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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

永井GO展

大阪文化館・天保山、要するに海遊館の隣のあの元のサントリー美術館大阪の建物で永井豪の原画展が開催している。
9/8~9/24という短期間なので焦ったが、なんとか行くことが出来た。
イメージ (1325)
永井豪もマンガ家となって半世紀を超えたそうだ。
とにかくわたしなどは物心ついた頃には既に永井豪の諸作品に囲まれていた。
手塚治虫、横山光輝、石森章太郎、藤子不二雄、赤塚不二夫、楳図かずお、そして永井豪の作品はマンガとアニメの両方で活きていて、離れることなく今日までおつきあいがある。
これはもう本当に多くの人がそうだと思う。特に昭和生まれはそうだろう。

建物内に入るとすぐにマジンガーZのオブジェがある。



いやもう本当にこれをみると勝手に脳内で水木一郎アニキの歌声が炸裂する。


ええのう…

永井豪の近作「激マン」のマジンガーZ編でアニメとマンガの製作裏話を知ることが出来たのは良かった。
この巨大ロボットの出現によって、「ロボットアニメ」が確立したのだ。

永井豪アニメのOPを集めた映像が流れている。
それを全部みていたが、時間がないので歌をBGMにしながら原画を見て回る。

最初に鬼を描いた作品群の紹介がある。
ずばり「鬼」 原画を見て再読したくて苦しくなる。
長編もいいが、短編に傑作が多い。
鬼への偏愛を感じるだけでなく、差別と言うものを深く描いている。

「鬼」といえばやはり「手天童子」である。
護鬼初登場シーンや戦闘シーンの原画が出ていた。
わたしは永井豪の全てのマンガでこの「手天童子」が最愛。
何度読み返したかわからないくらい読み返し、何かあればすぐに脳内で再読している。
近年、若いパパさんが赤ちゃんを抱っこして歩く姿をよく見かけるようになったが、それを見る度に「護鬼が主人公・手天童子を抱いて戦う」シーンが蘇るようになっていた。
あとは車田正美「聖闘士星矢」のアイオロスも同時に浮かんでくる。
どちらも主君である幼児を守るために命がけなのだ。
若いパパさんたち、がんばれ。

心の鬼を描いた作品も紹介されている。いずれもSF傑作集に収録されている。
「ススムちゃん大ショック」「赤いチャンチャンコ」
怖くて仕方ない物語。これらだけでも永井豪という作家の凄まじさの一端を思い知らされる。

やがてデビルマンが来た。
わたしは完全に原作マンガよりアニメの方が好きで、今もやっぱりしばしば脳内再生している。

OPのカッコよさもいいが、EDの魅力の深さには今も痺れている。
阿久悠の作詞が最高、三沢郷の作曲が名品!!!

どきどきするよなあ。

マンガ原画では「ジンメン」が出ていた。
終盤の無残なシーンは紹介されていない。

カラーもとてもたくさん紹介されている。
飛鳥了の美貌が目に残る。




巨大ロボットはマジンガーZに始まり「グレートマジンガー」「グレンダイザー」「ゲッターロボ」へと続く。
今回「鋼鉄ジーグ」はなかった。近年のイタリア映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」が様々な映画賞を受賞し、改めて「ジーグ」がヨーロッパで愛されていることを知った。監督と永井豪が楽しそうに笑いあう写真をみている。

「バイオレンスジャック」がきた。
ジャックがスラムキングに勝って、笑いながら立ち去るシーンである。
そして「学園退屈男」の早乙女門土と身堂竜馬の紹介がある。
もうやっぱり永井キャラのうちでもこの二人は特に魅力的だ。
彼らについて語るには時間が足りなさすぎる。
わたしが漫画ゴラクを読みだしたのは高校生の頃だが、それはバイオレンスジャックの再開を友達が教えてくれたからだ。
門土と竜馬の二人の関係の深さ…思うだけでゾクゾクする。

「バイオレンスジャック」はスターシステムを採っていた。
それは単にキャラの使いまわしと言うことではなく、漫画ゴラク版の最終話で納得のゆく理由をみた。
何故彼らが、というその理由。後付なのか最初からの設定なのかは知らないが、やはりこの作品がスターシステムを採ったのは大正解だとあの当時、本気で感銘を受けた。
全ては「収斂」ということである。

