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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「百花繚乱列島 -江戸諸国絵師めぐりー」 上方から長崎まで

いよいよ真打登場!「うまいもん」めぐりもここにきて堂々完成!
…になったらええなという願望。

第4章 京・大坂 −−−諸派の爛熟と上方の版画
食は関西にあり!

鶴沢探索 松島・天橋立図扇面 明和6-寛政9年(1769-97)頃 東京国立博物館  以前に見てたが、やはりいいなあ。横からの視点。広々。歩いた時なんとなく心地よかった天橋立。
なおこれは扇面で、1に挙げてたパリ万博向け100扇の1。
ところで鶴沢派は最初に見たのは京大の博物館でだった。あれから随分経ったが、そろそろ大きい回顧展が見たい。

曾我蕭白 渓流図襖 宝暦12-13年(1762-63) 個人蔵  引き手の辺り、不思議な大クモが這うみたいに見える。そんな風だからところどころに意図的か後年の劣化の成果によるのか、妙な顔が見えたりする。木々も怪しい。

円山応挙 秋月雪峡図屏風 天明6年(1786) 千葉市美術館  左は月下に広がる雪峡。
右は秋の月の下、少年がお仕えしている高士のお琴を抱いて運ぶ。
この子らよく働くけど、給与体系とかどうなってるのか、と考えることがたまにある。
修行の身の上ということでやはりただ働きかとか。

浮田一蕙 花使図 江戸時代(19世紀) 愛知県陶磁美術館  七夕の宮中の行事の一つ。近衛家からの贈り物の花。開店祝いのような大きな花飾りを若党に運ばせる。

中村芳中 白梅図 文化期(1804-18)頃 千葉市美術館  いきなりどんっと出現。いいなあ、芳中。上に伸びる枝、そこに白梅が胡粉というより生姜糖のようなので盛られている。

鶴亭 雪笹図 寛延4年(1751) 個人蔵  この絵師もあの「我が名は鶴亭」展のおかげでその面白味を知ったなあ。
当時の感想はこちら

佚山 松下双鶴図 明和7年(1770) 個人蔵  いつざん。松の下には鶴カプがいて、上にはカササギが一羽。

岡田米山人 松閣夜談図 文化9年(1812) 個人蔵  この絵師は父子そろって大阪歴博で見たりするから無縁ということもない。
しかしこのジャングルのような様子、すごいなあ。
そこに屋敷があるのもなんだか。

細密な銅版画が現れる。
井上九皐 朝比奈図(『銅版襍帖』のうち) 文化-文政期(1804-30) 町田市立国際版画美術館  どうしても超人的な朝比奈の姿が浮かぶが、これはそうではなく、やや大きな男という風に描かれる。一方、 虹を作る男とか雪の結晶とかいいな。

岡田春燈斎 四條大芝居顔見世霜曙之景 (『銅板細見集 上』のうち) 弘化-安政期(1844-60)頃 町田市立国際版画美術館  こりまた細かい、すごく細かい。四条大橋がいいな。

中川信輔 「東街道 石部」「東街道 土山」 (『銅版細画帖 乾』のうち) 嘉永-安政期(1848-60)頃 町田市立国際版画美術館  これまた細密。情緒はないがも面白い。亀山もか。
どうしても石部・土山といえば広重の情緒豊かな風景、国芳の猫尽くしが思い出される。

北尾雪坑斎 『彩色画選』 明和4年(1767)刊 町田市立国際版画美術館  いわゆる「合羽摺」な。京都を中心に流行ったと以前聞いた。池田文庫で合羽摺の展覧会を見たが、他ではあまり見ない。タコにカニとかいろいろ。

祇園井特 納涼美人図 享和期(1801-3)頃か 板橋区立美術館  あら珍しや細めの美人。

月岡雪鼎 衣通姫図 安永7-天明6年(1778-86)頃 東京国立博物館  御簾の下に佇み扇を開く。蜘蛛の糸は見えない。

流光斎如圭 狂言尽図巻 寛政期(1789-1801) 千葉市美術館  櫓、三番叟、「お待ちくだされ」と止める人々などなど…

上方浮世絵の登場。
松好斎半兵衛 『絵本二葉葵』 寛政10年(1798) 千葉市美術館  義経…関三十郎、熊谷…片岡仁左衛門、弥陀六…山村儀右衛門  書き換えものかな「一谷嫩軍記」の。多分そうだな。

