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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」展を楽しむ

東博「美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」展を楽しんだ。
本館のいくつかの室を特別展示室として使用。行く先々にお宝が現れる、という実感があった。

常から特別展示室の5室から見て回る。
イメージ (1946)

唐獅子図屛風 [右隻]狩野永徳筆、[左隻]狩野常信筆 6曲1双 安土桃山時代・16世紀、江戸時代・17世紀 宮内庁三の丸尚蔵館
おう、ここからか。
右の二頭の獅子はよく教科書などでも見かけるので、知らない人は少ないだろう。永徳の将に鋭気堂々たる獅子たちである。
金屏風に負けぬ強さがある。
だいぶ前にこの絵を見たとき、ブログに「次はいつ出ますか」という問いかけがあり、困ったことがある。
今ならそのヒトに「今出てますよー」と教えてあげられるのだが。

今回はこの獅子たちに呼応する左隻も出ている。永徳のひ孫にあたる常信の若い、というより幼いような獅子である。
こちらもご先祖・先達の名品を敬ってか、同じ雰囲気を醸し出そうとしている。金屏風に滝まで描いて、勇壮な場面を設定する。
顔は怖くても可愛い獅子。名を勝手に獅子丸とつけておく。それが右からやってくる永徳の獅子たちに向かって嬉しそうに駆け出す。
「おじー、おばー」という声さえ聞こえてきそうである。その声で二頭も嬉しそうに見えた。
左がついたことで一気にハートウォーミングな屏風になった。
これはこれでわるくはない。


永徳へのリスペクト作品。

檜図屛風 狩野永徳筆 4曲1双 安土桃山時代・天正18年(1590) 東京国立博物館
これも久しぶりの再会。檜の堂々たる枝ぶり、幹の強さ。四百年前からの花粉をこちらにも撒き散らしそうな勢い。


四季草花図屛風 伝狩野永徳筆 4曲1隻  安土桃山時代・16世紀 宮内庁三の丸尚蔵館  いろんな花が咲くのだが、珍しくもシャガの花も描かれている。これだけでも嬉しいなあ。牡丹、百合、菊といった豪華なのばかりではないのがいい。

イメージ (1948)


屛風土代 小野道風筆 1巻 平安時代・延長6年(928) 宮内庁三の丸尚蔵館
「土代」とは何か。下書きのこと。そぉか、忘れずにいよう。
大江朝綱の漢詩を清書する、という状況。
当代きっての漢詩作者の作品をやはり当代随一の能書が清書する…
素敵だなあ。
11首の漢詩のうちから「春日山」「惜残春」「書斎独居」などの文字をみつけ、色々と物思う。

伊勢集断簡(石山切)「秋月ひとへに」1幅 平安時代・12世紀 文化庁
この石山切は王朝継紙の美の粋。左辺り、綺麗…

更級日記 藤原定家筆 1帖 鎌倉時代・13世紀 宮内庁三の丸尚蔵館
げっ…大学の時、これを読み解くという苦行を課せられましてな…それ以来本当に定家がにくくなりましたわ。
出ているところは「13になる年の9/3」云々の辺り。

伏見天皇宸翰和歌(五十首)「むら雨の」 伏見天皇筆 1巻 鎌倉時代・14世紀 東京国立博物館
能書で名高い帝。書くこと自体が好きだったのがわかる。

浜松図屛風 6曲1双 室町時代・15世紀 文化庁
いつ以来かな、見るの。「海辺の松林を描いた屏風」が即ち「浜松図屏風」なので、ここでも浜辺の様子が描かれている。
室町頃に流行したそう。
しかしわたしは最初そうと知らず、浜松あたりの様子なのかと思いこんでいた。

秋冬山水図 雪舟等楊筆 2幅 室町時代・15世紀末~16世紀初 東京国立博物館
このしぃんとした静けさの良さがわかるようになったのはつい近年。わたしはやっぱり洛中洛外図のにぎやかなのが

兄様と弟の対比。
伊勢物語 八橋図 尾形光琳筆 1幅 江戸時代・18世紀 東京国立博物館
八橋図 尾形乾山筆 1幅 江戸時代・18世紀 文化庁
これはもうゆるい乾山の八ッ橋が心に残るわ。ぱっぱっと描いて、すきまに和歌を入れるというのが巧い。

花鳥遊魚図巻 長沢芦雪筆 1巻 江戸時代・18世紀 文化庁
正直、この作品がもういちばん嬉しい。
亀に魚に…薔薇の下には雀たち10羽ばかり、それからわんこのあつまり。白4、斑3、かつぎ1.それから少し離れてまたわんこ。
かつぎはどちらも背を向けている。
キツツキと鶯。巨大な鯉とびっくりする鮒、鯰、海老…
イメージ (1947)