「凄ノ王」もまた「バイオレンスジャック」に登場していたが、あれは元々の話自体で終わっていてもよかったと思う。
今回の展示は悲劇寸前の状況までなので、あの無残なことは展示ではわからない。
それでいいとも思う。

ギャグも本当にたくさんある。
初期の「目明しポリ吉」は師匠の石森の影響がある絵だと思うが、それでもやっぱりテンポが永井豪だと思った。
「イヤハヤ南友」「おいら女蛮」は大好きだった。なつかしい。
どちらも初期の頃の話で、物語は中盤が面白かった。

「スペオペ宙学」「あばしり一家」もある。
とはいえ、いずれもあまりに過剰なシーンは出ていない。

「ハレンチ学園」は小学生の頃に単行本で読んだ。
わいせつさは全然感じなかったが、むしろそれ以外のところにエグミを感じた。
紹介されてるのは十兵衛(柳生みつ子)が危ないところを山岸が助け、二人仲良く家へむかい、スカートめくりというシーン。
あのリアルタイムの頃の意識と言うのがよくわからないので、「こらこら」くらいにしか思えなかった。

ここには紹介されていないが、わたしがこの作品でショックを受けていたのは以下の状況である。
ハレンチ大戦争でとにかく主要キャラがみんな死ぬ。非常に残念な経過がある。キャラへの愛着が状況を惜しませる。
更に一般市民も犠牲になり、その肉を狙って精肉店を営む山岸夫婦が戦場へ向かい、命を落とすことになる。
そして息子の山岸がその両親始め他の死体を「父ちゃんに似た肉」「母ちゃんに似た肉」として持ち帰り店でさばいて…
これにはいまだに衝撃が残る。すごいブラックユーモアである。
第二部ではこれまたとんでもないことが起こるのだが…

「キューティハニー」がある。
そりゃもうよく見ました。リアルタイムに。
大パネルに7つのハニーの変身姿があった。
みんなかっこいい。
「バイオレンスジャック」にハニーが「7人のハニー」として出演しているのはよかった。
これも「激マン」で裏話を描いていて楽しかった。




「ドロロンえん魔くん」がある。
可愛いなあ。このえん魔くんはアニメもマンガも可愛い男の子だったが、彼はどんどん美少年として成長し、「バイオレンスジャックには「炎魔」として妖艶な美青年として登場している。
可愛い男児が妖艶な美青年になるのを見たのは、この「えん魔くん」と高橋葉介の「夢幻紳士」くらいだ。


えん魔くんは閻魔大王の甥っ子、「幽遊白書」コエンマは閻魔大王の息子、「鬼灯の冷徹」鬼灯は閻魔大王の第一秘書官…
マンガやアニメでみる限り、地獄もお仕事が大変そうである。


「けっこう仮面」「まぼろしパンティ」といったお色気マンガもなんだかんだと面白かった。
第一話が出ていたが、このタイトルはうまかったなあ。
後年、「カイケツ風呂頭巾」という時代物も描いたが、あれもこの系統の仲間である。
月光仮面、まぼろし探偵、快傑黒頭巾・・・
イヤハヤなんとも 申し上げにくいなあww

永井豪描くグラマーでがっしりした肉体美の女性たちは本当にかっこいい。
性的虐待を受けようと立ち直ろうとし、強く生きるその姿からはエロティシズムより誇り高さの方を強く感じる。

現在連載中の「デビルマンサーガ」も紹介されている。
今週号も面白かったが、今後どうなるのか。元々が「デビルマン」だからやっぱり破滅が…
同じく展示中の「デビルマンレディー」もよかった。完成度の高い作品だと思う。

戦国武将などを描いた作品群もあった。かっこいい一枚絵である。
そういえば「戦群」も面白かった。あれは「神州天馬侠」を原作としたものだった。

マンガやアニメ以外の作品も紹介されていた。
栗本薫「魔界水滸伝」と布袋寅康のCDジャケットである。
やっぱりかっこいい。

造型師の人々が素晴らしい作品を作っていた。



この辺りはパチパチ可能。

最後に石森章太郎のアシスタント時代の描き下ろしマンガがあったが、続きは来年の東京での開催時になるらしい。
あー…読みたい。

9/24まで。コーフンした。
グッズもたくさん売っていた。皆喜んでたくさん購入している。
ここで一言。
永井豪先生、これからも傑作をお待ちしています!

いい展覧会だった。
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