FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「江戸名所図屏風と都市の華やぎ」展をたのしむ

出光美術館の大好きな所蔵品の一つ「江戸名所図屏風」に再会した。
「江戸名所図屏風と都市の華やぎ」展、そこには楽しい屏風や巻物がずらりと並んでいる。
中でもこの「江戸名所図屏風」は都市風景・風俗だけでなく、描かれた人々が可愛くて、そこがまた魅力なのだ。

イメージ (1263)


第1章 江戸名所図の誕生―〈横から目線〉でとらえた都市の姿
このブログをはじめてから以下の記事で江戸名所図屏風の出た展覧会を取り上げている。
以下はその感想
美の祝典 Ⅲ江戸絵画の華やぎ

「日本絵画の魅惑」

日本の美・発見Ⅶ 祭 遊楽・祭礼・名所

屏風の世界

やまと絵の譜

江戸名所図屏風は見るたびに新しい発見がある。
これは洛中洛外図屏風も同じで、やはり都市風景図は面白くて仕方ない。


様々な表情を見せる江戸の街。

江戸の町を逍遥する。

イメージ (1266)

楽しみは尽きない。

イメージ (1267)


tou237.jpg


cam264.jpg
.
美少年がいるよ。
イメージ (16)

右は上野の寛永寺から日本橋まで。左は江戸城から増上寺。芝浦海岸までが屏風に載る。
色子茶屋もあれば猿回しも芸をするし、湯女もいて勧進坊主も歩く。傀儡も飛脚も・・・様々な人がいる。
やっぱり人いきれのするような都市図が楽しい。

江戸名所遊楽図屏風  木母寺がある。そこには柳が植わり、こんもりした塚も。都から遠く離れたこの地へ連れてこられ、儚く世を去った梅若丸の哀れさ。我が子を探し求めて狂ったまま旅をする班女の前…中世の名残がある「江戸」の地。
浅草寺の屋根がその左にある。放下師がジャグリングする様子も見える。ケンカもあれば女歌舞伎も営業中。都から流れてきたのかな…

江戸風俗図屏風  鶺鴒髷の女たちがいる。金雲がもこもこ。花見をする人もいる。もう江戸という都市はすっかり機能している時代。とはいえこの頃の上方もまた華やかなのだが。

四季日待図巻 英一蝶  座敷で人形芝居をみる人たちがいる。屏風は秋草の絵柄。
炭火を起こしているから、もう夏ではないらしい。武家屋敷の一隅。二カ所に分かれての楽しみ。楽屋らしきものも拵えていて、たのしそう。
山伏が何か祈祷もしている。外では杜鵑も。それを見上げるような少年。花菖蒲も咲いている。今なら五月か。
季節は一つではないのか、そのあたりがわたしにはあいまいだ。
こうした様子をみるのも面白い。江戸中期の暮らしの中で。

第2章 都市景観図の先例―洛中洛外図と花洛の歳時
新都から都へ。

月次風俗図扇面 室町時代  本圀寺、御霊神社、東寺、祇園社…そういえば山科の本圀寺には行ったことがないな。京都の名所は引っ越したところもあるが、大方は元のまま今に至るので、古い絵を見て今の様子を思い浮かべも出来る。

洛中名所図扇面貼付屏風 狩野宗秀 桃山時代  伏見から東福寺…京阪沿線!鴨川を中心とした図で、上に伏見・下に東寺を置く。左にはなんと苔寺まで。これは初めて見たわ。さすがに緑が多い。今は非公開か。特別公開の時に入ったが、この絵でも緑が濃い。
上賀茂では競馬ね。
  
祇園祭礼図屏風  弁慶の鉾も。毎年出かけているが、行くたびに新発見がある祇園祭。

二つの阿国歌舞伎図屏風をみる。
阿国歌舞伎図屏風 桃山時代  松に楓に笹に桜まで。左6に泣く女も。これはなんだろう、個人的に泣いているのか哭き女なのか。
阿国歌舞伎図屏風 江戸時代  かなりの客入り。
そういえば小野通女を描いた大和和紀「イシュタルの娘」終盤に、かつての栄光を失い、老婆となった阿国が一度だけお通の前に姿を見せるシーンがある。老婆となっても華麗な舞を見せ、お通がはっとなったときにはその姿は消えている。
出雲阿国はどこへ消え去ったか、だれも知らぬのだ。
 
歌舞伎・花鳥図屏風  久しぶりの再会。裏面が花鳥図なの。こういう屏風は楽しい。そんなに大きくもないから色々と使えるし。

イメージ (1265)
 
第3章 〈悪所〉への近接―遊興空間の演出
皆よく遊べ。

江戸風俗図巻 菱川師宣  扇屋、桶屋といった商店に、花見もあれば舟遊びもある。輪舞する人々もいる。楽しみはまだまだある。
  
遊里風俗図 菱川師宣 寛文12年(1672)  冬らしく大火鉢を出してぐだぐだ。

江戸風俗図巻 宮川長春  きらきらしている。舟で手ずから花火をする男たち。打ち上げもいいし、こうしたのもいい。
 
吉原遊興図屏風 古山(菱川)師重  冷やかしの様子。 実際にこんな風景は絵や時代劇でしか見れないのだが、一度だけそれに近いものを某所で見た。集団で真昼に、そこにある建物を見に行ったのだが、 そのとき会社の大きいのがゆっくりゆっくり走りながら造花で飾られた店先に座る女たちを品定めしていた。その様子をわたしは見ていた。
ここに描かれた冷やかしの様子を見るのと同じような眼で。

イメージ (1264)

春秋遊楽図屏風 菱川師平  ひやかしの現場だが、それにしては一般客も来てるな。紅葉した木が見えるから秋か。
桜は客寄せのためにわざわざそこに集めて植えて、一般公開もしているが、秋もそうなのか。それとも菱川派のいた頃はもっとゆるかったのか。
 
遊里風俗図 懐月堂派  ここでもひやかし。往来で「待って―」という声も聴こえそうな様子。

寝そべる女二態。
蚊帳美人図  宮川長春  
読書美人図  宮川長春
先年、大和文華館でこの長春展があったが、そのときも寝そべる女をよく見たな。
当時の感想はこちら。
宮川長春展 前期

中村座歌舞伎図屏風  意外と大きめの人物が描かれている。看板もある。
中村座歌舞伎芝居図屏風 奥村政信 享保16年(1731)  木戸あたりの様子がいい。


第4章 都市のなかの美人
少し時代が進んだらしい。

隅田川眺望図  北尾政美(鍬形蕙斎)  対岸に今戸焼の窯がみえる。丸くて可愛い。

舟遊図 鳥文斎栄之  ざぶざぶ…

蛍狩美人図   蹄斎北馬  かなりやる気に満ちているな。美人の嗜みです、と違い本気モードの蛍狩り。

隅田川舟遊・雪見酒宴図屏風  歌川国久  とても楽しそう。江戸の庶民の四季の楽しみが増えて行ったのだ。

やっぱりわたしは都市の中での楽しみを見出すのが好きだ。
そこでのヒトの遊ぶ様子を見るのがいい。
自分もまたその空間に秘かに入り込み、一緒に遊んでいる気になるからかもしれない。

9/9まで。
関連記事
スポンサーサイト
最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア