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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「江戸の戯画」 をたのしむ その2

お江戸の戯画が集まっている
まずは北斎から。
イメージ (998)

ところでTVドラマ「必殺」シリーズに「富嶽百景殺し旅」というのがあり、旅する北斎が富嶽百景に込めてコロシの相手を描くというのがそのシステムだった。
小沢栄太郎が演じた北斎はふざけた爺で自ら「わしは葛飾ア北斎じゃー」と名乗っていた。
そう、あほくさい。
で、まさかの切り殺されで最終回。

第三章 北斎

シリーズ「鳥羽絵集会」はすべてベルギー王立美術歴史博物館所蔵品。
様々な生活シーンからチョイスされて北斎の鳥羽絵になった人々。
その「鳥羽絵」の特性として、人体表現が極端なところがある。
手足が思い切り細長く、顔は丸顔で目鼻も口もごく簡素。
北斎ぽいキャラでないのも「鳥羽絵」だから。

お稽古   清元あたりのか、女師匠も男弟子二人もえーかげん。
門付けの瞽女  三人ばかり来ているが、犬も一緒に合唱。
酒盛り  おやおや、ここの酒徳利の紋、さっきのごぜさんらが門付した店のやわ。因みに背後の屏風にも「鳥羽」の文字。
身づくろい   遊女たちの支度色々。絵は鳥羽絵カトゥーンだけど、行為はリアルやな。
魚頭観音 ベルギー王立美術歴史博物館


助六の股をくぐる男  芝居の通り。で、助六の下帯がべろーんと垂れている。
道成寺  花柄の着物の女が来たけれど、どうも中に何枚も着ているようにも見えないし、「鐘にうらみは数々ござる」ようでもない。喧嘩  どうやら痴情の縺れらしい。女の腕に「トバエ」と刺青が見えるのは洒落やな。
夫婦の団欒  ここの屏風にも「鳥羽」文字。夫婦のと言うより家族の。江戸の庶民はけっこう仲良く暮らしていた。

謎かけ戯画集シリーズも面白い。絵は鳥羽絵ではなく北斎キャラ。
鰻 「鰻とかけて」「ままならぬ恋路ととく」「心は さかれてのちに身を焦がす」…うまいな。
本蔵が娘  「さいの河原ととく」「心は 大石こいし」これまたうまいな。忠臣蔵な。

そして「北斎漫画」がずらり。これがとても楽しい。
ヒトだけでなくろくろっ首も仲間入り。

第四章 国芳
有名どころの絵がずらり。
好きなものが多かった。

猫飼好五十三疋  東海道の宿場駅がみんな猫ワードのあれ。大好き。
影絵や猫の当て字もある。役者絵のパロもぞろぞろ。

百色面相、妙名異相胸中五十三面シリーズは知らない。
まあ「尽くし」でもあるわけで、読むのにちょっと苦心しつつ読むと笑える。

蝦蟇手本ひやうきんぐらと化物忠臣蔵があった。
いやぁ、さすが忠臣蔵は何をしても面白い。

そして今回前期ただけだが、こんなのが出た。
金魚尽くしシリーズ+1
イメージ (999)
ぼんぼん、いかだのり、すさのおのみこと、酒のざしき、にはかあめんぼう、まとい、玉や玉や、さらいとんび、百ものがたり。
そして画像右下は作者不詳の「けんじゅつ」
まあ金魚も色々あるわな。

それから大坂の 長谷川貞信「童戯狂画尽」シリーズがある。
ヒトコママンガ風にお芝居のパロ絵を描いている。
夏祭浪花鑑  カラスに売り物さらわれてる団七。
双蝶々曲輪日記  二人でおもちゃの蝶々を販売中。
祇園祭礼信仰記  ところてんを食べるキャラ達。

第五章 滑稽名所
広重の江戸vs一鶯斎芳梅の京阪。
面白かった。
イメージ (996)

広重の元からの風景画の良さのところへかれの諧謔味が加わる。
とても楽しい。
江戸名所道化尽シリーズ。いいなあこういうのも。

一鶯斎芳梅「滑稽都名所」は京のあちこち。しかしそんなに笑えるわけではなく、おとなしい。
平野(神社)の花見、雪の龍安寺、立体起動で飛んでるような天狗のいる鞍馬山、芒の生える耳塚の前で笛を吹く男もいれば、清水の舞台を傘を差して飛ぶ娘もいる。

過剰な笑いが活きるのはやはり大坂だった。

天満市場  スイカがいっぱいコロコロコロコロ―
なにはばし  花火の火種が落ちてきて熱い熱い!!
大川すゝみ  モロに後ろの川へどんぶりと落ちる…
鬼子母善神  菜の花畑を行くのでくちゃい…
蛸の松   タヌキの化けたオバケ娘に脅かされる!
住吉  住吉っさんの反り橋からすってんころりん。
含粋亭芳豊 滑稽浪花名所 ざこば魚市  巨大な章魚に絞められる売人!!

ああ、どれもこれも楽しかった。

最後は幕末から明治に大活躍の暁斎。
第六章 暁斎

狂斎百図  フルカラーの明るい一枚絵の群衆図でいろんに楽しい様子が続く。

天竺渡来大評判 象の戯遊  働くゾウさん、色んなことをするのいいなあ。

イソップ物語を翻案したものもフルカラーで明治の絵の具を使っている。
伊蘇普物語之内 兎の身なげの話  着物のウサギ、警官は洋装、みんなで慌てて岸へ向かうと…そしてそこに無関係にぷっとい蛙たちが何匹もいて、一斉に池へ飛び込んで行った。
文章も結構口語文。

応需暁斎楽画 このシリーズも好き。
第一号 地獄の文明開化  地獄も大きく転換期を迎えたわけだがいろいろ大変らしい。
閻魔さまもシルクハット、奪衣婆もまさかのドレス姿。

第三号 化々学校     鬼たち、河童たち、それぞれ覚える言葉も違う。結構大変そう。
第四号 極楽の開化  こっちの方が地獄感つよいな…

河鍋暁斎 『狂斎画譜』 太田記念美術館  鯰を馬に三味線猫が富士の前を飛ぶ!
イメージ (1003)
この絵は拡大化されてもいた。

鳥獣戯画 猫又と狸(下絵) 河鍋暁斎記念美術館  前々から思うのがこの猫叉の顔、わたなべまさこのホラーに出てきそう。

下絵の蛙たち、ネズミたちも面白かった。

最後の最後まで楽しい絵尽くしで機嫌よく見て回れた。
こういう展覧会、いいなー。
本当に面白かった。

6/10まで。
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