美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ふろくの楽しみ その2

「少女倶楽部」のふろくから。

飾り羽子板 紙細工とは思えぬ重量感がある。なにしろ持ち手のところに蝶番のようなものまで。
押絵の重ね貼りがリアル。「むらさき草紙」という話の若侍と娘。
どうやら三上於莵吉の作品らしいな。

静御前の舞  立版古だが、製図が面白い。静御前が鎌倉武士たちの上空に浮いている。原画は多田北烏。

建国祭掛軸 1937.2 山口将吉郎  「少女倶楽部」にもこうしたものが出る時代。神武天皇の立てた弓の弭の先端に金色の鵄。
金鵄勲章(きんしくんしょう)はここから。
安彦良和「神武」はこの辺りの話がさすがに巧い。

美しい贈り物展覧会  誌上での啓蒙というべきもの。クリスマスプレゼントなど、どのようなものがいいかを提示する。
戦前の少女はまだまだ洋風の愉しみを知らないのだ。

イソップカルタ 河目悌二 1931正月号 「井戸を見ずに星を見る」などなど。寓話からわかりやすい言葉をチョイスしている。
足元危険ということだが、わたしの友人が将にこれを実行し、えらいけがをした。

赤穂義士物語 1935 大河内翠山/井川洗厓・石井滴水・伊藤幾久造  「義士」である。大石りく、瑤泉院(ようぜんいん)辺りの話をふくらませたのだろうか。未読なので何とも言えないが、この当時の少女向け・少年向けでは自ずから異なる。

チョビ助漫遊記 河目悌二  ユーモア漫画の河目は少女倶楽部にも登場。

少女画集 絵師は不明だが、「道成寺」の白拍子花子が鞨鼓を打つところが描かれている。

戦後の少年雑誌へ向かう。
戦後しばらくの少年たちを熱くしたのは「少年」だった。
「鉄腕アトム」「鉄人28号」の二大人気作品の他にも「矢車剣之助」「ストップ!兄ちゃん」「サスケ」「忍者ハットリくん」などがある。
1989年に光文社文庫として「少年」傑作集が出た。わたしは5巻まで持っているが別冊の小説・絵物語篇は今初めてあることを知った。
この辺りはオジの影響で好きになったもの。つまり団塊の世代として生まれた子供を主な読者とした雑誌である。

戦前同様いいふろくがある。
少年カメラ 1952.2 「もはや戦後ではない」より4年も前にこんなのがついていたとは。
名前だけ見て「少年ナイフ」をふと思い出したり・・・
イメージ (761)

回転式映写機  これも同年のもの。スキーや馬の疾走などのアニメーションを見ることが出来る。

少年蓄音機  牛若丸と弁慶の歌

少年謄写版  懐かしい。わたしが小学生の頃はまだあった。今はないわなあ。ちゃんと鉄のペンもある。

他にも望遠鏡、マジックセット、うなる円盤銃?などがある。

そして忘れてはいけないのが「少年探偵手帳」。
わたしはこれを数冊所持している。オジからもらったのだ。いつか弥生美術館に寄贈するものの一つにしたい。
少年探偵の心得やちょっとした知恵袋な本。

「鉄人28号」の本  表紙は27号ロボット。まだ未完成の頃の話か。

ところでこの時代だけ紙製以外のふろくがあったのは色々理由がある。
この展覧会ではその辺りもきちんと説明していた。

1950―60年代の少女雑誌のふろくが現れた。
1959年のご成婚に対応したグッズなどがある。
「少女」1959.5月号。表紙は内藤ルネの創作人形である。
この時代はまだまだ物不足というか自作する人の方が多いので、付録も手芸セットなどがある。

時代を感じさせるものは当時の人気スターグッズである。
天然色スタービニールブロマイド  「ブ」でなく「プ」なのもいい。少女の憧れ子役スターの写真が並ぶ。
美少女・鰐淵晴子、明るい松島トモ子、童謡歌手・小鳩くるみ、そして雪村いずみらである。
戦後のマンガ史・民俗史に詳しいマンガ家まつざきあけみが昭和30年代を描いた「僕らは青年探偵団」、里中満智子の戦後すぐに生まれた少女の半生を追う「愛生子」にもそのあたりの様子が描かれている。

明治の付録を見る。

歴史(稗史)の事件を描いたものが少なくない。
金王丸の別れの絵がある。ご一緒したhikotaさんがすぐに反応してくださり、盛り上った。
更に護良親王の吉野の別れの絵もあるが、現在ではルビは「モリヨシ」だが、わたしたち昭和の子どもは「モリナガ」親王で習ったのになあとこれも盛り上がる。

パラダイス双六 夢二  大好きなパラダイス双六。明治末の楽園。
img610.jpg

競争双六 巌谷小波/杉浦非水  まあなんというか運動会の中身なんだが「サックレース」とかいう袋に入るのが妙に気になったな。

家族双六 夢二
イメージ (757)

昭和の末近くまで双六は人気だった。
他に楽しそうなのは「動物かるた」

「コドモノクニ」など幼児向け雑誌の紹介がある。
タカラブネ 岡本帰一 野口雨情/中山晋平  鯛もくる。キューピーもいる。 歌もあるようだ。

切り抜き細工が楽しい。
固定された絵の上に切り抜きを合わせて動かすことで風景が変わる。
松茸狩りを絵にしたものも楽しい。
またも森の中を描いた絵に切り抜きというのを見ると、ルネ・マグリット作品を思い出したり。

面白いのが「扇の的」 これが源氏方を背後から描いている。そして与一の弓も背後から見守るスタイル。
この構図は初めて見たよ。

地図や世界の偉人伝関連もあつまる。
世界地図、日本をメインにした日満パノラマ地図、世界動物地図…

絵も忠臣などのものが多い。
楠公父子桜井の別れ、乃木将軍、「えらい人画集」として小楠公、李廣、ガーフィールド…
他にも政岡、ベートーヴェンなど。

ナポレオンのアルプス越え 梁川剛一  これも組み立てるのだ。馬上のナポレオンの号令のもと聳え立つアルプスを目指したものたち。
凄いジオラマだった。アルプスの大きな峰を拵えるとは。…

紙芝居の木村長門守、孝女白菊もある。この時代ではみんなが知るキャラだった。

分解式電車


これは再現ものだが、原画はもっと細密精緻を極めていた。

他にも盤をくるくる回してちょっとした知識を得たりするのもあった。
少女向けはやはり手芸品が多いが、段々時代が悪くなり、慰問袋も出てきた。

戦前のマンガを集めている。
宮尾しげを「猿飛佐助」、島田啓三「冒険ダン吉」、阪本牙城「タンクタンクロー」吉本三平「コグマのコロスケ」
そして松本かつぢのまんが「?のクローバー」
?は「なぞ」と読む。
イメージ (763)
全編は以前に見た「マルチクリエイター 松本かつぢの世界 その2」に挙げている。
こちら

「日本少年」のふろくをみる。
高畠華宵・山口将吉郎・伊藤彦造 三大家名画集  「さらば母上」、「飛沫」…岩の上の若侍、「スパルタの若者
こうした絵が出ていた。

「少女世界」の晴れ着着せ替え、学研の「コドモ博覧会」絵も楽しそうだった。

いよいよ軍事下になり、付録もそちら関係ばかりになった。
物資不足であんまり面白くもない…

以前「子供の情景 音楽ではなく」として同時期に見た戦前の子供向け雑誌とふろくの感想を挙げている。
今回のと多少かぶるものもあった。こちら

続く。
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