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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「江戸絵画への誘い」@頴川美術館

江戸絵画の名品を多く持つ頴川美術館、とてもいい作品を季節に応じて展示する。
小規模だからこそのゆったりしたよさがある展示室で、一人楽しく作品を眺めた。

イメージ (1473)

茶筅売図 岡田米山人  爺さんが何やら歌いながらふくべを打ち鳴らしつつ茶筅を売り歩く姿。これは年の瀬に新年用の茶筅を売る姿だそう。
楽しそうな様子がいい。やっぱり物売りは愛想が大切なのは昔も今も変わらない。特に関西では。
歌詞を挙げる。
「ふくべ打ち鳴らし あなた方らはてむころり かなた方らはてむころり 茶筅めせめせと売り歩き 柳は緑、花は紅のいろいろ」
75翁 米山人写

足柄吹笙図 田能村直入・篠崎小竹賛 1844 カラフルな絵。新羅三郎が師匠から学んだ秘曲をその師匠の息子・豊原時秋に伝授する。桜の下での演奏。
「後三年の役」のエピソードの一つ。

養老瀑図 高久隆古  大和絵+南画な作風。ヒトビトはなぜか平安風な装いである。まあ大和絵やしなあ。

人物図 呉春・柴田義董・皆川淇園賛  子福者で名高い郭子儀を描いているそう。巨大な老人を呉春、その隣の小柄で何故か腹の出ているのと子供は柴田。これは吉祥画で、賛にはその依頼主が古希を迎えたことが示されてている。

漁樵図 岡本豊彦  樵はわりと老人で大量の柴を集めた後でほっと一息中。通りかかった漁師は若い奴のようで、「あっち」となにか指さしているよう。
実際に会話している様子なのだが、かれらの話はここまでは伝わらない。

嵐山桜花満開図 松村景文  けっこうロングで橋を中心に。対岸の山には松がかなり目立つ。岸辺に桜が並ぶ。この時期の嵐山には行かないからあれだが、往時も凄い人出だったろう。それをこのように静謐に描くところが四条派の情緒纏綿たるところ。

どうでもいいが、情緒纏綿という古語を使うのも、この絵が江戸時代のだからだが、しかしそもそも情緒纏綿という言葉自体江戸時代に使われていたかどうか。
むしろ明治から使われだした言葉ではないだろうか。
昭和戦前までに生まれた人までが自然と使える言葉ではないのか。
用例集を見てもそんな気がしてきた。あえて古語を使いたがる人は措いても。
http://yourei.jp/情緒纏綿

秋夜景図 松村景文  墨の濃淡で描かれている。満月は朧に、その下に繁茂する秋草達。
わたしは薄かと思ったが、「オヒシバ(雄日芝)」という草が揺れ、そのそばにはカヤツリグサも。そしてツユクサもあり、鈴虫が鳴く。
オヒシバとはなんぞやと調べたら、「あー、あれか」とわかった。そう、あれ。

芭蕉野菊図 山本梅逸  破れ芭蕉に太湖石。そこで雀ならぬツグミが飛んだり跳ねたり。

樹下煎茶図 中村竹渓  竹洞の子。彼らの絵はこの頴川美術館で知ったわけだが、息子のこの絵は初見。父親に習っただけに煎茶もばっちり。高士らしきおじさんがのんべんだらりと樹下で煎茶道具と共にいる。

雨中嵐山図 塩川文麟  よっぽど大雨らしくゴーーーっという感じで全体が雨でおおわれている。橋を慌てて渡ろうとする人々の姿が小さく描かれている。傘で隠れた人々が。

花火線香図 岡本豊彦  これが実に良かった。しーんと薄暗い中に花菖蒲の描かれた団扇と香炉があり、そこで立てるタイプの線香花火が静かにパチパチ…金色の光を放つ。

浪花百景のうち25枚が出ていた。
2013年にここで「浪花百景 なにわの賑わい」展が開催されたが、今回は前後期に分けての展示。
当時の感想はこちら

四天王寺、雑魚場、堂島、住吉っさん、生玉、高津、桜ノ宮、天満、高麗橋の三井…
多くの名所が描かれている。
ここで一枚取り上げよう。
四天王寺合法辻
イメージ (1474)
雪の中、御高祖頭巾の女の後ろ姿。
以前もわたしは芝居の玉手御前(お辻)のようだと思った。
今回、解説にも彼女のことが挙げられていた。
お辻の献身、お辻の(秘められた)愛。
絵の右端には閻魔堂がみえる。
この閻魔堂は頭痛によく効くそうだ。

なお浪花百景はこちらで全数が見れるようだ。

11/30まで。
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