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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」をみる その1

京博でついに佐竹本三十六歌仙絵を中心とした展覧会が開かれた。
イメージ (2375)
31人もの出席。これはもう大事件である。全体をいれると37枚、欠席数が少ない。
これは凄いことだ。
あと80年ばかり21世紀はあるが、これだけのラインナップで展示が出来るかどうか。まあ無理な気がする。
わたしも1990年頃から見ているが、もしかするとこれでほぼ全員見たか見ていないかというところに来ている。
今回の欠席は斎宮女御など数人だが、その斎宮女御は1990年の京博「やまと絵の美」展でみているから、数に入れる。
それにしても随分と集まったものだ。こんなことがあるとはなあ。
絵巻切断事件から丁度百年。
佐竹家から売り立てられてあまりに高価だということで断簡にすることになったのだが、やっぱりそこにわたしのような庶民は怨みを懐く。
そのままでいられないということでの切断で、先に当代きっての名手・田中親美による精密な模本が作られる。
実は田中自身も本当はこの分割会に仲間入りさせてもらえるという話だったが、それは反故にされ、田中は晩年まで憤っていたそうだ。
この辺りの経緯をまとめた面白い読み物がある。
「絵巻切断―佐竹本三十六歌仙の流転」1984年刊行で、今では随分な高値がついている。

さて真打登場までに同時代の美を堪能しよう。

第1章 国宝《三十六人家集》と平安の名筆
奈良時代の漢字の美からかなの美へ移行した平安時代。
三筆、三蹟などと能書が多く、流派も立ったのがこの時代。
字そのものもよいが、それを書く紙に工夫が凝らされ、贅の極みを見せもした。

国宝 手鑑「藻塩草」 一帖 奈良~室町時代 八~十六世紀 京都国立博物館  やはり良いものばかり集めた帖は見ごたえがある。

綺麗な色紙が集まる。
継色紙「いそのかみ」 伝小野道風筆 一幅 平安時代 十一世紀
升色紙「かみなゐの」 伝藤原行成筆 一幅 平安時代 十一世紀 東京 三井記念美術館
寸松庵色紙「ちはやふる」 伝紀貫之筆 一幅 平安時代 十一世紀 京都国立博物館
高野切(第三種)「貞観御時に」 一幅 平安時代 十一世紀
堺色紙「わたつみの」 伝藤原公任筆 一幅 平安時代 十二世紀 大阪 逸翁美術館
これらにはそれぞれ逸話があり、それに因んだ呼び名が与えられている。
字だけでなくそうしたところを踏まえて鑑賞するとなお面白い。

『和漢朗詠集』巻下断簡「帝王」 藤原定信筆 一幅 平安時代 十二世紀 京都国立博物館  これなどは表具がとてもいい。獅子がいて可愛い。更紗が使われているのもいい。
定家の字はアクが強くて読みにくすぎてはっきり言ってすごくニガテだ。
学生の時に彼が筆写した「更級日記」には非常にてこずった。あの怨みが今もある。
(同じように個性の強い蕪村の字は「いいよねー」と思うので、これはもう完全に授業が悪いのかもしれない)

やはり特別奇麗なのがこちら。
本願寺の三十六人家集 素性集 一帖 平安時代 十二世紀 京都 本願寺  わたしがみたのはこの分で、継紙がまことに優美。
他の歌人の分も素晴らしい。
イメージ (2378)

第2章 〝歌聖〞 柿本人麻呂
人麻呂尽くし。いろんな絵師による人麻呂絵。

漆器のいいのが集まる。
州浜鵜螺鈿硯箱 一合 平安時代 十二世紀  州浜の上に鵜。周囲に千鳥の群れを配す。手の込んだ構成。

菊慈童蒔絵硯箱 一合 室町時代 十五世紀  留守文様。菊と柄杓と観世水。

住吉蒔絵硯箱 一合 室町時代 十五~十六世紀 京都国立博物館  蓋の裏に太鼓橋があるそうな。だが横げたがなく橋げたのみ。珍しい。

つづく。
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