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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

手塚雄二 光を聴き、風を視る

難波の高島屋で日本画家・手塚雄二の展覧会が開催されている。
手塚雄二の展覧会を見るのは二度目、実に九年ぶり。
以前、横浜そごうで見たことがあるが、その時作家本人の来場があり、好感を抱いた。

イメージ (1881)

とにかく色彩が素晴らしい。グラデーションの美を感じる。
金粉が画面を覆う。ただし、あからさまではなく、間近で凝視して初めて金粉の煌めきに気づくのだ。

1953年生まれの手塚雄二は芸大在学中に結婚し、父になったが、奥さんの産後の肥立ちが悪く、その世話と赤ちゃんの世話、制作にとたいへん多忙な日々を過ごした。
結局それでそれまでのシュールな作風を捨てて、自然描写に向かった。
結果として、それがよかったそうだ。

1980年代の「少女季」「気」は技術の高さを感じさせるが、後年の作品と見比べると、やはり方向転換したのは正解だと思わせるのだ。

院展を舞台に制作を続ける手塚雄二。
2015年から2018年の春の院展に出した四点の絵から展示は始まるのだが、いずれも幻想的な色彩の美しさに感銘を受けた。

タイトルは美しい言葉を選んでいる。
その分観念的なところもある。

秋麗 2015  枯葉とセキレイのある風景。全体に金粉がかかり、やわらかな空間が形成されている。

終宴 1994  赤い秋。葉が降り落ちてゆく…

月読 1999 静かな海上に細い二日月が上る。

巨大な屏風絵も少なくない。
雷神雷雲/風雲風神 12曲と4曲で構成されている。雷神がとても大きい。雷神が1999年、風神は翌年。
カルラを思い出させる雷神の風貌もいい。

明治神宮内陣御屏風(日月四季花鳥) 2018  それまでの下村観山の屏風に替わるものだそう。
日月が左右に描かれて、木の葉のグラデーションが非常に美しく描かれている。
遠目にはどこか伊予切を思わせるような、王朝継紙のような趣のある美しさがあった。

イメージ (1882)

どの作品も大変色彩が美しく、そして静謐である。そこに惹かれる。

茶の湯に打ち込んだそうで、棗が並んでいた。黒光りする美しい地に植物の絵がある。
奇抜さはないが、大胆な構図で、とてもよい。

着物もデザインしている。上品な薄紫のグラデーションの着物と帯とは、高島屋の上品會に出品されている。
これは着物を拵える人にとって参加するのが名誉となる会で、そこに招待されての作成なのだ。
すごいことだ。

ブルックリンの雨 2010  水灰色の画面にぼうっと遠くに見える橋の終点。かっこいい…

花夜 2013  桜越しの月。ああ、とても綺麗。
イメージ (1883)

4/22まで。
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