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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

建国1100年 高麗 金属工芸の輝きと信仰 その2

続き。
梵鐘をみる。
イメージ (1439)

梵鐘と言えば印象的なものがいくつかある。
・道成寺の梵鐘 安珍が清姫から逃れようと隠れた梵鐘
・弁慶が引きずって谷底に投げ落とした梵鐘
・方広寺の「国家安康君臣豊楽」の梵鐘
・「獄門島」の金属供出から帰ってきた梵鐘
・「夜叉が池」の人間と白雪姫ら妖怪との約定の梵鐘
などなど。

梵鐘にまつわる物語はなかなか多い。
中でも三井寺(園城寺)には梵鐘にまつわる伝承がとても多い。弁慶の鐘もそうだし、他にも少しばかり怖い話もある。
二次大戦で供出されたから現物はないが「童子因縁鐘」などはそれ。
さる富豪に勧進を願ったら「カネはないが子供なら寄進する」との返事。やがて鋳造できた鐘に三人の子供の姿が浮かび上がっている。そしてその日、あの「子供なら寄進する」と言い放った富豪の家から三人の子供が行方不明になったという…
今回はその三井寺から高麗の鐘が来ている。
総高77.2cm・身高57.8cm 口径50.0
太平12年(1032)銘があるが、これは遼に服属中の時代で、しかしながら遼に対し腹立ちがあるのであえてこの年号を使っているそう。
つまり「太平」は十年までなのに12年と刻むところにその思いが示されているのだ。
本体にはほかにこのような文字が見える。
「飛天青鳧大寺」
この鐘は戦前は旧国宝に指定されていたそう。
9つの乳並びは高麗特有だそうで、胴には飛天の姿。首回りや裾には丁寧な文様が入る。
イメージ (1440)

上部に龍頭と円筒形の旗挿があるが、その旗挿を「甬」ユウというそう。知らないことなので覚えよう。
梵鐘の構造と部位の説明についてはわりと調べやすいが、これまで調べること自体、考えもしなかった。

東博の梵鐘は高さ50cmほどだが、こちらは明昌七年(1196)銘でもう中国は金の時代になった頃のもの。遼は滅びてしまった。この梵鐘は徳島のお寺に伝わっていたそう。

高麗美術館のは更に後年のもの。大国・中国の政変は朝鮮を大きく揺るがす。

金鼓 1213年 いわゆる「鰐口」。仏具。制作者の名前も残っている。

阿弥陀八大菩薩図  高麗仏画らしさの強い絵。手前の完全にカメラ目線の二人のおじさん仏は観音と勢至菩薩。女性風ではなくおじさん度の高い二人。奥にはお地蔵さんも。そして阿弥陀さんは高麗らしく赤地の衣に金糸で〇柄が。

イメージ (1443)

4.装いの美-装身具・鏡・飲食器
古代の東アジアの美の粋はまだ続いていた。
共通する美意識の基は仏教の荘厳なのか。

半島を統一した新羅も滅び、高麗が誕生する。
同時期の日本は鎖国し、中国とも朝鮮半島とも文化的交流をもたなかった。
高麗の美を平安時代の人は知らなかったことになる。

新羅の金製垂飾の愛らしさ。8対あるがいずれも丁寧な作り。古墳時代の飾り物を思う。
あれから400年以上たったが、こちらではこの様式は活きている。

高麗の装飾品を見る。
銀製鍍金腕釧 わんせんとは腕輪のこと。釧などと言う字は「釧路」以外ではまあ使わないなあ。読み方もここでは「セン」。つくりが川だからなあ。
とても細い腕輪。どこに嵌めるのかと思うほどに細い。

とても可愛い金製の飾り金具が現れた。
蓮に亀。これは対もので左右の別がある。
そして梅文も。
イメージ (1446)

イメージ (1437)
実物はとても小さい。
亀が2cm、梅に至っては1.65cmだ。すごくちいさい。
けれどこの拡大画像でわかるようにとても精巧。

銀製鍍金の刀鞘や針筒などが並ぶ。
次は銅製鋳造の鏡。

菊花や唐草文、双雲鶴、鯉も鳳も龍もツイン。
双龍文鏡 立体的で龍の胴回りが蛇のようでなんだか生臭さそうなリアリズムの拵えだった。肉感的な龍がうずくまる鏡。

解説を読んでいてわからなかったことがある。
「金鏡の舶載鏡または踏み返し」とある。どういうことを指すのかがわからない。
いや、舶載鏡はわかる。日本で出土する鏡のうち,中国で製作され日本に伝来したものをさしている。
わたしがわからないのは「踏み返し」。これは何を言うのか。
また調べてみよう、

イメージ (1436)

波濤船舶文鏡  この右肩のマカラ魚たちが可愛い。
イメージ (1441)
波の中から何が現れるか知れたものではないな…

最後にスプーンと箸が登場。
銀の匙と銅の箸ではなく、どちらも銅製。今も使われている物と形は同じ。ああ…冷麺が食べたくなってきた。

とても良いものを見て気分は上々。
他にも素敵な作品がいっぱいある。
11/11まで。
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