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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

百花繚乱列島 江戸諸国絵師めぐり 展示替え分見て回りの巻

5/20までの千葉市美術館「百花繚乱列島 江戸諸国絵師めぐり」の後期にギリギリ行けた。
今回は展示替えされた作品にのみしぼって書く。
前期はこちら
「百花繚乱列島 -江戸諸国絵師めぐりー」 その1


地域性はもうすっとばそう。
以前によかったものは今回もよかった。
波響の「カスべ」も東東洋の「ウ・サギ」たちも元気そうで何より。

東東洋 常盤雪行図 江戸時代(18-19世紀) 仙台市博物館  亀田兵治コレクション  どっしりした女性が立派に立ち尽くす姿。上の男の子二人の手を握り、胸には布巻の赤子。笠はやや小さめ。上の子らはお揃いの小さな袴を穿く。
「どこへ行こう」といった目ではなく、強い意志を秘めた目をしていた。

菅井梅関 千壑萬峰図 文政6年(1823) 東北歴史博物館  岩山が空のそばで連々と続く。

白雲 会津津川冬景図巻 享和元年(1801)頃 歸空庵   シーンごとに説明がある。雪山と川と村だけかもしれないが、そこに生きる人々がいるのを示す。

岸駒 真虎図 天明4-文化5年(1784-1808)  このトラはまた手足の先が可愛いし、爪も牙も可愛いし、麿眉に近い白い眉が可愛いし、ポーズもよくて、ああ、猫の親分やなあという感じがした。ついついメモに小さく虎の絵を描いてしまったよ。

立原杏所 花木図(宜男清齢図) 文政期(1818-30)頃 嬉遊会コレクション  枝ぶりが面白い。廿という字に似た枝に太湖石、バラという中国風な絵。そこへ小鳥が。

小泉斐 月下弾琴図 江戸時代(19世紀) 栃木県立博物館  建物が池に突き出している。その縁側で足をぶらぶら。足裏は水にはつかないが水は近い。気持ちいい状態で夜空を仰ぐ。空の月は描かれないが水面に月が浮かぶ。竹さやさや。ご機嫌で琴を弾く。

小泉斐 『富岳写真』 弘化3年(1846) 栃木県立博物館  3シーン出ていた。
・一合目木立夜 掘っ立て小屋のようなのが道の両側にあり、人の往来もある。鬱蒼とした林が広がり、空は青暗い。線が見えるからか、まんが日本昔ばなしに出てきそうな情景である。いい感じ。
・山頂とその手前もある。なかなかリアルなというか、実感のあるいい感じの見物衆。
なんというか、70年代後半から80年代半ばまでの、旅行ガイドブックのイラストでの案内みたいな感じがする。

戸田忠翰 雪竹兎図 寛政8年(1796) 板橋区立美術館  おおお???雪持ち竹の下、白いうさぎが三羽頭を寄せる。みんな黒目なのも珍しい。ウサギだから可愛い、というのもなく、なんとはなしに悪の枢機卿たちが集まって陰謀を企てているかのように見える。

椿椿山 日光道中真景図巻稿 文政12年(1829) 栃木県立博物館  日光に行ったことがないので描かれた日光にかつてこんなところがあったのか、と面白く見るわけですよ。
淵もうねっているし、この淵とはどこなんだとか、神祖廟て今もあるのかとか、滝もよく流れるがこれは裏見の滝なのかどうか、寂光滝というのもあるのか…などなど。

鍬形蕙斎(北尾政美) 東都繁昌図巻 享和3年(1803) 千葉市美術館 西谷コレクション
  好きな作品。花見でいちゃつくシーンではなく、日本橋の雑魚場を見るのが楽しい。
三年ぶりの再会。活気があって楽しそうで大好き。いろんな魚もあるしね。
かつては「聖代奇勝」というタイトルもついていたが、どうなったのだろう。
以前にこれについて書いたのをそのまま挙げておこう。絵もあるので。
「文人画再発見!」/「明治神宮の名宝」

鍬形恵斎 東都繁盛図巻 210年前のお江戸の繁盛ぶりが描かれている。
nec174.jpg
橋のこちら側では特ににぎやかな雑魚場の様子が描かれている。
実にいろんな魚がある。よくよく見れば深海魚にしか見えないのもいる。
nec174-1.jpg
実際、この絵の通り多くの魚が売り買いされ、大金が飛び交ったろう。犬もいるし交渉する人もいる。


谷文晁 西遊画紀行帖 江戸時代(18-19世紀) 板橋区立美術館  燧岳に10/18。虹も出ている。絵日記ですなあ。

歌川広重 江戸近郊図 江戸時代(19世紀) 板橋区立美術館  描表装に富士と鶴というめでたいもの。さらにその中に手前に松と奥に田畑で江戸の郊外、全体がうまい構想になっている。

山本梅逸 畳泉密竹図 弘化-嘉永期(1844-54)頃 名古屋市博物館  墨絵。シーンとしている。この人の絵は彩色が好きだがこうした墨絵もいいな。

山本梅逸 桜図 弘化2年(1845)以前 愛知県陶磁美術館  今回改めて知ったのだが、この絵は蜂須賀家へ養子に行った弟と兄との優しい交流の中で生まれたものらしい。

田中訥言 百花百草図屏風 江戸時代(19世紀) 徳川美術館  金地に皺を入れた紙に輪郭線なしの花の姿を描きこむ。春蘭、土筆、菜の花、タンポポに始まり芥子にキスゲにガマの穂、最後は烏瓜と水仙。こういうのもいいな。
ところで解説によると、この頃訥言は絵の前倒し金を使い切って放蕩三昧だったそうな。

沼田月斎 鎌倉江戸道中図巻 文化10年(1813) 板橋区立美術館  鈴ヶ森から羽田の海へ。品川の東海寺まで描かれている。跳ねるタイもいて元気そうな海浜とその周辺。

森高雅(玉僊) 雪中若菜摘図 江戸時代(19世紀) 名古屋市博物館  貴女とおつきの少女と。なかなかきれいな貴女。

松平乘完 秋叢嚢露図 江戸時代(18世紀)  クロアゲハ、朝顔にトンボ、葵にアブ。雀もいる。こうした和やかな絵は東アジアの楽園のようだ。

増山雪斎 虫豸帖(春・夏) 文化4-9年(1807-12)頃 東京国立博物館  蝶のページとバッタ類のページ。クロアゲハ、モンシロチョウ、モンキチョウ、コオロギ、イナゴ、キリギリス…リアルな絵やなあ。これこそ府中市美術館「リアル」に出てもいいかも?いや、あれはリアルを目指そうとしてすっころんだ作品を集めたというべきかもしれないから、これはあかんか。

そして今回も紀楳亭えがく大津絵見立て忠臣蔵、ウ・サギ・ウサギの三社図の可愛いのを見る。

前回書かなかった・前回とは少し違う感想も少々加える。
岡田米山人 松閣夜談図 文化9年(1812)  アジア特有の湿気を感じる、植物相。カラッとしたところがなく、皮膚には潤いがあるが、髪はあかんわになるあの湿気。
そこで誰かと夜のおしゃべり。

月岡雪鼎 筒井筒図 安永7-天明6年(1778-86)頃 東京国立博物館  ここの井戸はあれだ丸い井戸やわ。円筒形のね。イメージ的に四角く組んだのが筒井筒かなと思ったが、これもありなのか。
それで井戸について調べだすと、それこそ深い深い話になるのでやめておく。

松好斎半兵衛 『絵本二葉葵』 寛政10年(1798) 千葉市美術館 ラヴィッツコレクション  「伊勢音頭」の「二見が浦の場」の絵がある。着流しの貢ともめてる連中。間もなく朝日が出るので「ヤレ嬉しや」となる寸前。

廣瀬臺山 龍眠居士山荘図 江戸時代(18−19世紀) 東京国立博物館  濃密な空間を青緑と朱で構成。山は青々と紅葉とが同居する。

淵上旭江 五畿七道図帖(山陽奇勝之図・ 西海奇勝之図・東海奇勝之図) 寛政8年(1796)序 岡山県立美術館  駿河、吉原の富士山、筑波山、香取神宮、隅田川、播磨滝野、壇之浦、錦帯橋、坊津、呼子、桜島、稲佐山…観光名所ですなあ。こういうのを見て「行こう」と思う人も少なくないはず。

沖一峨 花鳥図 江戸時代(19世紀) 板橋区立美術館  □、〇、六角形、文琳型の枠内に濃い絵が。

今回も細川林谷のお絵描きが楽しい。戸隠山中、九頭龍の様子も可愛い。

渡辺秀詮 虎図 江戸時代(18−19世紀) 千葉市美術館  ああ、やっぱり可愛いなあ。

というわけで楽しい展覧会でした。
自分の記憶と記録のために終わった後でもこうして書いておくのでした。
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