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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

国宝展 第四期 も素晴らしいぞの巻

京博で開催中の国宝展もいよいよ26日を以てグランドフィナーレを迎える。
いやもう本当に凄い内容だったなあ。
2014年の東博「日本国宝」展で見たものも確かにたくさん出ていたが、今回はなんというか、京博の本気度の高さと言うか、そういうのを目の当たりにした感じがする。
わたしなんぞもその熱に灼かれてジリジリしながらついに四期通ったものなあ。

感想もこの通り三期それぞれ挙げております。
その1  その2  その3

さて今回もわたくしの好き勝手な感想を挙げつつ、「国宝」を存続・保護され続けてきた環境・人々に尊敬と感謝の念をささげよう。

11/18の夜間開館に出向いたので入館にはそんな行列はないけれど、行列調整の枠組みが残されていて、無人のその枠内を歩かないと入園もままならない。苛立ちはあるけれど、日中はここに全ての人が押し込まれていたことを考えるとやっぱりすごいな。
このぐるぐる回らないと目的地に到達しない状況は水木しげる「河童の三平」を思い出させるが、その説明はここでは措く。

仏画では西大寺の十二天のうち帝釈天が来た。この白象がわりと好きだ、特に目つきが。

孔雀明王の綺麗なのもある。東博の。
イメージ (474)
孔雀の顔つきが「バビル二世」のロプロスに似てるな…

3期に続き曼殊院の黄不動図もある。丁度先日NHKの歴史ヒストリア(ヒストリア・レイスと書きそうになる)でこの絵が採り上げられていたが、それを踏まえて不動のおなかを改めて見る。

法華経 久能寺経 提婆達多品第十二・ 普賢菩薩勧発品第二十八  やっぱり見返しも文字もその列も何もかもが綺麗な。
どちらも本当に綺麗。これは前に東博の「和様の書」展で方便品第二を見ている

扇面法華経冊子 ページ替えがあって、店先などが描かれている絵や人々のイキイキした様子を描いたものがみえた。
隣にいたご高齢の母子がこの構造を不思議がられていたので説明すると、喜んでくれはりまして、まあ何とか。

平家納経 分別功徳品第十七  これも本当に綺麗で見ていて楽しい。

肖像画に行くと、やっぱり源頼朝像は人気で、みんな集まっていた。
色んな感想が聴けてなかなか面白い。
わたしは展覧会で無関係な話をするのは嫌だが、感想や疑問や感嘆の声を挙げるのを聞くのは決して厭ではない。
とはいえ、「聴かせ」する奴は厭だが。

蘭渓道隆像 自賛 建長寺  思わず「たまにお世話になります」と言いそうになった。書でもなんでもあちこちでこのヒトのに会うし。しっかりしたお顔。字面も好きなの。

聚光院の瀟湘八景図襖 狩野松栄  なんというか、この襖で閉じられた部屋の内側にいたと仮定すると、どういうわけか「果心居士の幻術」にかかったような気になってくる。八雲も司馬サンも書いたあの稀代の幻術師。
彼は自分の描いた絵の中に飛び込んで舟をこいでどこかへ消えてしまうのだ。

さて冖に設置された屏風を見よう。
前回は左手にあった応挙の雪松図が右手に変わり、中央には光琳の燕子花図屏風、左手には蕪村の夜色楼台図。
留の位置には三期同様「志野茶碗 銘 卯花墻」がある。
いい眺めやのう。

宮女図(伝桓野王図) 元  ああ、この男装の女官に会いたかったよ。嬉しいわ。
爪を見ているというか、爪を触る仕草がちょっとあれだけど、好きな横顔。
見たいものに逢える喜びは大きい。

東洋陶磁美術館の誉れの一つ・油滴天目、今回は列なしなので360度ぐるりと眺めると、照明の妙もあり、初めて気づくことがいくつも。
見込みに星雲がある。そして緑とも青とも言い難い複雑に綺麗な光を纏わせていた。
東洋陶磁美術館では知らなかった表情を見せている。
こういうのを見ると、元の場で見るのがなんとなく口惜しいような気もする。
ベターもいいが、ベストの位置で見たい、そう思うのだ。

四天王寺の懸守の展示の方法もいい。ガラスケースの中空に浮かぶような設えが為されていて、これはとても魅力的だ。
初音の調度、琉球の螺鈿、これ以上ないほど手の込んだ高級な装いを見せる。
「国宝展」だからこその展示。同一時間・空間で出会える幸せ。

後鳥羽天皇宸翰御手印置文が水無瀬神宮から来ている。
とても肉厚で大きな掌を朱で押印。
この上皇さんは盗賊を摑まえるときにわざわざ出向いて自ら指揮を執ったそうだが、そのときの指揮棒が払子でも笏でもなく、櫂だったそうで、その剛力ぶりに盗賊がおののいて、自ら捕まったという。
王様が誰よりも力持ち、というのは外国にもある。
ザクセン選帝侯の一人アウグスト二世だったか、彼は「強力王」と称えられた。
後鳥羽院の隠岐の島での和歌を想う。
「我こそは新島守よ隠岐の海の荒き波風心して吹け」
アタマの中には木原敏江「夢の碑」での後鳥羽院の姿が浮かんでいる。


ところで今回の図録の物理的な厚み・内容の厚みは本当にキョウキとしか言いようがない。
狂気・凶器・侠気・驚喜、どの字もみんなあてはまる。
今後ここまでの物量・レベルの高さでの国宝展は可能なのかどうか。
本当に見に行けてよかった。
11/26まで。
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