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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

福徳円満を求めて 中国 元・明時代の華やかな工芸

例によってやることが遅いので、終了したばかりの大和文華館「福徳円満を求めて 中国 元・明時代の華やかな工芸」展の感想を挙げる。
あくまでも自分の記憶と記録の為だから遅くとも挙げることに意義があるんだ、と言い訳する。
ほんまに会期中に挙げてたら、もしかするとちょっとでも集客のお手伝いになったかもしれんのだが、それが出来ない。
いい展覧会だけに申し訳ない。

イメージ (2176)

今回は大阪市立美術館、白鶴美術館からも名品が来ていた。
数年前、関西で中国文物・書画を有する名だたる美術館の連合的な展覧会があったが、こうして相互に融通しあうのはまことによいなあ。
今、しょーむない政権のせいで近隣国と政治的に上手いこといってないが、東アジアの美術の素晴らしさを今こそ再認識しないといけないと思う。

イメージ (2166)

チラシの中央の爽やか系お兄さんは白鶴の五彩武人図有蓋壺のひと。
これに関しては以前に詳しく絵の内容についてかいた。
転用する。
五彩武人図有蓋壺 出ました、好きな壺。
明代のこれを見ると、それより時代の古い北宋が舞台の水滸伝を想ったりする。
今回丁寧に眺めましたわ。
チラシにある位置を正面として、身分のある人の前で武人二人が演武を見せる。周囲には文武官。彼らをじっくりと観察した。
正面から向かって右へ逆時計回りにみてゆく。
・椅子に座る武官の獅子噛みバックル、その獅子にも睫毛があり、この獅子は左側で行われている演武を見ようと横目になっている。
・そこからずーっと行くと、城壁らしきものが見えてくる。三段くらいの段差のあるやぐら状のものが整然と並ぶのが遠目にわかる。
・正面の真後ろ。白馬を御す人はターバンを巻いて目が鋭い。胡人かもしれない。彼らを先導する若者は旗を持ち、なにやら嬉しそう。その若者の被り物には山鳥の羽が一本ささる。蛮夷の将兵のようでもある。
イタリアのベルサリエーリはワサワサとつけていたな。
・どんどん兵が増えてゆく。やがて正面の向って左辺りに来ると、衛兵らしきものがいるが、その手にしている棒先の斧の背には龍が噛みついている。
龍もまた演武が気になるような顔をしている。
・壺の下段の青獅子たちは時計回りに走りながら後ろを見ている。みんな睫毛が長くて、のんきそうな顔つき。

そう、このお兄さんは「彼らを先導する若者は旗を持ち、なにやら嬉しそう。その若者の被り物には山鳥の羽が一本ささる。」の人。この山鳥の羽のことをなんというか知った。
「鶡冠」 鶡=山鳥(カツ)や雉の羽根つける冠。
そうなのか、ほほー。

景徳鎮の釉裏紅の艶やかな瓶や鉢が並ぶ。
雲鶴に鳳凰の図様の下にラマ式蓮弁の連続文があったり、色が変わって黄色と薄きみどりになったものや、魅力的な玉壺春もここに並んでいたりする。
やきものの美は一様ではないのだ。

法花菖蒲文鉢がある。これは初見。この大和文華館の所蔵品と言うことだが、見た記憶がない。
案外大きい。青地に白花、葉紫。削ぎにはオモダカも咲く。わたしは法花が好きなので嬉しい。

五彩の龍文はここにある分は皆「大明萬歴年製」の銘が入る。
めでたい柄だけに中には更に宝珠、巻物が加わるものもある。
龍の爪は五本。皇帝の龍である。
ウサギと鶴の取り合わせもある。可愛い。

赤絵で面白いのは角鉢で、外側のざくろの絵だがヘルメスの杖状になっていた。
これは意図したものではなく偶然なのだろうが、上部に羽を付けたら完全にそれなので、ちょっと面白かった。
尤もヘルメスの杖は蛇が絡んであの形なのだったか。

古染付、祥瑞の良いのが並ぶのを見ると、この暑い日に気持ちよくなる。白に青のとりあわせはやっぱり涼やかだ。
富士山型の鉢の見込みに山岳風景、栗鼠と山査子、網目に魚、桔梗型香合。この香合は安政二年の型物香合番付で前頭を務めていた。
古染付の次世代が祥瑞だが、その後はもうそろそろメイド・イン・ジャパンの染付が世に広まるころか。

宇佐八幡宮境内から出土したと伝わる元の青白磁の壺が見事だった。これは首なしだが青銅器の尊と同じ型のもので、復古的と言うか懐古的なやきもの。
それが首なしになるとまた感じが変わって面白い。

白磁黒釉印花雲竜文鉢 ガワは別にいいのだが、内側ではえらく修羅場な図様である。

大阪市立美術館から豆彩四果文鉢がきていた。桃がとてもかわいい。
白鶴からは青花花鳥獣文六角大壺  これは吉祥文で「爵禄封侯」と中国語で同音の「雀鹿蜂猴」の登場する絵柄。

さて久しぶりに清水裂。めでたい動物がいっぱい。
img848.jpg

細部を見よう
イメージ (2175)
めでたいですな。梅の花というのはまことによいものです。

ところでなんで「清水裂」というのかというと解説によると「茶の湯で紺地に梅に鳥の取り合わせを言う」とあるが、以前別な説明も見たように思うので、いつか調べなくては。

イメージ (2178)

赤絵ケイチョウ形銚子 この字は出なかった。ケイチョウの意味は鴛鴦に似た鳥の名前らしい。派手な色合いである。
こんな字。イメージ (2181)

堆朱、堆黒、存星、螺鈿、灑金といった工芸の名品を見る。
螺鈿山水人物文座屏
イメージ (2169)
丁寧なつくりだなあ。

白鶴の盒子には傀儡を見る母子も刻まれていた。
猿回しと猿たちの図の螺鈿は大阪市立美術館。チラシの下の。
猿たちの顔が…
イメージ (2177)
搾取されてるよなあ。

灑金はサイキンと読む。日本の蒔絵の梨地と大体同じらしい。そそぐ・きんと言うほどの意味があるようだ、字を調べたところ。

次回はどうにか早めに挙げたいと思う。
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