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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ

基本的に現代アートがニガテだ。
意味が分からないというのが大きい。
ではアートで意味不明なものは無価値かと言うと、決してそうではない。
わからないものであっても惹かれるものはあるし、一旦惹かれるとわからなくてもいいと思ってしまう。
ジョゼフ・コーネルは1903年に生まれ1972年に亡くなった。
日本でいえば明治36年から昭和47年までの期間である。
これは現代作家でもあり近代作家のくくりにも入る世代だった。

コーネルの拵える箱には宇宙が閉じ込められている。
小さいものが好きなわたしは子どもの頃に、他人から見れば無価値なものをたくさん集めて、好きなように配置して、それを眺めては楽しんだ。
いつからかそうした楽しみから遠のいたが、コーネルの箱は小さいわたしの拵えたものをもっと丁寧に、もっと美しく表現したものだと思えた。

今回、コーネルの二次元作品も見た。
とても綺麗だ。
イメージ (1943)

美麗なコラージュ。先般庭園美術館で見た岡上淑子のコラージュの魅力が蘇ってくる。
コーネルのコラージュもまた豊かに美しいものだった。

コラージュが素敵なのも当然だった。
かれの箱はコラージュの立体物だと言ってもいい。
いいサイズの箱をじっと見てみると、そこには不思議な世界が閉じ込められている。
一件関係性のないものたちばかりなのだが、それらがコーネルの眼と手で配置を決められることで、生き始める。

イメージ (1944)

獅子と黒豹と女のいる室内、火災に咲く花、花舟の鵜飼、鸚鵡と蝶のいる空間…
みなとても優しく、そして美しい。

箱の中の宇宙、箱の中にだけ存在する世界。
箱から出れは塵芥。
意味を持つのは箱の中での出会い。

イメージ (1945)

まるで遠い世界、遠い宇宙の通信のようだ。
それらをキャッチしたコーネルが形にして、わたしたちを迷わせる。
そして惑星間の連携が新たなインスピレーションを生む。

コーネルの手紙も魅力的だった。
道成寺の石段と能役者の話。
全く知らない話だが、それがとてもそそる。

映像が流れていた。
古い映画フィルムを自分でカットしたのを編集したらしい。
物語の筋は失われたが、ひたすら彼の好む女優とシーンとだけが続く。
こういうものも面白い。

コーネルのファンでいてよかった。
わからないことが、それ自体がとても楽しく、そして惹かれる源になっている。

6/16まで。


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