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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「リアル 最大の奇抜 後期を楽しむ

既に終了したが府中市美術館「リアル 最大の奇抜」展の後期の感想を記す。
前期の感想はこちら


始まりはやはりここから。
森狙仙 群獣図巻  展開場面は変わっている。とはいえ前期の動物群とどこか呼応する構図なのも面白い。
モモンガかムササビらしきものがいる。鼻のアタマはピンクで健康そう。その隣にはよく肥えたウサギが二匹と、逆方向へ向かうキツネのしっぽがほわほわ。
そして前期のドヤな熊に呼応するのがここでは猪。とはいえ足元には可愛いウリ坊が二匹。こちらは親のドヤ顔にも知らん顔。
トボケの牛、羚羊らしき奴、ひそかに鳥を食べてる狼の雌とそれを見守る雄、麿眉のわんこも猛獣の仲間入り、かゆいかゆいのライオンとむっとした豹はカプ。
逃げる鹿に最後は猿で〆。白猿の手には青柿がある。食べれるかどうかは知らん。

呉春 雨中鹿図  雨、右横顔を見せる鹿。目を閉じる白鹿。その顔は雨を楽しむ女のようだった。

森狙仙 紅葉に鹿図  こちらはその隣にいる鹿ップルで若くて可愛い。この二頭がその横顔を見ているような配置。

織田瑟々 忠則桜八幡太郎旗桜上野白桜三交図  タイトルだけ見ればまるで歴史画のようだが「桜狂い」の彼女がそんなものを描くわけもなく、これらは桜の名前なのだそう。つまり忠則桜・八幡太郎旗桜・上野白桜の三種を同時に描いている。花も枝も葉もみんな少しずつ違うが、どれがどれかはわたしにはわからなかった。

岸駒 花鳥図 敦賀市立博物館  小鳥が寄ってくる。百合に似たキスゲらしき花もある。季節は初夏だろうか。

張月樵 長春孔雀図 滋賀県立琵琶湖文化館  物凄く堂々たる孔雀。羽根がとにかくすごくしっかり描かれていた。「リアル」とはこういうことかもしれない。
写実ではなく。

堀江友声 鯉図  周囲には白萩、白躑躅、シャガ、それから紫の小さい花。
ふっくらした鯉がよく動く。…ムマサウな鯉。

亜欧堂田善 花下遊楽図  品川沖を見る山手の人々。ああここはと見当がつく。茣蓙を敷いて小さな宴をするひともいて、その傍らには犬もいる。汀には漁村もある。
「品川から見る海もごついのう」ではないが、確かに品川からの海も広い。

小泉斐 黒羽城周辺景観図 大田原市黒羽芭蕉の館  文政8年、公命により描く。横広の絵。山々、農地、村、川の流れ。右手の松がいい。

長谷川雪堤 浅草雪景図 立花家史料館  雪はやんで、浅草寺の屋根を白く染め、周囲一帯を身動きできぬようにする。空はグラデーションを見せ、広々と続くのを予感させる。いまだ月が出ていた。

矢野良勝 全国名勝図巻 熊本県立美術館  北関東から東北。今回は日光華厳の滝とうらみの滝が出ている。うらみの滝はともかく、華厳の滝はゴォゴォと響いていそうである。
  
宋紫岡 花籠図  上から釣られた籠はむしろ筵に似る。百花がこぼれる。桃、ザクロ、葡萄、枇杷もつまった籠も。そしてそれらの下には青銅の唐獅子が笑っている。

岸竹堂 華厳滝図 敦賀市立博物館  でかっ!見上げる滝。ああ、すごいなあ…

岸竹堂 月下狸図 広島県立美術館  横広顔の狸。身を低めて歩く。この様子がリアル。あたりに注意を払う野生動物らしさ。淡彩なのがいい。

狩野探信 花卉草虫図  明るい群青地に赤い芥子、白菊、緑の葉、蝶。熊路地に金の唐草文様の中回し。とても目立って素敵な掛け軸だった。

片山楊谷 蜃気楼図 渡辺美術館  白く巨大なハマグリからぬはーっと吐かれた気が塔を見せる。床も市松模様、天井には向き合う鯱、人々も小さくいる。

土方稲嶺 東方朔図  傍らの朱卓に桃。誰かと話しているような東方朔。手には巻物。
賛があり、そこには「東方氏呼之狂人」。ただ、この「狂人」がどの意味で使われているかは考えねばならない。武帝に仕え、けむに巻くことも得意だった彼をどうみなしたかで意味が変わってくる。