イメージ (1949)
可愛くてならんわ、さすが芦雪。

西瓜図 葛飾北斎筆 1幅 江戸時代・天保10年(1839) 宮内庁三の丸尚蔵館
肉筆画。この絵の解釈も色々とあるようだが、それもそうだろうが、他にも多少のグロテスクな感覚があるようにも思う。
スイカにまつわるホラー小説が岡本綺堂と芥川にあったが、ああいうのの元ネタは多分江戸時代のだろうから、それに出てきそうなのだよ。だからこのスイカは食べない方がいい。

色絵若松図茶壺 仁清作 1口 江戸時代・17世紀 文化庁
遠くからでも一目でわかる仁清の作品。これも凝っている。
黒がピカピカ光っている。椿と桜もある…かな。

西行物語絵巻 巻一 [画]俵屋宗達筆 [詞書]烏丸光広筆 6巻のうち 1巻 江戸時代・17世紀 文化庁
褒められて賜る様子。貴族たちは建物の内側にいる。襖絵が綺麗。武士である佐藤くんは庭に立つ。
この時代の武士の立場と言うのがよくわかる。

唐子遊図屛風 狩野探幽筆 6曲1双 江戸時代・17世紀 宮内庁三の丸尚蔵館
可愛いよ、三頭身達がなんだかんだ遊ぶ姿。獅子舞、春駒、蝶々追ったり・・・可愛い。

納涼図屛風 久隅守景筆 2曲1隻 江戸時代・17世紀 東京国立博物館
大きな瓢も成っている。干瓢になるのだったかな。ある家族の夏の様子。

イメージ (1951)
イメージ (1950)

西行物語絵巻 巻四 尾形光琳筆 4巻のうち1巻 江戸時代・17~18世紀 宮内庁三の丸尚蔵館
秋の野の中に佇む西行。綺麗な萩。
こちらはもう身分制度から逸脱した西行の姿なのだが、孤独と自由と言うことを考える。
僚友の清盛が武士から身を起こして短時間で貴族よりも貴族になってしまい、遂には武士であり続けた源氏により滅ぼされてしまう。それをみつめる出家した西行。

前後赤壁図屛風 池大雅筆・自賛 6曲1双 江戸時代・寛延2年(1749) 文化庁
外から見る分には楷書、上陸後は隷書。面白いな。

玄圃瑤華「檀特・華鬘草」「花菖蒲・棕櫚」伊藤若冲自画・自刻 2面(4図) 江戸時代・明和5年(1768) 東京国立博物館
このうち華鬘草がポーの挿絵をよくしたハリー・クラークの先達としか思えないほど妖艶で、この血脈には魔夜峰央がいることを思ったね。アールヌーヴォーはこうしたところに始まりがいたわけだ。

新緑杜鵑図 与謝蕪村筆 1幅 江戸時代・18世紀 文化庁
この時期の空気感が活きていてとてもいい。現代にはもう失われた感性がここにある。自然の美。

虎図 谷文晁筆 1幅 江戸時代・18~19世紀 宮内庁三の丸尚蔵館
「さーて水のもうか」尻尾くるんの虎。雪山。足の爪の辺りが洋風。元ネタはヨンストン。

花鳥版画「牡丹に蝶」「紫陽花に燕」 葛飾北斎画 2枚 江戸時代・19世紀 東京国立博物館
風に吹かれてちりりりりり…となった花弁がいいのですよ。

舞妓 黒田清輝筆 1面 明治26年(1893) 東京国立博物館
この舞妓ちゃん、鴨川が見える座敷にいるのだなあ。東京の半玉ではなく京都の舞妓なの。
日差しがはいって顔が明るい。

雨霽 竹内栖鳳筆 1幅 大正13年(1924) 宮内庁三の丸尚蔵館
サギが一羽、柳に。その上には雀。雨の後の空気感がいい。湿気ているけれど、心地よいような。

秋茄子 西村五雲筆 1幅 昭和7年(1932) 宮内庁三の丸尚蔵館
狐が三匹、寝る・立つ・オイオイな狐たち。さすが動物画の巨匠。秋ナスが可愛い。

龍蛟躍四溟 横山大観筆 6曲1双 昭和11年(1936) 宮内庁三の丸尚蔵館
ファンキーな顔だな。龍とミヅチそれぞれ。

猿置物 高村光雲作 1点 大正12年(1923) 宮内庁三の丸尚蔵館
三番叟のかっこに御幣を担ぐさる。
光雲は随筆を読んでその洒脱さ、いかにも幕末の江戸の町民なところが気に入った。
面白すぎる。

黄釉銹絵梅樹図大瓶 初代宮川香山作 1口 明治25年(1892) 東京国立博物館
ああ、これは刺青のような美しさだ…薄黄色に白梅の繊細さ。

七宝花蝶文瓶 並河靖之作 1対 明治25年(1892) 東京国立博物館
肩辺りに繊細な表現がはいる。

七宝富嶽図額 濤川惣助作 1面 明治26年(1893) 東京国立博物館
あああ、絵にしか見えない。暈しの素晴らしさ。

こうして大いに楽しみました。
ありがとう…
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