春好斎北洲 初代市川鰕十郎の唐犬重兵衛 文政3-5年(1820-22)頃 千葉市美術館  この人の褞袍の文様も髑髏柄。時代的に流行ってたな。

春梅斎北英 二代目嵐璃寛の団七九郎兵衛 天保3年(1832) 千葉市美術館  この画像はわたしが昔々購入した池田文庫所蔵の分。千葉市美にもあるのを知ってなんとなく嬉しい。
イメージ (896)
長町裏のところ。色んな殺し場があるが、この「夏祭」の「長町裏」は特に魅力的。

春川五七 山村友五郎門弟 南森軒いわの山姥 文政後期(1824-30) 町田市立国際版画美術館  …美人。

有楽斎長秀 祇園神輿はらいねりもの姿 阿蘭陀可笑竹 文化(1804-18)後期-文政(1818-30)前期頃 千葉市美術館  くねる二人

ところでここで一つご紹介。


おくればせながらのご紹介。詳しくは大和愛さんのもとへ。

第5章 中国・四国地方と出会いの地・長崎
ようようたどりつきましたな。

廣瀬臺山 日光山瀑布図 文化10年(1813) 個人蔵  べろーーんと。なんか変な絵。

参考出品 廣瀬臺山 猿橋図 文化10年(1813) 個人蔵  ロングで捉えてるけど、こちらは逆にしっかりした橋にしか見えん。

廣瀬臺山 瓶花図 江戸時代(18-19世紀) 個人蔵  瓶は七宝焼の。花はバラに色々。異国風な取り合わせ。

淵上旭江(画)皆川淇園(賛) 誕生石図 寛政10年(1798) 個人蔵  これはあれだ、住吉大社にあるものですわ。住吉っさんに行ったらまだあるはず。

淵上旭江 『山水奇観』前編 寛政11年(1799)刊 千葉市美術館 ラヴィッツコレクション  長いなあ。実にたくさんある。

酒井宗雅 石楠花に山鳩図 安永5年(1776) 個人蔵  抱一さんの兄上。山鳩の色がとてもいい色。もしかすると徽宗の鳩の絵の写しでも見てるのかもしれない。

何年か前にこのヒトの展覧会がどこかであり、評判が高かった。行けなくて惜しいことをした。
沖一峨 四季草花図 江戸時代(19世紀) 個人蔵  白紫陽花が印象的。

沖一峨 家翁西京舞妓図 嘉永2年(1849) 鳥取県立博物館  舞う美人が凛々しい。

沖一峨 花杲方円図 江戸時代(19世紀) 鳥取県立博物館  カコウ・ホウエン図。茄子とか朝顔とか夏から秋に咲いたり実ったり。

土方稲嶺 糸瓜に猫図 江戸時代(18-19世紀) 鳥取県立博物館  なかなか不敵な面魂のお猫さん
イメージ (886)

土方稲嶺 東方朔図 文化元年(1804) 鳥取県立博物館  桃を後ろに隠してぼんやり立つ。頓智とかそんなのも出てきそうにない感じ。

片山楊谷 猛虎図 江戸時代(18世紀) 個人蔵  三幅対 茶色、グレー、白。白はノロイ様風。こわいぞ。
イメージ (897)

島田元旦 蝦夷地真景図巻 寛政11年(1799) 鳥取県立博物館  実はこの絵は冒頭にあったの。湾曲した浜辺の道に立ち二人を狂言回しのように置いた絵図。「チヱフウシ」をみるふたり。

黒田稲皐 群鯉図 文政10年(1827) 鳥取県立博物館  でたーっ鯉の人!!!府中市美でこないだみたが、あの人でんがな。
イメージ (892)
鳥取はなかなか豊かな絵を描く人が多く世に出てる。
後の水木しげる、谷口ジローに到るまで。