亜欧堂田善 少女愛犬図  ぎゃっ!凄い前歯!これ元々はフランシス・コーツ原画・ジェームズ・ワトソン版画「ミス・ラッセルズ」を筆で模写したものなのだが、原作と違ってやたらと前歯が巨大化している。びっくりしたぞ…

太田洞玉 神農図 府中市美術館  髭がほわほわ。柏のケープも可愛い。手には薬草。お爺さんアイドルな感じだな。
イメージ (946)

祇園井特 美人図  出ました、これだわこれ。やっぱりある程度の「グロ味」を井特には求めてしまうかな。
簪は星かな?金平糖のようで可愛い。
イメージ (947)

北鼎如蓮 鯉図 摘水軒記念文化振興財団  北斎の鯉をカバーした。躍る鯉。

原在中 夏雲多奇峰図  めりめりした雲と青々した山は点描、隷書体のタイトル入り。

宋紫岡 鯉図  左幅は滝上り、右幅は流れ、水中の鯉も。

葛飾北斎 雪中鷲図 摘水軒記念文化振興財団  出たよ、ドヤ顔の鷲!この口元のムニッとしたところが好き。

葛蛇玉 鯉図  動きのある絵で、ジャンプしたのがまた水中へ向かう。葉っぱは柏か?落ちてゆくのは鯉の動きにつれてのことか。

黒田稲皐 千匹鯉図 鳥取県立博物館  群てるねー。染色風で帯によさそうな。

小泉斐 鮎図  翡翠に狙われている鮎たち。しかし一匹だけは果敢にも?無謀にも?ぱしっと跳ねて見せる。

本多猗蘭 蓮鷺図  この蓮は若冲の影響受けてるのかな。鷺は二羽とも小さい。

片山楊谷 虎図  白みの強い虎。髭は金色。

東燕斎寛志 美人嗔焔図 熊本県立美術館(今西コレクション)  どこかのお座敷の様子。室内で語り合う二人に苛立つ女。相当怒っているようだ。とにかく室内の影に向かい、怖い眼を向けている。

島田元旦 紫式部清少納言図 鳥取県立博物館寄託  「香炉峰」してるところ。そしてその上部には山が描かれる。なんだか雄大になったなー

渕上旭江 真景図帖  「青緑山水画法」に基づいて描いているのだが、どうもみんな一緒に見えてしまって…
描かれているのは以下の通り。
・丹波・但馬鷹浜・投入堂・日御碕・石見・赤間が関(今の下関)・雑賀・五色浜・明石・美作山中・備前・備後阿武門・音戸の瀬戸・周防の象鼻・土佐龍串・五色浜・阿波鳴門・台形の山のある屋島…
 
亜欧堂田善 陸奥国石川郡大隈滝芭蕉翁碑之図(『青かげ』挿絵) 府中市美術館

土方稲嶺 雨竹風竹図  坏は雨中半分顔をのぞかて。

そして最後のコーナーでは再び司馬江漢と応挙あつめ。

司馬江漢 犬に木蓮図 府中市美術館寄託  耳垂れ犬。木蓮を見上げている。

司馬江漢 相州江之島児淵図 府中市美術館  ここを見る度に「桜姫東文章」冒頭の僧・清玄と稚児・白菊丸の心中失敗を思い出すのだ。

円山応挙 虎皮写生図 本間美術館  これは随分前の応挙展の時に見た以来か。
リアルを追及するとこうなるのか。

円山応挙 竜虎図  墨の濃淡で龍は暴れるだけ、虎は見てるだけ。

円山応挙 鼬図(山形県指定文化財) 本間美術館  一匹の廻りには宇野稽古したまが一番たくさんみえる。

円山応挙 雪中残柿猿図  上下で互いに柿を狙う猿たち。箱に封じられ年だが。

円山応挙 鯉魚図  ソリャーッッッと掛け声が聴こえてきそう。

円山応挙 竜門図 京都国立博物館  この絵は三度目。最初は大阪市美の応挙展、それから香雪美術館の応挙展。
真ん中の龍だけが激しい流れの中、這い上がってゆく。
いい絵だ…
こちらに画像がある。  
円山応挙展 前期 /岸竹堂と今尾景年

また来年もその次も来よう。
とても面白かった。
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