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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

富野由悠季の世界展に行く その4

まだガンダムとイデオンにはたどりつけないが、ここで第六部へ。
イメージ (2437)

この頃のわたしはアニメそのものを全く見なかった。
特に1999年は体調が大変悪く、毎朝生きて目を覚ましたことに安堵する日々を過ごしていた。
当時、アサヒグラフを読んでいたが、そこに富野監督の新作が紹介されていた。
「∀ガンダム」である。ターンエーガンダム。
紹介文がよくなかったのか、それを読んだこちらが悪かったのか、妙な妄想がわいて、それで見るのをやめた。
やめたことを後悔はしなかったが、ある日この歌をyoutubeにおススメされて、興味が初めてわいた。
「月の繭」である。

この名曲を聴いて、もう何年も前に終わってしまったアニメを見たいと思った。

そして今回のこの富野由悠季の世界展の掉尾を飾る作品が「∀ガンダム」と「ガンダムGのレコンギスタ」。
安田朗の油彩イラスト原画が数点並ぶ。とてもよい絵だった。
登場人物たちが描かれている。わたしはかれらを知らない。しかしこの数枚の油彩画を見ただけで深く惹かれた。
イメージ (2448)

モニターで「∀ガンダム」の印象的な、というより深い意味を持つシーンばかり意図的に抽出したシーンが流されていた。
解説をよむと「とりかえばや」やフェミニズムといったキーワードがある。
「Zガンダム」でフォウに絶望を叫ばせたときから歳月が過ぎ、こうした地点に来たのか、と感慨深く思った。

話も世界観も何も知らずとも目に入る映像を見るだけで心は動くものだ。
産業革命の文化に巨大メカという合わせ方もよく、映像の美しさにも惹かれた。
地球の人々の暮らしぶりを描いた美術ボードがたいへんよかった。
リアリズムが世界を支える。
ただ、同時にそのあたりの様子が二馬力の仕事にも似ている、と思いもした。
まだ何か未来への希望を感じさせる時代の文化がそこにあり、人々の思惑が交差する。
静かな感動が自分の心に満ちてゆくのを感じた。

最終話の数分間が映される。
雪の夜の別離の接吻、車内でその様子を知りつつそっと見ないふりをする貴女。
失敗し壊れる人力飛行機、納屋から出され疾走する自転車、若い女がたどりつく夜の森、ブリキの金魚のおもちゃが池に投げこまれる。
こうした一連の動きが何を物語るかはわからないままに、離れがたい魅力を見出し、わたしは今からでもこの物語に没頭したいと思った。

イメージ (2438)

緩やかな動きが大きく描かれ、空間把握が出来た頃、その存在の大きさに気付く。
映像を見ながら、この20年前の物語が復活してくれることを願った。
結局ここにかなり長くいて、ついに退出時間になった。
惜しい、と思いながら何度も巡り、そしてここでまた同じ感銘を受けた。

壁面には筆文字で「月の繭」の歌詞が記されていた。
ここで初めてわたしは自分の勘違いをいくつも知った。
「七たび身を変える」をわたしは「鳴き風に身を晒す」
「青にLALALU LALALU」を「青に流る」だとばかり。
本当に名曲だ。

やはり富野監督の作品はいい。
改めてそのことを思い知った。

続く。
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