四国へ。
細川林谷と言うヒトが楽しい。絵日記、旅日記絵、お出かけした先の写生、などなど。
林谷山人紀遊漫画 文政11年(1828) 高松市歴史資料館 頁替
西国巡礼詩画帖 文政12年(1829)以降 個人蔵 頁替
梅花書屋図 文政8年(1825) 高松市歴史資料館
月瀬探梅詩画帖 天保3年(1832) 高松市歴史資料館 頁替
月ヶ瀬は既に梅見の行楽地として人気だった。どの絵も基本、楽しい。

鈴木芙蓉  鳴門十二勝真景図巻 寛政8年(1796) 徳島市立徳島城博物館  波打ち際、夫婦岩、渦巻…
わたしはどうしても江戸時代の鳴門と言うと吉川英治「鳴門秘帖」を思い出すのよね。同じような時代だったかな…
知らなかったが、この4/20からBS時代劇で「鳴門秘帖」が始まるのか。知らなかったなあ。

守住貫魚 鳴門真景図 天保6年-安政元年(1835-54)頃 徳島市立徳島城博物館  ううむ、景色を見ても、やっぱりわたしの頭の中には「鳴門秘帖」の挿絵が浮かぶ。岩田専太郎のアールヌーヴォー風な美麗な絵が…

守住貫魚 源氏物語 明石図、紅葉賀図  安政元年(1854)以降 徳島市立徳島城博物館  先年徳島城で見たようにも思うのだが、おとなしい絵なのでか静かにみる。

守住貫魚 阿波国勝浦郡田之浦村掘出古甲図 安政元年(1854) 徳島県立博物館  そう、出土品を写生している。なにか十字にビス止めしたものがある。鎧なのかな。嘉永7年に出たらしい。妙にゾワゾワするな。

九州へ。
島津斉彬 牡丹図 江戸時代(19世紀) 個人蔵  今話題の人ですな。殿様の絵。

熊斐 猛虎震威図 宝暦3-4年(1753-54)頃 徳川美術館  可愛らしすぎてこんなもん「うぉーっ」にならんよ。

熊斐 寿老人図 江戸時代(18世紀) 個人蔵  鹿と鶴がはりあってるーそれを見る寿老人。

鉅鹿民部(魏晧) 蓮に白頭翁図 江戸時代(18世紀) 個人蔵  オオガ・ミンブ。花鳥図。

石崎融思 荒木君瞻ほか(画) 菅井梅関送別詩画 文化12年(1815) 仙台市博物館  格子に区切ってみんなで送別の詩画をそれぞれ。

荒木君瞻(画)金井莎邨(賛) 梅関高士送別会之図 文政元年(1818) 仙台市博物館  三年後、みんなで遊ぶ図。梅関さん、人気やってんなあ。

長崎。
ああ、ようようたどりつきました。
「長崎犯科帳」が蘇るなあ。あとあれだ、十時半睡シリーズの「包丁男」の話。黒田藩の藩士でむちゃくちゃ料理好きの男が上司ともめて長崎へ左遷されることになり、家老の半睡が慰めようとしたら「卓袱料理を身に着けてきますのでお待ちあれ」とめちゃくちゃ楽しそう…で、半睡は今日日の若い奴はわからん、とためいきをつくのだ。
わたしも久しぶりに長崎へ行くつもり。食べたいもの・行きたいところがたくさんある。

(無款) 阿蘭陀船図 天明期(1781-89)頃 早稲田大学會津八一記念博物館  おお、マークが入ってるね。

紫雲(文錦堂版)  オランダ人康楽図 江戸時代(18-19世紀) 早稲田大学會津八一記念博物館  宴会。洋食ですね。
こういうのを見ると白土三平「カムイ」で夙の人々がカピタンたちに重用されるエピソードが思い出される。
技術のあるなしは大きい。

無款(大和屋版) 阿蘭陀婦人の図 文化14年(1817)以降 早稲田大学會津八一記念博物館  フェルメールやレンブラントのずっと後なのだよなあ、この婦人たちは。

無款(大和屋版) 長崎唐船入津図 嘉永-文久(1848-64)頃 千葉市美術館  にぎやかでけっこうだ。

諸国、うまいもの、めぐり。
実にいろんな絵師がいて、色んな絵を描くなあ。個性の強い絵に翻弄されてしまった。
とても面白かった。

後期は5/8から5/20まで。


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