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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

松谷みよ子の世界

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これらの写真をクリックすると、懐かしいモモちゃんとプーとアカネちゃんが現れる。
先日まで姫路文学館で開催されていた松谷みよ子の展覧会で、わたしは久しぶりにモモちゃんやプーに会えた。

わたしが最初に松谷みよ子の作品に触れたのは、随分小さい頃と言うより、乳幼児の頃らしい。
『いないいないばあ』『いいおかお』など、幼児のための物語を書く人として、松谷みよ子を知ったのだ。
ここ数年読んでいないが、『おはなし だいすき』と言う童心社のやや大きな本がある。6歳までの読み物・読んでもらう本。
執筆陣は豪華である。松谷みよ子、村山寿子、与田準一、他に外国の物語がとても沢山入っている。
挿絵陣もたいへん豪華で、いわさきちひろ、北田卓史、安 泰らである。
今読んでも大変面白い話がたくさんある。

そしてこのモモちゃんシリーズ。
モモちゃんと妹のアカネちゃんと黒猫のプー。
楽しいだけでなく、色々と深い事情の潜む『物語』だった。
パパとママは互いに嫌いではないのに、思想上の差異から離婚する。
離婚して後もパパからの愛情はモモちゃんやアカネちゃんに届く。
しかしパパは道半ばにして死んでしまう。

松谷みよ子の作品にはしばしば『死』が描かれる。
『死の国からのバトン』『まちんと』などである。
松谷みよ子もいわさきちひろと同じく、子供の未来のために平和を求めるお母さんなのである。
このことはやや大きくなってから、わたしにもわかった。

一方、松谷みよ子は日本各地の伝説や民話を採集する人でもあり、それらを自分の言葉で再構築する作家でもある。
わたしは松谷みよ子の『日本の昔ばなし』『日本の伝説』などと共にTVの『まんが日本昔ばなし』を見て育ったことを、とても嬉しく思う。

高校生の頃から民俗学に惹かれたのは間違いなく、根にこれらがあるからなのだ。
わたしの民俗学は父を谷川健一と折口信夫に、母を松谷みよ子に始まっている。


松谷みよ子の家庭事情とモモちゃんの物語はリンクしあうところが多い。モデルはそれぞれお嬢さんたちなのだ。
プーはもういないが、今では別な黒ネコさんがいる。
その写真がせつない。
黒猫ちゃんは家猫なので座敷で遊んでもらっている。
外猫でごはんをもらっている白猫、ブチら三匹は雪見障子の向うでその様子を、実にうらやましげに眺めている。
・・・つらいなあ。
すべての猫が幸せになりますように。


展覧会にはたくさんの絵本が並び、母子が大勢来ていて、皆楽しそうだった。現役の子供も子供を引退したママも、みんな松谷みよ子の作品に触れて育っているのだ。

わたしは忙しい隙間を縫ってここへ来たことを喜んだ。
一人ぼっちで見に来たけれど、松谷みよ子の世界はそんなわたしにも扉を開いてくれる。
来れてよかった、本当に。
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コメント
なつかしい・・・
 擦り切れるほど読んで貰い、また自分でも読んだ懐かしい本ばかり。
童心社のこのシリーズに「ね、おはなしよんで」「続 ね、おはなしよんで」
などもありましたね。
復刊されたので、母と同じように娘に読んでやることも出来、嬉しかったです。
2006/06/13(火) 15:47 | URL | 山桜 #-[ 編集]
ママのよろこび、ですね。
本当にこういうところから小さな幸せが育つと思います。
このシリーズはよかったです。
今読んでも胸をうたれます。
2006/06/13(火) 22:54 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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