FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

物語を彩るミュシャと挿絵の世界

堺アルフォンス・ミュシャ館でミュシャの描いた挿絵の展覧会が開催されている。
イメージ (1398)

ミュシャといえばサラ・ベルナールと組んだポスターがまず思い浮かぶが、繊細で緻密な描写の挿絵も多く残していた。
これはジュディット・ゴーティエ「白い象の伝説」の挿絵下絵。
彼女はテオフィル・ゴーティエの娘で、アジアに関心を持ち、アジアを舞台にした小説を書いた。
初版は1894年、挿絵はその前年の作である。
ラオスで生まれた白象が仲間に受け入れられず、一人ぼっちでさまよううちに文字などを覚え、王の象となり、その姫の守護をするが姫の望まぬ結婚に自分も嫌気がさし、消息を絶つ。芸が出来たことでサーカスで働くようになるが日々鬱屈する象。しかしある日ショーにあの姫君が偶然訪れたことで象はようやく幸せを得る。

多くのミュシャの挿絵がついた本は初版の後に1910, 1925年と版を重ねたが、2005年まで完全版は出なかった。
ミュシャの全挿絵の入った「白い象の伝説」は日本で出版されているそうだ。



姫を助ける象
イメージ (1399)

全体の挿絵を集めたサイトがあった。こちら
このゾウさんはなかなか賢いだけでなく、よく働くのだが、「オツベルとゾウ」同様に心に染まぬ仕事をさせられ、鬱屈する。
物語には色々時間の経緯による変化もあるのだが、ゾウの一生は結構波乱万丈なのだった。

アジアの姫の装飾なども美麗で、さすがミュシャだという表現だった。
一方、ゾウの賢いのにびっくりする人々の様子や他の灰色のゾウ達の嫌そうな顔つきなどもいい。
綺麗なものばかりでないミュシャの細密な表現を知ることが出来てよかった。

ミュシャは本の装幀も多く担当した。
イメージ (1395)
「スラヴィア 思いやりの深い母親たち」1935年 もはや「ムハ」としてチェコに戻った時代の仕事だが、表現はアールヌーヴォー様式である。


イメージ (1396)
この装飾性の高いところなどはいかにもパリ時代のミュシャらしさがある。
「トリポリの姫君イルゼ」 1897
この物語はサラ・ベルナールが演じてもいる。

イメージ (1397)
「クリオ」挿絵 1900年 海上の道となる月明かりが巨大な女の顔へと至る。
明治の浪漫派の人々が憧れたのはこうした絵だった。
絵の背景となる物語はわからないが、惹かれる何かがある。

他にも多くの挿絵や装幀がある。
繊細な描写のミュシャの挿絵はとてもよかった。

11/11まで。


関連記事
スポンサーサイト
最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア