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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

香合 百花繚乱 その2

続き。
江戸時代の香合を中心にみてゆく。
ここを楽しんでからサントリー美術館「寛永の雅」へ行くと、いよいよ楽しみが増すように思える。
泰平の時代に生まれたものたちを堪能できる。

・江戸の漆器
江戸時代の感性がどのような形を見せたのかを知ることにもなる。
文様にそれがでている。

木胎漆塗
御所車蒔絵香合、 菊枝結文蒔絵六角香合、 色紙巻物蒔絵香合、船に波蒔絵香合
いずれも今の眼で見れば「日本的で古典柄」と言えるものたち。素敵だ。

太鼓蒔絵香箱 、琴蒔絵香合 どちらも楽器を描いているがとてもリアルな様子。

椿水仙文蒔絵香合 花束にして。ステキだ、大正時代だからこそか。
柴舟蒔絵香合 螺鈿が煌めく。

虫に萩蒔絵香合、螺鈿蔦細道香合  秋に使うとき、嬉しい心持になるだろう。
蜘蛛巣秋草蒔絵香合 これは明治のもの。しかし心持は早々変わらない。

七宝繋文香合 中山胡民作 1合 竹胎漆塗  幕末の職人技。竹に拵えたというのが素敵だ。真ん中に文様がある。

亀蒔絵香合、虫蒔絵香合  小さいものへの優しいきもちが形になる。虫の方は下地の木を見えるように設えられている。
 
菊蒔絵棗形香合、蓮実形香合 形がなかなか楽しい。

イメージ (784)

・作り手の個性が現れるやきもの
まずは仁清。
わたしは仁清の本当に良いのは香合だと思っている。茶碗や壺より小さな香合により惹かれる。
銹絵太鼓形香合、銹絵琴形香合  楽器の形を模した可愛い香合。どちらも以前に茶道資料館あたりで見ていると思う。
色絵ぶりぶり香合 正月の遊びもの。表面の絵もめでたい絵柄。
色絵結文形香合 シンブルで可愛くて、欲しい。

色絵家屋松文香合 肥前 古九谷様式 1合  ドールハウスではないが、こうした形のものを使うとき、楽しいキモチが湧いてくる。

樂焼
赤楽屈輪文根太香合 楽道入  ノンコウ大好き。可愛い薄オレンジ色と言うべき赤。@@な文様とマッシュルームのようなものが続く。
赤楽木魚形香合 伝楽道入  木に刻んだように見えるほど。
赤楽鰐口形香合 伝楽宗入  仏具。ごーーーーんーーー
黒楽琵琶形香合 銘 朝嵐 京都(伝長次郎作)  こんなのがあるのだなあ。可愛い。
黒楽菊文四方香合 楽宗入  けっこう大きい。
呉州赤絵花文写白楽香合 楽了入  楽焼でこうしたものを写すのも楽しい。
赤楽曳舟香合 伝表千家七代如心斎天然宗左  手元で揺らしてみたに違いない。
黒楽紅葉形香合 武者小路千家六代静々斎真伯宗守  秋につかう。
白楽梅花形香合 武者小路千家六代静々斎真伯宗守  春につかう。楽しいだろうなあ。

桔梗形香合 信楽   重みを感じつつも軽やかさもある。赤っぽくカサカサと音が聞こえてきそう。
染付屏風箱香合 仁阿弥道八  両手を挙げる人などがある。細かいつくり。
染付横唄香合 永楽保全作  ああ、貝なのか。

交趾写獅子香合 偕楽園   ウルトラマリン!明るい色。
赤楽藁屋香合 後楽園  これもいいなあ。
乾山写槍梅香合 三浦乾也  本歌が大好きだが、この写しもいい。

・清朝の景徳鎮
染付二疋鯉香合  くっつきあう魚。
染付象形香合  目が鋭いゾウさん。
染付横唄香合  ほら貝。
染付誰袖香合  これは見立てなのか。一部分のみ。

他に根来、砂張、唐三彩もある。

白磁鉄斑蝶文香合 中国・唐~五代時代 9−10世紀   白にぽっちりと蝶がのる。

青磁香合 越州窯 中国・唐時代 9世紀   米色のもの
青磁象嵌牡丹文輪花香合 高麗時代 12−13世紀   とても好ましい。青磁象嵌…最高だ。八輪花。

特に小さいものが集まっていた。
安南赤絵草文香合 ヴェトナム 16−17世紀
瓔珞文香合 東南アジア 18−19世紀  牙製。
青磁角香合 越州窯 中国・唐時代 8世紀
黒釉香合 中国・唐時代 8世紀
影青七宝文香合 景徳鎮窯 中国・北宋時代 11−12世紀
などなど…
可愛かったなあ。


・釜 ─ 茶席の主の姿 ─ 
こちらも好きなものがたくさんあった。

祥瑞立瓜香合 景徳鎮窯 中国・明時代 17世紀   ここにもいいものがある。

芦屋鱗文真形釜 芦屋 1口 鉄 日本・室町時代 明応3年(1494)  鱗の良さもさることながら最愛の尾垂ちゃんではないか。その影がまたいいなあ。とてもいい。破れの良さもある。

芦屋梅松文真形釜 大江宣秀作 芦屋 1口 鉄 日本・室町時代 永正14年(1517)  霰手。素敵だ。

やつれ風炉 1口 青銅 日本・江戸時代 18世紀  ひび割れがとてもいい。

唐犬耳釜 京都 1口 鉄 日本・江戸時代 17世紀   耳が可愛い。唐犬といえば幡随院長兵衛の子分にそんな渾名の奴がいた。

八角尾垂釜 芦屋 1口 鉄 日本・室町~桃山時代 16世紀  下は丸い。山水文が入っている。

撫肩糸目釜 京都 1口 鉄 日本・江戸時代 17世紀  トンボの文様がはいる。


何時ものように饕餮くん、犠首ちゃんたちキメラに会う。青銅器、いいねえ。

和歌短冊、懐紙の手鑑のいいのが並ぶ。ところどころ読めるのがあるのも嬉しい。

雛図 柴田是真  描表装で雛道具が描かれるのが楽しい。

斗々屋茶碗 銘 春日山 1口 高麗茶碗 朝鮮・朝鮮時代 17世紀  見込みの深い本手ととや、と言うそうだ。
知らないことをこうして教えてもらう。

楽しい展覧会だった。3/31まで。
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