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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

チャイナドレス、ゆかた、制服 ―素敵な「衣服」の展覧会をみる

首都圏で衣服に関する三つの展覧会を楽しんだ。
・チャイナドレス…横浜ユーラシア文化館
・ゆかた…泉屋博古館分館
・制服…弥生美術館

過去の展覧会でこれらを見たものがあるかと探すと、チャイナドレス関連の展覧会が多かった。
そこから始める。

装いの横浜チャイナタウン 華僑女性の服飾史
イメージ (2017)
この展覧会は横浜と言う地の利を生かした内容だと思った。
巨大な中華街があること、それだ。
実際に横浜に住まう中国人の家庭から貸し出されたチャイナドレスが並び、家族ごとの歴史や嗜好がそこから読み取れもする。
祖母―母―娘へと引き継がれたチャイナドレスがウェデングを彩る衣裳にもなる。

イメージ (2019)
80年近い前の娘さんたち。にこにこと楽しいほほえみを浮かべている。
時代としてはこの年の12月からいよいよ日本はアメリカとも戦争状態に突入する。
中国大陸へは既に日本兵が出兵している。

この展覧会は広岡今日子さんと言う方の尽力があったそうで、素晴らしい講演会も開催された。
それについてはこの方がメモをとられツイートされている。
誠にありがたい。

この広岡今日子さんのコレクションは2017年に関学博物館で見ている。
装いの上海モダン―近代中国女性の服飾
当時の感想はこちら

こちらは当時のチラシ
イメージ (530)

素敵なチャイナドレスが並ぶのを見るだけでも楽しいのに、そこに物語も付随すると趣が一層深くなる。
丁度みごとな茶道具にまつわる逸話を愉しむのと似ている。

イメージ (2018)

花釦ばかりを集めたものもあり、こうした細部にそれぞれのこだわりを見出す。
いいなあ、本当に素敵。
聘珍樓の女系に伝わるチャイナドレス、セピア色の写真もともに展示されていて、来し方を想う。

チャイナドレスはモダンな時代の衣服なのだが、現代ではほぼ「何かちょっとしたパーティ」用のドレスになっている。
日常で着用するのはたとえば中華料理の店員さんがムードを出すために制服として、というような感じだが、数十年前までは間違いなくおしゃれな日常を演出する衣服だったのだ。

五年前、ブリヂストン美術館でみたチャイナドレスの現物と、それらをモチーフにした絵画も素晴らしかったのを思い出す。
描かれたチャイナドレス─藤島武二から梅原龍三郎まで
当時の感想はこちら
そしてその同時代の官展絵画を集めたものの中にはチャイナドレスの美人画もあった。
東京・ソウル・台北・長春 ―官展にみる― それぞれの近代美術
当時の感想はこちら

綺麗なものを見てうっとりした。
6/30まで。

つぎはわが日本で江戸時代に発展した浴衣である。
ゆかた浴衣ユカタ 泉屋博古館分館
イメージ (2015)
浴衣は今日も人気の夏のアイテムである。
今では若い男性にも人気があって、花火大会などのある日にカップルで着用する人々を見ることも多い。
わたしは別に着物警察なぞではないので、楽しそうに着ている人々を微笑ましく眺めるばかりだ。

やはり藍染めや白地に藍の入る浴衣がいとしい。
江戸時代の人々のデザイン性の高さは今更言うを俟たないが、どれを見ても本当に素敵だ。
そして現物だけでなく浮世絵の展示があるのもいい。
浴衣と染付のうつわの近似性を想い、とても嬉しくなる。
どちらもとても魅力的なのだ。

イメージ (2016)

浴衣のデザインは江戸時代から今に至るまで、さまざまな人々が成してきた。
職人性の高いひとからデザイナーまで実に色々。
浮世絵師系の美人画家・鏑木清方も浴衣デザインの仕事をしたし、竹内栖鳳の描いた絵から浴衣を拵える人もいた。

こちらは岡田三郎助 五葉蔦 チラシでは昭和表記になっているが、1909年 明治末。
イメージ (2025)
かれは女性物の素敵な衣裳のコレクターなので、この浴衣も実際にあったのではないかと思う。

わたしの好みはチラシにもある大正から昭和初期の白抜きの団扇文様の浴衣。
他にも着てみたいものがたくさんあった。
どうしてもこうした展示は「自分が着たいもの」「着たらどうか」を中心に考えながら見てしまうな。

この展覧会は6/16までが前期で、6/18からは後期、大幅な入れ替えがあるそうだ。

六本木一丁目の駅から美術館へ至るまでにこれだけの看板があった。



七夕までの素敵な展覧会。
七夕に浴衣を着るのもいいと思う。


最後に制服の展覧会。
ニッポン制服百年史 弥生美術館
イメージ (2014)
先年セーラー服だけの展覧会を見たが、今度のは制服そのものの展示で、集大成といってもよさそうに思う。
江口寿史の可愛い女の子二人。
こういうのを見ると、なるほどわたしは前世紀のやぼったい女子高生だったなあと改めて思い知らされる。

多くのマンガ家の描く可愛い制服も出ていた。
わたしはあまりに「学園もの」から遠い場所にいるので、実はこういうのを見るのは苦痛だ。
というか、実は現役の女子中学生・女子高生(決してJCやJKなんて表記しないぞ)の頃から、いちばん嫌いなものは「学園もの」のラブコメだった。
要するに自分が「可愛い少女」ではなかったことが根底にあるからだと思う。
そして学校にいた頃、いいことがほとんどなかったことが思い出されるので、やっぱり制服を見ていると苦痛なのだった。
何しろこんな可愛い制服を着たとしても、わたしはわたしのままであるだろうからだ。
申し訳ないがそういうわけでわたしはさっさと三階の華宵のコーナーへ行き、そこから夢二美術館へ向かった。

そういえば今わたしが、学園に通う少女や少年が主人公のマンガで読んでいる作品と言えば二つだけか。
日本橋ヨヲコ「少女ファイト」
なきぼくろ「バトルスタディーズ」
どちらも高校スポーツの話だ。
そしてめちゃくちゃ一生懸命かれらを応援している。
制服に関してもこの二作は作中で語られるシーンがある。
ああ、やはりラブコメはニガテだが高校スポーツマンガは好きなのだよなあ。

色々苦い思い出と共に新たに気づかされることもある展示を見たのだった。
6/30まで。
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