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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

なにわ風情を満喫しませう -大坂四条派の系譜-

大阪商業大学商業史博物館はいい展覧会をする。
しかし宣伝がなかなか入らなくて、ついついスルーしてしまうことがある。
反省と悔しさとが入り混じる。
今回の「なにわ風情を満喫しませう -大坂四条派の系譜-」展も後期になってから知った。泣ける。
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西山芳園・完瑛父子の絵をみる。
今ではほとんど知られなくなった絵師だが、たまに展覧会で見るとたいへん良い絵が多い。

完瑛 涼船図 文久元年  幕末の色々ややこしくなってきた時代にこんなに優雅な良い絵を描いている。
舟の中の様子もいい。
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完瑛 炭竃図  雪が積もっていて、この窯にも覆いかぶさる。その中でも煙が細く高く伸びる。何を焼いているのだろう。

芳園 石壁山水  赤壁なのかどうか、石の壁のようなのを見つつ小舟がゆく夕べ。

芳園 秋江漁舟図  だいぶ肉付きの良くなった月の下、二人の子供が舟に乗って団扇でパタパタと火を熾したりしている。

完瑛 養蚕人物図  中国での個人の様子。熱湯につけながら糸取をしている。

芳園 糸桜鴉図  花がはっきりと描かれた糸桜と、そこに佇む賢そうな鴉と。カラスがいつから憎まれ者になったかは知らないが、この幕末から明治辺りはよく描かれもした。

芳園 帰漁捕鱈図  なんでそんな土の上で鱈を拾うねん、というツッコミは別として、子が鱈を嬉しそうに抑え込むのはいい感じ。
・・・「バベルの塔」展のタラ夫くんやないよなあ・・・

完瑛 松茸山  昔はうちの近所(北摂)などでもあったんですよ・・・松の根元に小さいのがある。

完瑛 稲城双鳩図  おお、稲城の火のような感じに稲を乗っけてる。その下に二羽のハト。

芳園 七夕硯洗之図  武士の子が小さい刀を差しながら盥で絵を懸命に洗っている。

芳園 急火焼図  火事かと思ったらさにあらず。急須でした。しかもメダイヨンのようなのを模様にして、そこに人物画入り。

芳園 竹石図  細竹と石。地味ではあるが、こういうのが飾るのによい。

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シリーズものをみる。
完瑛 貼混雛屏風  金地色紙に様々な絵が一扇に月二枚ずつ。
竹月に柳水、若松に蛤、スミレに瓢、タイにエビ、大根に朝日、杜鵑に田舎の家・・・
12点とも可愛いなあ。サイズは大4点と小8点。

完瑛 大坂名所十二景  幕末の大坂である。
四天王寺東門、天満の天満宮、桜ノ宮、二軒茶屋、御堂穴門で黒玉のスイカ売り、錦城の大手門と月、道頓堀のにぎわいを裏から、料亭・増井浮瀬(ますいうかむせ)、堀川備前陣屋、住吉っさんの雪景。

静かな情緒がある。
明治になってからも同じのを拵えたが、ここには様子のほとんど変わらない大阪城の大手門、上町台地にあった増井浮瀬(大阪随一の料亭だったそう)が出ている。

完瑛 雅趣短冊十二月   懸想文売りらしき男、稲荷に紅梅、「天勾践ヲ空シウ・・・」と桜に記す児島孝徳、雨模様の中を飛ぶほととぎす、滝とお堂、盆踊り、月に草野、菊を持ってどこかへ、紅葉の頃・・・

改めて眺めると、円山派は生命体の描写に秀で、四条派は風景に情緒が活きる。
そんな風に思えた。

今はこうして知る人ぞ知る状況になりはしたが、かつての大坂の実力ある絵師たちの絵を見るのはとても楽しかった。

11/25まで。
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