

大絵馬の曽我兄弟がいる。富士の巻狩り図で、五郎らしき男が潜む。
北斎は読み本もいい。櫛カタログがあって、そのモデルがかなり綺麗に描かれていた。

富嶽三十六景や諸国滝巡り、諸国名橋などのシリーズもいい色のものが並んでいたが、それらはみんな大英博物館の所蔵だった。

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天保年間の花鳥図シリーズもいい。
これらは1990年の「花博」でも見たように思う。
ずらりと並ぶ花鳥。トリも珍しい種類のものやよく見かけるものまで多種多様、花は今に至るまで咲いているものが選ばれていた。
東博で見ることがあるものもあるし、持っている画集にあるものもある。
だがこうして一括展示されているのを見る楽しみは尊い。

若衆図 1840  床几に座る美青年。桜柄の着物が綺麗。色々と妄想が膨らんでゆく…

端午の節句図 1844  花菖蒲を熨斗にさして兜に。こういうのもいいな。

北斎にも武者絵はあるが、やはりこの分野は国芳がかっさらった。
松田修「刺青・性・死」に面白いことが記されていた。
北斎の孫は不肖のもので晩年の北斎を悩ませていたが、火消・がゑんの者になった。これは背中に刺青を入れないといけない職業なのだが、その当時かれらの間では国芳の武者絵が流行していた。
この若いものも国芳風の刺青を入れたのではないか、そうだとすれば北斎の苦みは僧倍のものだったろう…という内容だった。
わたしもその説をとりたい。

水滸伝の花和尚魯智深の肉筆画がある。「花和尚」というのは全身に刺青があるからだが、北斎はそうは描かず、全身をほてらせたように赤く描くにとどまった。雀らが激しく逃げていくのだが、それよりなにより魯智深に目がゆく。

堀川夜討図 これは縦長画面で色の対比が巧い。赤衣の義経、黒姿のの静、白の僧衣姿の弁慶。

老人図  こ、これは!!!というくらい怖いじじい図。「ドント・ブリーズ」の恐怖の老人と同じヤバイ匂いしか感じないぞ…

カレンダーがあった。一人獅子舞の男がなかなか素敵だったな。

小布施から出てきたものもある。
ああ、これはなかなか。
わたしも22.3の頃に行ったな。
イメージ (465)

自分の好きなものについてでしか言葉に出来なかった。
展覧会も11/19でついに終わった。

凄い内容のものが揃っていた展覧会。
多くの人々が楽しんでいたこともとてもよかった。
またいつかこのように内容の濃いものがみたい。
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